2011年11月02日

チェーホフで聴く

10月末まで演っていたチェーホフの「三人姉妹」東京公演は無事終わりました。観に来ていただいた皆様ありがとうございました。公演前日に、陣中見舞いに行った時の話です。その日は「場当たり」といって、本番に近い形での最終稽古をしてました。役者さんが衣裳着けて、舞台上で本番と同じように動いて、照明や装置なんかのチェックをするんです。場面が変わるキッカケなんかは何回か止めて確認しながら進めます。やはり稽古場と劇場では勝手が違うので、その場で変わっていく事も多いです。もちろん音楽も入ってます。客席の明かり(客電)が落ち、客入れの曲がしぼんでいくとワクワクする物語のハジマリハジマリです。無音のハジマリ場合もあるし、台詞のハジマリ場合もありますが、今回の山崎演出は歌でハジマリます。そして同じ歌手の歌が四つある幕の幕間にも流れます。
その曲、その歌声に身体の奥深くを掴まれました。思わず前のめりになっちゃいました。倒されました。遠い昔に忘れてきたジグソーのピースが見つかった感じです。大当たりです。芝居も良かったですが、まず曲、曲。
二幕終わった所で休憩。楽屋へダメ出しに走る大忙しの演出家見つけて、
つい一言。
「誰ですか?」 間髪入れずに
「吉田美奈子」「吉田美奈子の、ハタチのファーストアルバム」
振向きざまにそれだけ言うと裏に消えていきました。
すっごくKYで失礼なタイミング。申し訳なかった。
でも、ちょっと嬉しそうだったかな。
彼は前回の「ワーニャ伯父さん」で高田渡を持ってきたぐらいです。このぐらいは予想できそうなもんですが、やられました。家に戻って調べるとこのアルバム全曲彼女の作詞作曲。そしてバックがスゴい。キャラメル・ママ(細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫の4人)です。はっぴいえんどもキャラメル・ママもティン・パン・アレーも持ってたのに知らなかった。夢でもし〜だけの人だと思ってたよ。振り返れば高校生の時、ユーミンが来るっていうんで近所の大学の学園祭に観に行った事がありました。それがもともとはユーミンと吉田美奈子の二人のLIVEだったのが、吉田美奈子が風邪引いちゃったもんで、ユーミンのソロLIVEに…。あん時はユーミン一人になったんでみんなで喜んでましたが、子どもでした。大事なピースをそこで落としてましたわ。ハタチでこの歌、この歌詞。なんとかBとかなんとかRAとか、どうしてこんな時代になっちゃったんだろうかねぇ。間違った方向に行ってないかい。すべてのミュージシャンを目指すハタチに聴いてほしい1枚です。

yoshida.jpg

劇中に流れる歌の中で好きなのは
「ひるさがり」 人だまりの中に 石ころがころがってゆく
        何にもすることがないし 話す相手もいない
あ〜活字にするとただの暗い歌にしか見えんな。YOUTUBEにもないし…
そもそも100年以上前のロシアのチェーホフに日本の歌が合うのかって? 
合うんです。気になった人は相模原市の橋本であと1公演(11月5日14時)にあるからチェーホフと曲に倒されにきてください。

タグ:吉田美奈子
posted by gutter at 18:35| Comment(0) | 演劇
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