2017年11月02日

笑うお葬式で泣く

フェイスブックを始めた頃のこと。どこで嗅ぎ付けたのか不思議なんですが、メールも住所も電話番号も全く知らないのに、フェイスブックから知り合いではないですか?と聞かれました。
そりゃあ知ってますとも。その人はアメリカ在住の野沢直子さんでした。それから…娘の真珠ちゃんがファイターになったことや近況がわかるようになり、先日、本を書いたことを知りました。野沢さんの家族の話です。
野沢さんとは、彼女が貧乏な環境からお金持ちの生活に変わっていった頃、テアトル・エコーの養成所で知り合いました。一発屋のお父さんが失敗する度に貧乏になり、そのお父さんがいなくなって暮らせなくなり、叔父である野沢那智さんの劇団薔薇座に、祖母、母、弟と親子四人で間借りしていたそうです。「本当にお母さん、袋はりの内職とかしてたんだよ〜」とか冗談っぽく言ってました。出会った頃は、一発当てたお父さんが戻り、キャデラックが2台もある杉並の豪邸に住んでいたんですが、貧乏時代が長いから鰻の上とか絶対頼めないんだよと言ってたことを思いだします。
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養成所の頃の思い出。彼女が入った時は18歳。いつも底抜けにゲラゲラで、時に涙でビジャビジャで、太ももは橋本聖子でした。
「夏の夜の夢」の公演の時。なぜか彼女がヘレナでオレがデメトリアス。最後のシーンは舞台上手で抱き合ったまま寝てしまい、朝日で目覚めて恋人同士になって起きるという演出でした。ところがある日の事、いつもは床でくっついているのに、その時は腕を妙に突っぱっているんです。30cmくらい空間ができてたかも。どうしたのかなと思ったら、客席に大事な人が座ってました。
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「半変化束恋道中」というお芝居では主役。お束という未熟でうまく化けられない若い狐が人間に恋するお話で、これが見事に彼女にはまりました。彼女のために書かれた本のようでした。勘が良く、感受性豊かでオープン。もしNYで猿をやらずに俳優をやっていてもかなりの女優さんになっていたことは間違いないです。そういえば片岡孝夫(仁左衛門)が好きだったな。そんな事も思いだします。

当時、本をあんまり読まないと言ってたので、読みやすくて泣ける本を貸したことがありました。感想を聞くと「オウオウオウって声あげて泣いちゃったよ〜」と言って笑ってた。そんな反応が楽しかったです。お笑い好きと知ってたので藤本義一氏の「鬼の詩」を貸したこともありました。いま考えると釈迦に説法でかなりの節穴。まさか文才がこんなにあるとは…。ものごとを論理的に構築して文章にすることと最もかけ離れていて、感性だけの人だと思っていましたが違ってました。どちらも備わっていたんです。それが猿とパンクのオブラートでよく見えていなかった。そして隠れていた爪はしっかり伸びていました。
「笑うお葬式」は家族愛に満ちています。破天荒な父親と笑顔を絶やさない母親…そして…ちょっと彼女の見方が変わる一冊。ぜひ!
野沢直子さんのブログのタイトルは“小説家への道”。
なんでこんなタイトルなのかずっと不思議だったけど、すべての道は小説家へ続いていたことがやっとわかりました。
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2017年10月24日

