2017年10月24日

幌車を追っかけて能登へ その2

劇場まわって挨拶しながら仲代さんの楽屋へいくと、ちょうどおっ母用カツラをつけていたところなので、思わず笑ってしまいました。パンフの内容をほめていただき、少し安心して楽屋裏通りを歩いていると、制作のYさんがススっと近づいてきて誤植の囁き。うっ浮かれてた気分にサァーっと水が流れて静かに現実に戻されます……申し訳ない。当該の役者さんに謝って、もう一度素読みすると自分でもひとつおかしなとこを見つけました。どれも小さなとこなんですが、発見できなかったことが悔やまれる。やはりどこかにある、なにかある。パンフは稽古場写真を舞台写真に差し替えてもう一度作るので、“直せる”というゆるみがどこかにあるのかもしれない。猛省。
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「マクベス」の初日の時でした。誤植が見つかり、それが黒地のところでマジックで塗りつぶせばわからなくなる箇所だったので、終演後カメラマンの I さんにも手伝ってもらって、マジック片手にシーンとしたロビーでパンフレットの山を崩し崩しもくもくと作業してたら、初日乾杯が終わってました。最後もう一回読む、誰かに見てもらう、という基本を忘れたらダメです。
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ゲネを観ました。2週間くらい前に稽古を観る機会があり、その時かなり出来上がっていたので心配はしてなかったんですが、能登のゲネ史上最高の完成度。いつもはハラハラで明日大丈夫かな?という気持ちにちょっとなるんです。以前に心配な気持ちのまま仲代さんの楽屋前を通ったら、いきなり鏡前から「どお?なんとかなってる?」と呼び止められ、だるまさんがころんだ状態。返答に困り「能登のゲネで完璧なんていままでないですよ、大丈夫です」と答えにもなってないことを言ったこともありました。しかし、そこからが強い。仲代さんは初日のバカ力で200%持ち上げ押し切ってしまい、あまりのゲネとの出来の違いにビックリします。やっぱりお客さんが入る本番の仲代さん別モノだなと感動します…仲代さんの徳俵は、ほかの人の倍はありますね。今回厄介なのは、1場をのぞいて出ずっぱりなのと膨大なセリフの量。全セリフの半分以上はあるでしょう。バリモアより多いかも。ただ、その場は何をするところというのが完全に体の染み付いているので、少々間違えても動じないし、芝居を崩さない強さがあります。ゲネ終わって「今年のゲネは完成度高いですね、一回やってると違いますか?」とお聞きすると「愛子なんだよ」とおっしゃる。愛子とは仲代さんのお母さんのこと。母親と主人公が重なるためにブレないし、セリフも入りやすいようです。
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初日が来ました。初日は客席で観せていただくのですが、ギリギリまで物販ブースに入りパンフレットを売ります。自分の作ったパンフを自ら売るのは無名塾だけ。無名塾のパンフは制作費用もかかっているし、企画構成編集を全てまかせてもらってるからなにかと反応や売り上げが心配になります。もちろん自信もって作ったものですが、売れなくて余ってしまうと申し訳ない。それにお客さんと話ながらパンフを売るのは楽しい。迷ってる人には最後の決め台詞で「これ私が作っているんですよ」というと「じゃあ」と言って買ってくれることも。開演10分前まで粘って客席に戻り観劇。よくお芝居で日数を重ねいって、やっとうまくいった日に「初日が出た」と言いますが、初日にちゃんと初日が出た感じ。もちろん伸びしろはたくさんあるので回を重ねると良くなっていくでしょう。すごくマダマダな時は役者とかに何も言えないけど、かなり仕上がっていると変なもので細かいところが気になりだし、色々と言いたくなってタイミングも考えずについ色々言ってしまった。これも大失敗で反省。で、和倉にきたら総湯。しょっぱい温泉です。
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2017年10月23日

