2014年03月14日

同じ衣裳で7歳から75歳からまで

カトケン事務所のお仕事を始めて2年半、9本目になる公演「あとにさきだつ うたかたの」が本多劇場で上演中です。
今回の公演は特別。なぜなら自分のホームグラウンドのひとつ「子供のためのシェイクスピア」の演出をしている山崎清介さんが加藤さんのお父さん役で出演するし、子供で演出補を担当している小笠原さんが今回の演出。さらに脚本の山谷さんも子供に2回も出ている。コラボとまでいかないけど融合度合いが深く不思議な感じです。だからなんとか…とのぞんだ舞台だったんです。ですが、劇場の中に入るといつものカトケン事務所公演に比べて観客席にスキマが見える。ちょっとガッカリしました。宣伝に関わっているものとして肩身が狭く申しわけない。もちろん能力の無さもあるが、原因はほかにもあるような気がする。カメか?カメじゃだめだったのか…
何が足りなかったのか?始まるまでの時間に考えましたが、今回メッセージ性の強い内容なので、あたたかく面白いお芝居になれたカトケンファンの食指が今ひとつ動かなかったとしか思いつかない。
演劇は日常の癒しなのか? 安らぎの場なのか? エンターテインメントじゃないと観たくなくなるのか?
いやいや、劇場は一緒に考え、悩み、探す場でもあるはず。審判から始まった加藤健一事務所。問題定義したい気持ちはいつも持ち続けていたのでしょう。あえて社会派の戯曲を選び劣勢に挑む加藤さんに拍手を送りたいです。問題定義した作品においても足を運ばせる何かを制作物に盛り込まねばと気持ちを新たにしました。この注目作を書き上げたのは文学座の女優でもある山谷さん。やわらかく透明感のある美しい女性の中心には、ゴツゴツして頑丈な魂が座っています。

チラシとパンフ
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舞台上に見えるのは老い先短い老人。
加藤さんはその同じ衣裳のまま、7歳から75歳までを演じています。戯曲を読んだ時は想像がつかなかったんですが、舞台上に違和感はない。やがて子どもも老人も一人の人間にすぎない事に気づかされる。観終わって、やりきれなさと消えない希望の光に涙が溢れてくる舞台。
カメは、カメで良かったです。むしろカメ以外考えられない。カメを描いてくださった、ささめやゆきさんありがとうございました。

初日打上げで
「子役ははじめて。あとやってないのは少女だけだよ」とふざける加藤さん
「クラウド・ナインがありますよ」と真顔で返す父親役の山崎さん
加藤さん、まんざらでもなかったです。
posted by gutter at 20:12| Comment(0) | 演劇
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