幌車を追っかけて能登へ その2

劇場まわって挨拶しながら仲代さんの楽屋へいくと、ちょうどおっ母用カツラをつけていたところなので、思わず笑ってしまいました。パンフの内容をほめていただき、少し安心して楽屋裏通りを歩いていると、制作のYさんがススっと近づいてきて誤植の囁き。うっ浮かれてた気分にサァーっと水が流れて静かに現実に戻されます……申し訳ない。当該の役者さんに謝って、もう一度素読みすると自分でもひとつおかしなとこを見つけました。どれも小さなとこなんですが、発見できなかったことが悔やまれる。やはりどこかにある、なにかある。パンフは稽古場写真を舞台写真に差し替えてもう一度作るので、“直せる”というゆるみがどこかにあるのかもしれない。猛省。
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「マクベス」の初日の時でした。誤植が見つかり、それが黒地のところでマジックで塗りつぶせばわからなくなる箇所だったので、終演後カメラマンの I さんにも手伝ってもらって、マジック片手にシーンとしたロビーでパンフレットの山を崩し崩しもくもくと作業してたら、初日乾杯が終わってました。最後もう一回読む、誰かに見てもらう、という基本を忘れたらダメです。
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ゲネを観ました。2週間くらい前に稽古を観る機会があり、その時かなり出来上がっていたので心配はしてなかったんですが、能登のゲネ史上最高の完成度。いつもはハラハラで明日大丈夫かな?という気持ちにちょっとなるんです。以前に心配な気持ちのまま仲代さんの楽屋前を通ったら、いきなり鏡前から「どお?なんとかなってる?」と呼び止められ、だるまさんがころんだ状態。返答に困り「能登のゲネで完璧なんていままでないですよ、大丈夫です」と答えにもなってないことを言ったこともありました。しかし、そこからが強い。仲代さんは初日のバカ力で200%持ち上げ押し切ってしまい、あまりのゲネとの出来の違いにビックリします。やっぱりお客さんが入る本番の仲代さん別モノだなと感動します…仲代さんの徳俵は、ほかの人の倍はありますね。今回厄介なのは、1場をのぞいて出ずっぱりなのと膨大なセリフの量。全セリフの半分以上はあるでしょう。バリモアより多いかも。ただ、その場は何をするところというのが完全に体の染み付いているので、少々間違えても動じないし、芝居を崩さない強さがあります。ゲネ終わって「今年のゲネは完成度高いですね、一回やってると違いますか?」とお聞きすると「愛子なんだよ」とおっしゃる。愛子とは仲代さんのお母さんのこと。母親と主人公が重なるためにブレないし、セリフも入りやすいようです。
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初日が来ました。初日は客席で観せていただくのですが、ギリギリまで物販ブースに入りパンフレットを売ります。自分の作ったパンフを自ら売るのは無名塾だけ。無名塾のパンフは制作費用もかかっているし、企画構成編集を全てまかせてもらってるからなにかと反応や売り上げが心配になります。もちろん自信もって作ったものですが、売れなくて余ってしまうと申し訳ない。それにお客さんと話ながらパンフを売るのは楽しい。迷ってる人には最後の決め台詞で「これ私が作っているんですよ」というと「じゃあ」と言って買ってくれることも。開演10分前まで粘って客席に戻り観劇。よくお芝居で日数を重ねいって、やっとうまくいった日に「初日が出た」と言いますが、初日にちゃんと初日が出た感じ。もちろん伸びしろはたくさんあるので回を重ねると良くなっていくでしょう。すごくマダマダな時は役者とかに何も言えないけど、かなり仕上がっていると変なもので細かいところが気になりだし、色々と言いたくなってタイミングも考えずについ色々言ってしまった。これも大失敗で反省。で、和倉にきたら総湯。しょっぱい温泉です。
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2017年10月23日

幌車を追っかけて能登へ その1

無名塾公演『肝っ玉おっ母と子供たち』のゲネと初日を観に、陸路で能登演劇堂へ。まず、東京から金沢までは新幹線かがやき。東京駅で祭という駅弁広場で大船軒の鳥めしとお茶を買い、旅のお供は幸田文さんのエッセイ「雀の手帖」。車中で読むのは、こういう短くて洒脱なモノに限ります。しばらくすると自分のまわりを会社関係っぽいの一群がワサワサと囲みました。私服だけどくだけた感じはないので社員旅行ではないと推測。運よく隣に地味で静かな美人が座った。どういうところにお勤めの方だろうか?役所かな?会社だとしても地道なお仕事でしょう。横目でチラチラ見るのはやらしいけど美人の動きは気にはなります。とりあえず幸田さんの雀は背もたれに挟まりました。
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一群は長野で降り、こちらも雀に戻り三つ四つ進めると金沢に着き、サンダーバードに乗り換えました。サンダーバード15号はかなりのロートル。このサンダーバードじゃ平和は守れないでしょうが、平和な田園地帯をひた走るのには向いてます。こんどのお隣は通路を挟んでリッチそうなじいさんと上品なムスメさん。胸元に矢印の万年筆がささってる。仲良し親子の温泉旅行なのかな?と思ってたら、どうも会話が…お互いが敬語…他人行儀です。もしや…そんなどうでもいい事を考えていたらアッちゅう間に和倉温泉駅に着きました。そこから線路の上を走るバスのような一両電車の七尾線に乗り換えて10分、ようやく目的地の能登中島駅。駅から能登演劇堂まではバスがなく、20分歩くかタクシーしかない。こんな不便な劇場はないかも。でもこの辺鄙な場所の劇場をひと月満員にするところに意義があります。タクシー乗り場はないのでタクシーを呼びました。
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車がくる間に能登中島駅の構内を見学。さながら無名塾ポスター展のようです。仕事が終わるとなにかと悔やむタチなので、こういう集中砲火はいたたまれない…恥ずかしさと反省をくぐり抜け、ようやく来たタクシーに乗り込み、幌車が待つ演劇堂に向かいました。ゲネまで1時間を切りましたが、飛行機だと早く着きすぎて居場所に困るのでこのくらいが丁度いいです。演劇堂前で肝っ玉の大看板がお出迎え、次々に登場するポスターをカシャカシャ撮りながら劇場に入りました…つづく
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2017年10月11日