幌車を追っかけて能登へ その1

無名塾公演『肝っ玉おっ母と子供たち』のゲネと初日を観に、陸路で能登演劇堂へ。まず、東京から金沢までは新幹線かがやき。東京駅で祭という駅弁広場で大船軒の鳥めしとお茶を買い、旅のお供は幸田文さんのエッセイ「雀の手帖」。車中で読むのは、こういう短くて洒脱なモノに限ります。しばらくすると自分のまわりを会社関係っぽいの一群がワサワサと囲みました。私服だけどくだけた感じはないので社員旅行ではないと推測。運よく隣に地味で静かな美人が座った。どういうところにお勤めの方だろうか?役所かな?会社だとしても地道なお仕事でしょう。横目でチラチラ見るのはやらしいけど美人の動きは気にはなります。とりあえず幸田さんの雀は背もたれに挟まりました。
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一群は長野で降り、こちらも雀に戻り三つ四つ進めると金沢に着き、サンダーバードに乗り換えました。サンダーバード15号はかなりのロートル。このサンダーバードじゃ平和は守れないでしょうが、平和な田園地帯をひた走るのには向いてます。こんどのお隣は通路を挟んでリッチそうなじいさんと上品なムスメさん。胸元に矢印の万年筆がささってる。仲良し親子の温泉旅行なのかな?と思ってたら、どうも会話が…お互いが敬語…他人行儀です。もしや…そんなどうでもいい事を考えていたらアッちゅう間に和倉温泉駅に着きました。そこから線路の上を走るバスのような一両電車の七尾線に乗り換えて10分、ようやく目的地の能登中島駅。駅から能登演劇堂まではバスがなく、20分歩くかタクシーしかない。こんな不便な劇場はないかも。でもこの辺鄙な場所の劇場をひと月満員にするところに意義があります。タクシー乗り場はないのでタクシーを呼びました。
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車がくる間に能登中島駅の構内を見学。さながら無名塾ポスター展のようです。仕事が終わるとなにかと悔やむタチなので、こういう集中砲火はいたたまれない…恥ずかしさと反省をくぐり抜け、ようやく来たタクシーに乗り込み、幌車が待つ演劇堂に向かいました。ゲネまで1時間を切りましたが、飛行機だと早く着きすぎて居場所に困るのでこのくらいが丁度いいです。演劇堂前で肝っ玉の大看板がお出迎え、次々に登場するポスターをカシャカシャ撮りながら劇場に入りました…つづく
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2017年10月11日

デザインは資料を集めるところから…という言い訳

事務所にはアイデアを考えたりやデザインの参考にしたりする資料が色々あります。一番多いのが演劇チラシのお仕事のための作品資料。翻訳劇の場合で言うと、映画化されている作品はそのDVDや映画パンフ。また、同じ演目のよその劇団のパンフなんかも集められるだけ集めます。バックヤード資料が載っていれば参考になりますし、優れたデザインのものは、なんとか負けないように…。まぁなにかと心配症なんです。
『喝采』の映画パンフとDVD。
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こないだの加藤健一事務所公演の資料として手に入れました。『喝采』はもともと舞台。それをグレース・ケリーとビング・クロスビー主演で、設定を舞台版の俳優ではなくミュージカル歌手にしています。なので若干違いますが、台本読むより映画観た方が頭に入ってきます。なにしろ台本の初っぱなにある舞台装置説明のト書きが大の苦手。舞台装置をイメージしながら台本読める人を尊敬します。
作品関係以外でも、参考になりそうなものを本屋さんなんかで見つけると、いつか使える?きっと使える!いま買わないと無くなっちゃう…と勝手に考え、ついつい手が伸びちゃいます。
ロシアのコスチューム
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1830年〜1850年のわずか20年間。この狭き時代の本誰が買うんでしょうか。調べるとツルゲーネフ、ドストエフスキーやトルストイのが出てきた時代、ロシアがパリから吹いてくるファッション風を吸い込み伝統を吐き出しながら高揚していく時代なんでしょうかね。山高帽子に広がったスカート。オシリがまあるく出っぱったバッスルスタイルが流行る前ですね。ロシアのこの時代のお芝居をやる場合には参考になりそうなんですが…はたして
ベル・エポックの百貨店カタログ
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1900年パリ万博あたり。ベル・エポックとは良き時代という意味らしく、まさに一番パリが繁栄した時代です。この本は買いです。普通に売ってますし内容の充実さが半端ない。無名塾の「おれたちは天使じゃない」公演の時に、出演者のM浦さんが見つけてきたのが稽古場にあり、欲しくなり金魚のフン買いしました。
それから最近のめっけもんがヨーロッパ家具の歴史
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たまに小道具屋さんに行くことがあるんですが、そこでいつもわからないのが西洋家具。どの国のどの時代のものなのかサッパリわからない。ヌーボーとデコはわかりますがそれ以外はまったくわからない。たとえば17世紀のフランスと19世紀のイギリス、どう違っててなに選んだらいいのか?。おそらく家具や調度が違っているはずなのに何を選んでいいのかチンプンカンプンです。小道具屋さんにはざっくり漠然と置いてあるだけ。それがこの本、時代区分も分類もされているし、家具イラストが154枚のペラ。う〜ん、これはいい。ただ舞台美術家でもアンティーク家具屋でもない自分が必要かどうか…まぁ古典な作品のパンフなんかのカットイラストにも使えるし…こうして資料はどんどん増えていきます。
それから、いままで買ったものの中で一番重宝してるのがコレ。
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デザイン本で有名なDOVERの合冊デジタル版。CDROM15枚10万点の画像が入ってます。探すのが大変なんですけど、デザイナーの必需品です。
posted by gutter at 17:11| Comment(0) | デザイン