大島監督が亡くなられても「戦場のメリークリスマス」や「愛のコリーダ」とかの映画しか話題に上がりませんが、実はこのATG映画でものすごく面白い映画を数多く発表しています。代表的な作品は「絞死刑」や「儀式」。戦メリしか知らない人にぜひ観てほしいですね。そして私の大島渚ベスト1は「少年」。映画の内容を書くのが好きじゃないのでやめますが、だまされたと思って観てください。やられます。泣けますよ。「絞死刑」より観やすいです。


だまされついでに観てほしいのが、これもATG映画の篠田正浩監督の「心中天網島」。これもすごいです。岩下志麻さんが主役(二役)なんですが極妻しかしらない人はビックリしますよ。キネマ旬報の上位作品にATG映画がずらっと並んだ時代です。その頃に比べて今の映画は常識が支配しすぎていて映画の可能性を狭くしているように思います。
1967年に始まったATG映画は1986年で終わります。「転校生」「家族ゲーム」「お葬式」なんかがATG映画が関わった最後の方の作品ですが、やはり1960年代や1970年代の作品を観てほしいです。ATG映画が亡くなってしばらくした後、路上古本市で見つけたのがこれ。
余ってたようで何冊も平積みで売られてました。通りすがりで興味持ったのはオレだけだったようでしたが、こちとら大発見で嬉しかったなぁ。

題字(ロゴ)は伊丹十三監督。ATGの映画パンフには、このアートシアターロゴがでっかく付いていて、古本屋の映画コーナーなんかでロゴ見つけるとうれしくなります。ATGの歴史がつまったこの一冊はデータが満載で自慢できる宝物になりました。そして本をペラペラめくっているうちにATG映画を誰かに観てもらいたい欲求が強くなりました。大きいTSUTAYAにあるのかな?う〜んビデオではあったようだけど、大島監督のDVDはどうもBOXのような売り物しかないのかも。大島監督達の若い頃の凄さをなんとかわかってほしいです。篠田監督の「心中天網島」は借りられるようなのでそれだけでもどうぞ。
タグ:松竹ヌーベルバーグ