デザインは資料を集めるところから…という言い訳

事務所にはアイデアを考えたりやデザインの参考にしたりする資料が色々あります。一番多いのが演劇チラシのお仕事のための作品資料。翻訳劇の場合で言うと、映画化されている作品はそのDVDや映画パンフ。また、同じ演目のよその劇団のパンフなんかも集められるだけ集めます。バックヤード資料が載っていれば参考になりますし、優れたデザインのものは、なんとか負けないように…。まぁなにかと心配症なんです。
『喝采』の映画パンフとDVD。
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こないだの加藤健一事務所公演の資料として手に入れました。『喝采』はもともと舞台。それをグレース・ケリーとビング・クロスビー主演で、設定を舞台版の俳優ではなくミュージカル歌手にしています。なので若干違いますが、台本読むより映画観た方が頭に入ってきます。なにしろ台本の初っぱなにある舞台装置説明のト書きが大の苦手。舞台装置をイメージしながら台本読める人を尊敬します。
作品関係以外でも、参考になりそうなものを本屋さんなんかで見つけると、いつか使える?きっと使える!いま買わないと無くなっちゃう…と勝手に考え、ついつい手が伸びちゃいます。
ロシアのコスチューム
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1830年〜1850年のわずか20年間。この狭き時代の本誰が買うんでしょうか。調べるとツルゲーネフ、ドストエフスキーやトルストイのが出てきた時代、ロシアがパリから吹いてくるファッション風を吸い込み伝統を吐き出しながら高揚していく時代なんでしょうかね。山高帽子に広がったスカート。オシリがまあるく出っぱったバッスルスタイルが流行る前ですね。ロシアのこの時代のお芝居をやる場合には参考になりそうなんですが…はたして
ベル・エポックの百貨店カタログ
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1900年パリ万博あたり。ベル・エポックとは良き時代という意味らしく、まさに一番パリが繁栄した時代です。この本は買いです。普通に売ってますし内容の充実さが半端ない。無名塾の「おれたちは天使じゃない」公演の時に、出演者のM浦さんが見つけてきたのが稽古場にあり、欲しくなり金魚のフン買いしました。
それから最近のめっけもんがヨーロッパ家具の歴史
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たまに小道具屋さんに行くことがあるんですが、そこでいつもわからないのが西洋家具。どの国のどの時代のものなのかサッパリわからない。ヌーボーとデコはわかりますがそれ以外はまったくわからない。たとえば17世紀のフランスと19世紀のイギリス、どう違っててなに選んだらいいのか?。おそらく家具や調度が違っているはずなのに何を選んでいいのかチンプンカンプンです。小道具屋さんにはざっくり漠然と置いてあるだけ。それがこの本、時代区分も分類もされているし、家具イラストが154枚のペラ。う〜ん、これはいい。ただ舞台美術家でもアンティーク家具屋でもない自分が必要かどうか…まぁ古典な作品のパンフなんかのカットイラストにも使えるし…こうして資料はどんどん増えていきます。
それから、いままで買ったものの中で一番重宝してるのがコレ。
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デザイン本で有名なDOVERの合冊デジタル版。CDROM15枚10万点の画像が入ってます。探すのが大変なんですけど、デザイナーの必需品です。
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2017年09月01日

