2012年01月18日

ホブソンズ・チョイスが出来るまで その2

無名塾のパンフは時間差で2種類作るんです。何が違うかっていうと写真が違います。最初に作るパンフには稽古場写真を入れ、後から作るパンフには実際の舞台写真が入るんです。初日前のゲネプロという本番と同じようにやる最終稽古で舞台写真を撮り、10日間くらいで差し替えます。今回の初日は北九州。舞台を観ないとレイアウトできないので行ってまいりました。
はじめての北九州。着いてすぐ、昔の仕事仲間にチラッと会いました。彼に関わることで一番興味深いのが彼のおじいさんの話。なんと山伏だったそうで、じいさんの家の茶の間には、普通にあの天狗のような衣服がハンガーで吊るされており、玄関にはカクカクした頭に載せるヤツとかワッカが付いた錫杖とかが置いてあったそうです。で、彼には10年振りにあったんですが、どうしても聞きたかったんで聞きました。
「じいさんの山伏って本業じゃないよね。兼業?」「いや」「専業?」「そうだよ」 財テクな山伏ってのはイヤですが、やってけるようです。いや〜カッコいい。お父さんの職業欄に山伏って書いてみたいですわ。
なんて横道にソレソレですが、劇場は小倉城の横にある一大商業施設の中にありました。劇場に入ると、もう19世紀のイギリスがそこにありました。装置と衣裳の力は凄いもんです。こちらはただ観るだけなのでゲネプロ、初日とじゃまにならないようにしてるだけです。公演初日というのは、始まると宣伝物は過去のモノになり、自分の居場所がなくなる寂しい瞬間なのですが、好きな光景です。楽屋が並ぶ舞台の裏通りは、お通しと呼ばれる差し入れが所狭しと並び、ボテの横で衣裳が順番に出番を待ち、楽屋は雑然としながら緊張感が充満してます。時折メイクを済ませた若いコ達があわただしくスタッフジャンパー姿で通り過ぎます。ここはオフとオンが混在している空間。いよいよとなり「15分前です」と楽屋に声がかかるとオン空気の密度が高まります。楽屋を回る初日挨拶や「よろしくお願いします」の声。まさしくよろしくお願いする、やり直しのきかないLIVEの世界。その場にいるモノしか味わえない刹那の醍醐味がここにあります。
そして初日です。ゲネプロで完成してないように見えた部分は、観客の反応を糸に笑いを針に修繕され、品がよくおしゃれで、愛情ある暖かいムードに包まれた作品に出来上がっていました。観客が舞台を育てるというのは本当です。これから公演を重ねるごとにどんどん良くなっていくことでしょう。
と、感慨にひたってると誰かがそでをひっぱります。
「あの〜ここなんですが…」パンフの誤植です。トホホ
いや〜舞台写真に差し替えて、パンフを増刷するのは、間違いを直せるチャンスでもあるんですわ。
こっちはやり直しのきく世界にいるなぁ。いかんいかん。

hobson pa.jpg
靴屋の床をイメージしたバックは無名塾の稽古場の床を撮影し加工しました。
タグ:無名塾
posted by gutter at 15:29| Comment(0) | 演劇
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