2015年11月05日

20世紀初頭の演劇と無名塾

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おれ天パンフ

「おれたちは天使じゃない」の設定はいまから105年前の1910年です。
この年は、1900年のパリ万博から10年経ち、ヨーロッパはベルエポック真っ盛り。フランスの田舎で「炎の人」のゴッホが亡くなって20年が経ち、ロートレックやゴーギャンもすでに鬼籍に入られましたが、彼らがもし生きていたとしたら60歳前後。なのでパリに捕まる前のジョゼフ(仲代さんの役名)とゴッホが一緒にいても不思議じゃないことになります。同じ年くらいかもしれません。ジョゼフならゴッホの絵をなんなく売りさばいていたことでしょう。
スウェーデンの劇作家イプセンは1906年に亡くなっているので、「おれ天」の1910年よりちょっとだけ前の世代。「ソルネス」を1892年、「小さいエイヨルフ」を1894年、「ジョン・ガブリエル・ボルクマン」を1896年に書き上げています。そこへいくと「授業」のイヨネスコなんて前年の1909年に生まれたばかりの1歳。フランスが前衛に染まっていくのはまだまだ先、やっとアールヌーボーに入ったあたりです。「セールスマンの死」のアーサー・ミラーはイヨネスコよりさらに下で生まれる5年前、まだ商品を売り歩くより、店を構えていればよい時代でした…パリでもカイエンヌでも。
ぴったりの1910年ってことなら日本に縁のいい方がいらっしゃいました。黒澤明監督です。この年に生まれました。
1910年は明治43年になります。
同じ年、イギリスでは「ホブソンズ・チョイス」のウィリアムとマギーが引き継いだ靴屋を繁盛させていて、アメリカでスターと聞けば誰もが「バリモア」の名を上げているでしょう。1910年の彼は前途洋々とした28歳。酒浸りでもなく、無名の女優キャサリン・ハリスと最初の結婚をしたばかりです。

日本の演劇界に目を移すと小山内薫が、1902年にロシアのゴーリキーによって書かれた「どん底」をモスクワ芸術座で観劇していました。
1900年に書かれたチェホフの「三人姉妹」に100年後200年後の未来の人々の生活について希望や不安をのべる場面が出てきますが、100年前の活気に満ちた20世紀初頭を無名塾のお芝居と巡るのも面白いのです。
posted by gutter at 19:24| Comment(0) | 演劇

2015年11月02日

陸から北陸

3時からの「おれたちは天使じゃない」のゲネプロを観るのに東京駅10時半の新幹線で間に合っちゃう。ほぼ4時間で能登中島まで着けるなんて!北陸新幹線が出来て便利になりました。ほんと能登空港(のと里山空港)が出来る前は陸の孤島でした。その時は空港できてすっごく早くなり喜んでましたが、やっぱり飛行機って面倒くさい。羽田の能登便なんか空港の中でも最果ての果ての果てってくらいの場所ですし…こりゃあ危うし空…
(って行きは思ってましたが、帰りも新幹線にしたらつなぎは悪いし鈍行の新幹線しかなかったりで疲れました。行きは早くいける新幹線で行って、帰りは空港まで送ってもらって飛行機がベストかな。)
さて、なぜゲネプロ観に能登まで行くかって言うと、無名塾のパンフレットは途中で舞台写真入りに替えるからです。長くやる公演でないとこんなことは出来ません。再演でもない限り今観た芝居の写真が載ってるなんてないですからね。で、写真をレイアウトするにあたって本番をちゃんと観とかないとってことなんです。そこでカメラマンにお願いもできますし。

東京から北陸新幹線で金沢まで。北陸新幹線は“かがやき号” なんと言っても、停まるのが大宮の次が長野というのにビックリ。副都心線で新宿三丁目の次が池袋になった時に近い驚きがあります。座席間は広いし居心地良いですね。
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周りにいるグループが気になりました。なんか芝居の匂いがする。旅公演の役者移動じゃないかと勝手に思う。女の子マスクしてるし…面識ないけど一番年長の人が鴨川てんしさんじゃないかしら。一行は長野で降りる。長野なのか松本か…頑張ってください。妙に親近感。

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金沢からサンダーバードで和倉温泉まで。13号です。これが2とか3だったらワクワクしますね。1は人気薄っ。1はただのロケットにしか見えん。しかしサンダーバードに乗るって書くだけで昭和の人間は得した気分です。
和倉温泉からは、のと鉄道で能登中島まで。そこから能登演劇堂までは歩きかタクシー。能登演劇堂は図書館と隣接してるのにバスもないんです。車社会なのと採算が合わないせいなのでしょうか。バンみたいなのでいいからバスほしいなぁ。
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それと、のと鉄道が痛電になっててビックリしました。外装だけなら驚かないけどアナウンスがアニメキャラの芝居入り。苦手なんでちょっと勘弁でしたわ。 け し き と あ わ ん 。土日はアニヲタが集結するそうです。

劇場行ったらわれらが3011番が勲章を、一番良い勲章をいただいていてビックリ。
「おれたちは夢じゃない」かと思いました。(おれたちのたちは誰?)いやいや、とっくにもらっててもいいでしょう。
おめでとうございます!
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肝心のお芝居もとってもあったかく良いお芝居になってます。ぜひ!
タグ:無名塾
posted by gutter at 12:57| Comment(0) | 日記