アートなのにFBにブロックされる

九品仏で降りてすぐ左手に間口一間の小さな古本屋があります。目の前の浄真寺はご老人たちの絶好のスケッチ場所となっていて、晴れた日には広い境内のあちこちにイーゼルが見え隠れします。そんな日は古本屋の店先にスケッチ集や絵画の手ほどき本が当たり前のようにズラッと並ぶのです。やさ男風のイケメン店主は一見引き蘢りに見えますがけっこうぬけめないんです。
「またぁ…じいさんばあさん引っ掛けようとしてるな〜」
「いやいやいや…」
時間に余裕がある時は、汚部屋一歩手前の混沌とした店内をひやかし、店主と取り留めない話をします。持ち込みもけっこうあり、先日も近所のおばあさんの持ち込みに遭遇しました。紙袋にいっぱい古本入れて持ってきてましたが、こりゃ売れないだろうというものばかり。どうするのかなと思っていたら、最近はねぇ〜とかなんとか言って謝りながら小銭を何枚か渡してます。
「赤字じゃないの?」「市場に持っていけばいくらかは…」
やさ男はやさしい男でもあるけど、地元に愛されて楽しそうな感じです…大儲けはできないかな。
本はけっこう入れ替わっていて、月一くらいにのぞくと面白いものがあったりします。
「何か面白いものある?」聞くと、こちらの好みや仕事をわかっているから、ガサゴソしながら「イッピー ガール イッピーがありますよ。」と一冊取り出しました。名前は全く知らなかったけど…
ん…表紙の写真は見た事があるぞ…
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「鰐淵晴子さんじゃない?」「誰だかはわからないけど…昔は入るとすぐ売れて高かったんですよ」
パラパラパラ
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写真集の価値はファーストコンタクトで決まると言っても過言ではない。…いい…すんごくいい。どこがファーストコンタクトかわからないけど…いい。奥付を見る。昭和45年、1970年。なんといまから47年前。これを今やれるのか?さらに印刷でも挑戦しています。何枚ものトレペにヌード画像を刷って重なった効果を計算している。
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またまた各章のテーマが秀逸。鰐淵さんのヌード写真集かと思ったら全く違う、これぞアート。やりたいことを一番きれいな人をモデルにしてやりつくしてます。大切なのはテーマとメッセージ、それからセンスと技術。やられました。撮影はタッド・若松さん。
「買うわ」「そうですかぁ」店主はいつものひやかしかと思ってたら というような顔をしてる。ちょっと値切って連れて帰りました。
じっくり見る、スゴイ。おそらくちゃんとしたデザイナーやアーチストはとっくに知っていている本なんでしょう。でも、いいものはいつ知ろうといい。得意げにFBにアップしたら、いいね!がひとつもつかない。よくないの?でもオレはいい!と開きなおってふんぞり返ってたら、どうもFBにヌード画像扱いでブロックされてたらしい。アートなんだよ。わかっちゃないなぁ。
タグ:鰐淵治子
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2017年08月01日

