2012年05月28日

ここんとこ観たお芝居アレやコレや

『シダの群れ』シアターコクーン
何となく好きな岩松了さんの作品。彼が出ているだけで映画もテレビもCMもつい観てしまう。あのインチキ臭いムードがたまらないんです。昔のことですが、岩松了さんが「東京乾電池」に加わる前と後で「乾電池」ってガラっと変わったような気がします。それまではギャグ中心のコメディ集団だったのが、お芝居をちゃんとやるようになった。その当時の自分はギャグコメディの方が好きだったので、岩松さんが関わるようになってから「乾電池」は次第に観なくなりました。それが今は岩松さん見つけてはニマニマしてる。わからんもんです。
その岩松さん作演出の「シダの群れ」。笑いもなく、話も普通。誰一人どういう人なのかわからない。なぜ死ぬのかもわからない。何を観せたかったのか?何をやりたかったのか? 松雪さんがもったいなかったなぁ。そもそもヤクザものが好きではないし、苦しかったです。
『ナシャ・クラサ』文学座アトリエ
芝居を愛するすべての人に、ここ文学座アトリエで一度は観劇してもらいたい。文学座アトリエには演劇の神様が住んでいます。手前の旅館だった建物は新しくなりましたが、アトリエはそのまま。舞台も客席も広くなって使いやすそうです。この空間に浸れるだけでワクワクします。
改装前のアトリエ、今も外観はほとんど同じです
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舞台はポーランド北東部の小さな町。ポーランド人とユダヤ人が共に楽しく学ぶ教室。その10人の同級生が第二次世界大戦の濁流に巻き込まれ、その後の現代までを描く重く悲しい話。イェドヴァブネ事件がモデルになっています。装置は教室にある古びた木の机と椅子だけ。台詞は主に観客に向かって過去形で発せられます。観客に報告する形をとった報告劇ともいえます。1幕は、構成の巧みさとたたみかける速いテンポ、役者のパワーに圧倒されぐったりしました。休憩の間、あまりの見応えにこりゃどうなることかと身構えたんですが、2幕はどうも1幕の熱が引いて行く感じがする。大戦後になって登場人物が年をとっていくわけなんですが、それがほとんど見えない。報告なのであえて見せてないのかもしれない。自分としてはもっとそれぞれに年を重ねた怖さが現れる2幕が観たかったです。話がものすごいので見せられてしまうけど、人間としての変化が観たい。清水さんは良かった。2幕はもっと面白くなりそう。う〜ん惜しかった。
『母』前進座劇場
前進座劇場が来年1月で閉館になります。小さくても花道、廻り舞台があって見やすい、いい劇場なんで本当に残念です。自分としても若かりし頃、裏方として働いたことがあるので寂しい限りです。その前進座のさよなら企画第一弾がこれ。前進座の女優いまむらいづみさんのひとり語り、朗読劇です。小林多喜二の母セキとして息子小林多喜二を語るんですが、いや〜見事、素晴らしい。こんなに完成度が高いとは、ビックリしました。1時間弱の朗読なんですがちゃんと人間として存在してました。芝居を志す若い人にぜひ観てほしい本物ですね。一般的には知られてない、もうすぐ80になろうかという女優さんですが凄かったです。流行のお芝居やテレビに出ている人だけを追いかけるなかれ、観るなかれ。


posted by gutter at 17:39| Comment(0) | 演劇
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