英雄は贔屓に冷たし

スマホ初心者です。事務所のSが、いきなりピッチからiphone7へ替えるという、足軽からいきなり大名へ、いわば秀吉的暴挙にでたので…auガラケー一筋オレも負けずにスマホに。スマホにするなら事務所も家もMACなんでやはりiphoneだろう…ってことで、長いお付き合いのauへ聞きに行きました…ポイントも溜まってることだし。聞けば、なんとau歴が19年ですって!ビックリしました。長くご利用くださり〜とお礼を言われました。ですが、どうせiphoneにするならauで全ポイント使うより他の携帯会社に乗り換えた方が安いってことがわかりました!19年分のポイントがなんの役にもたたん。鼻息がフンガァ〜フンガァ〜なりましたわ。
事務所に戻ってSに聞くと、Sはアップルで本体を買って格安SIMにしたそうです。…フムフム。ほんで格安SIMを入れられるiphoneはアップルにしか売っていないそう。お値段調べるとその方が安いんで迷いなく、auに見切りをつけ離れました。携帯会社は色々迷いましたがOCNモバイルONEに。
これで目出たし目出たし…になると思ってたんですが、そこは安かろう悪かろうがありました。一番困ってるのがOCNでんわのカケホー代プラン。これってあくまでこっちからカケホーなんです。つまり、かける時には安くなる、のみ。折り返しはダメなんです!例えば電車に乗ってる時に知らない人から電話がかかってくる。出られないので降りてからかけるわけですが、着信履歴からかけるとベラボウなんで、電話番号を紙にうつしてからOCNでんわでかける、といった具合。アナログだわ。OCNでんわ機能に着信履歴残すのできないんですって。なんとかならんの? 
ところで、なんで今まで19年もauに?と思われるでしょうが、仕事してたんです、TU-KA時代に。料金なんかのお知らせと一緒に送る冊子をやってました。打ち合わせの時にdocomoの携帯もってて鳴ったりしたら大変なので、スタッフみんなTU-KAにしたんです。表紙はTU-KAの文字を毎号違うイラストレーターに作ってもらうという案が通り、2年半くらい30人くらいの色んな作家にTU-KAを作ってもらいました。19年も前ですが自由で面白かったです。
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イラストレーターの人と付き合いが多いのもここが始まりです。TU-KAのCMキャラクターのカエルも作りました。
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それ以来愛着もってauに代わってもユーザーだったのに。ほかへ移ったほうが安いなんて!英雄よさらば!いまさら桃だしても遅いよ。
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2017年07月27日

邦画傑作ポスター10枚

デザインの良い昔の邦画のポスターを気まぐれに集めていまして、その中からお気に入りを10作品ご紹介します。もともとは仲代さんが出演されたポスターを集めていたんですが、映画ポスターの展覧会を観に行ったり、資料で買ったポスターカタログを眺めているうちに、手が出る範囲の本物が欲しくなり広がりました。で、デザインがいい手が出る価格のポスターをヤフオクなんかで集めています。ほしい作品があるとします。専門古書店の出しているものはベラボウなんですが、そこでグッと我慢してると、同じ作品の個人出品があることがたまにありまして…そこに手が出ます…トリバゴ状態です。選ぶ映画は小さいものが多いです。大手映画会社のポスターは主役バーン文字ドーンというのが主流ですが、例えばATG映画のようなアヴァンギャルドな映画はお金がない分、絵作りがやり放題でいいんです。また大手の映画のポスターでも、主に流通するポスター以外に違うパターンを作ることがあり、その中にお宝があります……手が出ます。
その最たるものが『シェルブールの雨傘』
天才、上村一夫です、あの同棲時代の。しかも横。よくこの企画が通ったなぁと思います。大拍手。
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ATG作品からは、露出オーバーの画像が極めて前衛的だった吉田喜重の『煉獄エロイカ』と『エロス+虐殺』。檜垣紀六氏の作品です。檜垣氏は『用心棒』や『時計じかけのオレンジ』、また『ルパン三世 カリオストロの城』も手がけてらっしゃる大先輩。インパクトのあるステキな手書き文字を書かれる方で、いつもお手本にしています。
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続いて大島渚監督の『儀式』と実相寺監督の『無常』攻めてます。『無常』のポスターは最近手に入れたんですがすばらしい。スミとグレーの2色刷り。こういうのをやりたいです。誤解なきよう…バランスの話。
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邦画ポスターには同じ映画でもフィルムに近い写真バージョンと絵のバージョンのものがあることがありますが、断然絵のほうが面白いです。小笠原正勝氏デザインの『股旅』も煉獄〜なみに上に小さく文字まとめてて…お洒落。それと小林正樹監督の『化石』。この絵はパンフレットにも使用されています。絵画として素晴らしいですね。
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ほんでもって、やっぱり邦画ポスターといえばなんといっても野口久光さん。『肉体の悪魔』と『旅情』です。『旅情』は原画を野口久光展で見ましたが、原画がポスターと同じB2原寸で描いてありました。考えてみれば同じサイズで描くのが出来上がりが想像しやすい。原点を見ました。
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最後に仲代さんの作品から『他人の顔』。文字、構図、インパクト、凄いですね。空間を空けるデザインより、こういうパツパツの盛りだくさんの方が実は難しいと思っています。
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2017年07月21日

スキなコトやモノをかんがえる

珍しい鳥を見かける
ヒヨドリ、四十雀、スズメたちには悪いけど、珍しい鳥を見つけるとオシリが浮きます。
一番ビックリしたのはツミ、雀鷹という漢字をあてるようですが99%鷹、猛禽類。雀のスの字もありません。

夜道でバッタリネコの横断に出会う
見慣れたいつものネコでもいいし、新しいヤツでもいい。自転車の帰り道にたまに遭遇。子猫は心配になるから会いたくないなぁ。変な顔が好み。

小学生のグチを横で聴く
けっこうグチってます、男子二人は。隣の少四の女の子がこの間「大変だよ〜困ったよ〜」とオレにグチったのは運動会のアナウンス担当になった時。グチというより嬉しそうだったな。

印刷したばかりの本の匂いを嗅ぐ
仕事がら印刷したばかりのモノを手にすることは多いんですが、三百ページ以上のハードカバーの本がベスト。布張りならなおいい。二〜三日しか持たないな、あの匂いは。かたや、古本屋の匂いもそれなりに好き。なのにB~OFFの匂いは苦手、なんでだろう。どんな本も売れてほしい。

バスで遠回りして知らない景色を眺める
タイヤの上に足を乗せる席はダメ。一番後ろか出口の近所。景色を眺めて面白そうな店を発見しても行ったことはなし。唯一、近所にないハンバーグ系のファミレスを見かけて覚えていてそこには行った…眺めるだけにしとけばよかった。まぁバスが好き。

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事務所に向かう時、ほんの少しだけ迂回すると浄真寺の境内を通り抜けられる。この30Mが好き。
(写真は5月の新緑の頃)
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2017年05月28日

仲代さんとイチロー

日本のプロ野球は全くと言っていいほど観ないんですがメジャーリーグはいつもチェックしてます。野茂からずっとです。イチローの2001年4月11日のあのレーザービームを観てからはマリナーズ観戦が日課になり、ずいぶん詳しくなりました…。なんといってもイチローら日本選手が、メジャー選手と互角以上に闘ってるのを観るのが楽しくて誇らしくて胸躍ります。それまで日本のレベルはマイナークラスとか3.5A(3Aとメジャーの中間)とか言われてきましたが、なんのなんの日本人だけのチームでメジャーで1年間闘ったとしてもいい線行くでしょう。これはオリンピックで日本選手を応援する感覚と似てます。日本人大好き、日の丸大好き、君が代も思う存分聞きたい! と言っても政治的に真右では全くありません。まぁ是々非々が身上ですが、どちらかと言われれば左です。
さてイチロー。彼は右が彼の住処でしたが、いまのマーリンズのチーム事情もあり、左もやれば真ん中もやる、外野のユーティリティプレーヤーです。今年も外野手としては4番手、レギュラー三人が調子良いので出番が少なく、たまの代打出場も成績も上がらずヤキモキしてます。イチローが打てば一日が楽しく始まり、ダメなら明日の日の出を待つばかり。なんたってマーリンズの外野手は米国の主砲スタントンはじめアメリカを代表する三人。元気ならイチローでなくともつけいる隙は早々はありません

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先日、色校もって無名塾へ行くと、1階打合せルーム戸棚に、数々の賞のトロフィーと一緒に、イチローのボブルヘッド人形が飾ってあり嬉しくなりました。仲代さんはマリナーズ時代からイチローの大ファン。仲代さんがイチロー大好きなのを知ってる方からのプレゼントです。それが映画賞や演劇賞なんかと同席するばかりか一番いい場所で光ってました。また仲代さんは来月13日に行われる巨人戦の始球式にむけてマーリンズのイチローTシャツを着て投球練習する毎日。仲代さんの想いはキャッチャーミットどころかマイアミまで届くでしょう。
考えたら仲代さんの1年間のステージ数(舞台、映画、テレビ)を合わせたらのメジャーの試合数の162日くらいかもしれません。役者も選手も一日一日が勝負。今は結果の出てないイチローですが海の向うの43歳に、東京から倍近い年齢の84歳の現役俳優がエールを送っています。まだまだ、まだまだ!
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2017年05月15日

喧嘩と印刷

一昨日、喧嘩して10年くらい音信不通だった友達と仲直りしました。
「何?どうした?」
「別に用事はないんだけど…いや…その…誰も亡くなっていないよ」
「ビックリするよ。」
「用事はないんだけど。…そろそろ仲直りしようかと思って」
「…その言葉を待ってたよ。いまどこに住んでいるの?」
たったこれだけの事でした。早くすればよかった。
彼女は大学の時に一番仲の良かった友達です。

喧嘩の原因は印刷でした。彼女が独立することになり、新しい事務所の名刺や封筒、事業案内の印刷物のデザインを頼んでくれたのです。声をかけてくれて本当に嬉しかったです。

ここで印刷の流れを説明すると、クライアントからラフのOKが出たら、MACのイラストレーションソフトでデザインし、色具合なんかも先方と確認しながら印刷会社に入稿します。やりとりはメールです。この場合一番悩ましいのがパソコンで確認しあっている色の再現です。画面上のカラーはRGBといい光を通した色なので発色はいいんですが、印刷は青、赤、黄色、黒のCMYKのドットの組み合わせを紙に刷り重ねて表現します。パソコン上でバッチグーに見えた画像をそのまま入稿して紙に刷った場合、沈むというか暗い感じになっちゃいます。なぜ、そのままの色で刷れないの?という疑問があると思いますが、単純に無理と考えてください。なのであらかじめ沈むのを予測してかなりビビッドにしてから入稿します。その加減が難しいです。印刷する現場の職人さんの技術による所もかなりあります。

印刷会社はここ10年くらいで様変わりしました。いまは大きく二つに分けられます。CMなんかで有名な激安ネット印刷会社らと従来です。印刷機はどちらも同じなんですが、ネット印刷会社は従来の5分の1、へたしたら10分の1。例えばB2ポスター100枚作ろうと思ったら昔は8〜10万は当たり前でしたが、いまのネットは1万ちょっとです。A4チラシ裏表1万枚刷って2万しません。しかも1色も4色も同じ値段。信じられません。
なぜ安いのか?
従来の場合、A4チラシを印刷機で刷る場合、8枚の同じ画像を作り1枚の紙に面付けして刷ることが多いんです。(B5なら最大で16枚まで可能。)
右の写真は横がB5サイズなので10枚付けてます。
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そして色校正や指示を調整して刷るわけですが、すごく薄くて細かい画像のものはハッキリ出るように、逆に濃いものなんかはつぶれないように圧とかインク量またCMYKのバランス調整をします。ここをネットの場合は、日本全国からくる全く違うものを注文数に合わせて面付けして一緒に刷るという裏技でやるわけです。当然8枚別々のものですから、ひとつひとつに配慮することはできないので、マニュアル通りの印刷しかできません。試行錯誤してたどりついたRGBからCMYKへの色の再現も出たとこ勝負になってしまいます。
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また他印刷物が偏った色やビジュアルの場合にそっちに引きずられることがあります。図のように、8枚のうち7枚が真っ赤なビジュアルの場合は残り1枚は赤みが強くなるし、7枚が濃厚なものだったら残り1枚の繊細さは微塵もなくなります。紙も激安ルートで入れてるので落ちます。ただ安い。それでも安い。
従来の印刷会社は刷りの時に立ち会えますが、ネットの場合は色校正も立ち会いも無理です。ただ安い。
あとワタシが頼んだものに限ってかもしれないですが、5〜10回に1回はミスがあり刷り直してもらってます。それでも安い。安さには敵わないのでモノによって分けて入稿しています。

で、喧嘩に戻りますが、印刷をできるだけ奇麗にあげようと思って、従来のとこで見積もりとってやってたんですが、彼女が誰かからネットの価格が安いことを知らされ、なんで独立してお金もないのに5倍もするところに頼むの?と疑問をいだかれ、じゃあネットにするよと言ったんですが、××××××××××××××××××××
で、意地を張り合って10年。最初っから、従来のと安いネット印刷があって、ネットはいい時もあるけど失敗することもある、ただ断然安い、どうする従来?ネット?って聞いてあげれば良かったです。まぁ一般的な人は激安と従来の違いにそんなにこだわらないんですけどねぇ。従来ガンバレ!ネットもそんなに安く早くしなくていいですよ!

最後に気に入ってるロートレックの1枚。踊り子さんが刷りチェックしてます。
昔も今も気になる人はいますね…
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