2014年10月27日

冒険は永遠に

奇想の人でした。まさにアバンギャルドな人。
だげど内にこもらず外に向かって発信する。
その思いもつかない発想にいつも驚かされました。
赤瀬川原平さん。
トマソンなんてマイノリティの慰みものにすぎないような事を
いつのまにか誰もが気に留めるものにしてしまう。

先日も川越に行った時に古いビル壁にあるドアを見て
「あれっトマソンじゃない?」と思わず言ってしまった。
煙突写真もそうですが、誰もが気づかず捨ててしまうようなものに価値をみつけ、その視点の新しさについこちらも乗せられる。
楽しみながら逆流の川を登る人。ゴミの中から文化を再生させられる人でした。

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20年近く前になるけど、全てが観られる展覧会「赤瀬川原平の冒険」が名古屋であり、正確に言うと名古屋だけであり、こりゃあ行くしかないなと休みを取り。実家を通り越して展覧会を観に行きました。伝説の千円札裁判のものもあったんですが、伊藤博文の前の聖徳太子の千円札。全く知らないお札だったのでピンとこなかったけど、それだけ昔から反骨であったわけです。

小説を発表された時にはすぐ新刊を買いました。中身は良かったけど普通でした。普通な事にかえってビックリ。ピカソやゴッホがデッサンがうまいのと似てるのかもしれません。何をやってもセンスがよい人なんでしょう。その人が無用の廃物をトマソンと名付け面白がる、衰えを老人力と発想する、ここにスゴさがあります。
奇想もアバンギャルドもできなくても
流行やコンサバなものにとらわれない視点だけは持たねば…
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2014年09月07日

アサガオとポップコーン

八月の終わりのことだった。お昼を食べに行こうと事務所のドアを開けると、目の前にお隣の女の子が立っていた。
「こんにちは」「…コンニチハ…」いつものように挨拶をして、すりぬけようとしたんだけど、動かずモジモジしている。
「どうしたの?」と聞くと、うつむいてにじり寄って来て、なんだか言いにくそうに
「あのね…」
「…どうしたの?」
「あのね、…アサガオを預かってほしいの…」
…アサガオ?あぁ、わかった、通路に置いてあるアサガオのことか…
「いいよ、お水あげればいいの?」「ウン」
「旅行に行くの?」「ウン」
すごく嬉しそうな笑顔を見せた。

彼女の最大の心配事はなくなったが、こちらは責任重大だ。アサガオを見ると半分くらいの葉っぱが黄色い…もしや枯れかけているのか?夕方、事務所にあった観葉植物用の栄養剤をあげ、三日間は早く来た。そのおかげもあったのかなかったのかアサガオは枯れずにすみ、帰ってきた彼女からのお土産も気持ちよくもらうことができた。

先週の金曜日のこと、玄関でコンニチハ〜と元気のよい声がする。またお隣の子だなっと思ってドアを開けると、今度は彼女と同じ年頃の友達が一緒で紙の筒のようなものを差し出した。
「ポップコーン、作りたてだよ」「シオ、シオ」友達の合いの手が入る。
「ありがと〜、お友達?」
「ウン、同じクラス」「へえ〜、何年生?」
「1年生!小学1年生!」友達の方が答える。
「えぇッ、大学生かと思ったよ」
「なわけないじゃん、こんな大学生いないよ〜」反応がけっこう早い.
「学校始まっちゃって大変だね〜?」と同情すると
「楽しいよ〜!二学期だよ!でも今日は本の感想で大変だった〜」「ね〜」
二人はポップコーンを渡す任務を終えて楽しそうに笑いながらお隣に戻った。

お隣の子は1年生だったのか…学校は楽しいらしい…楽しいのか学校は?。
そんなこんなを考えながら、ポップコーンをつまみ、どうだったかな自分の小学1年生の時はと遠い記憶を辿っていてハッと思いだした。
1年生だからアサガオだったんだ。
宿題のお手伝いをほんの少ししたような気にもなり嬉しくなった。


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2014年02月05日

オレンジとグリーンの東海道線

最近人の事故が多い。アベノミクしてないのか、ずっと前からのシワヨセなのか、心配です。ホームの防御柵を作れば作るほど増えている気がしてなりません。
事故といえば思いだすことがあります。たしか高校1年の時でした。高校は実家のある東三河の蒲郡から名古屋まで通っていました。片道2時間かかるんで、朝はなんと6時22分発。始発から2本目です。次は30分後になっちゃうのでとにかくコレに乗るしかない。だから3年間遅刻なし。遠い子ほど遅刻ってしないもんです。で、ちょっと早く行こうと思ったら東京から来ている始発の5時9分大垣行きになっちゃう。この電車は貧乏旅行者がお世話になる有名な夜行でして、東京に出てきてから帰省でけっこう使いました。真夜中に着く静岡駅でワサビ漬けの付いたお弁当が楽しみだったなぁ。通学に戻ります。蒲郡に着く時は5時なのでまだ真っ暗。車内の明かりも落としてあります。その夜行臭むんわり漂う電車に、行李をかついだ行商のおばさんと一緒に乗り込みます。早起きで洗面所で顔を洗ってる人もいますが、たいがいグッスリなんで静かに腰をおろしこちらも仮眠。30分ほどたった刈谷あたりでアナウンスが入ります「ポンポンポンポ〜ン皆さま〜おはようございます〜」と同時に車内が明るくなり、あちこちから伸びした声なんかがきこえきます。早すぎる通学は、きれいな朝焼けとのんびりした旅気分が道連れでなんとも楽しいもんです。
かなり脱線しましたが、脱線ではなく衝突事故のお話。その通学の帰りのこと。土曜日の夕方だったと思いますが車内は通学帰りの東三河の学生でいっぱいでした。オレンジとグリーンの東海道線。
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その日は二両目の四人掛けのボックス席に座っていました。幸田を出て左右とも田んぼの果てしない田園風景の真ん中を走っていて、あと10分もしたら蒲郡へ着く時、急に緊迫したアナウンスが入ったんです。「急停車します!急停車します!」
と、突然言われても人間思考が一瞬止まるだけで何をしたらいいのかわからない。もう一度さらに緊迫したアナウンスが入る「急停車します!」ただならぬ声に身構えた瞬間、ドーンと言う音とともに何かにぶつかった衝撃。後ろ向きに座っていたんで前につんのめる。何がおこったのかわからない中しばらくすると、運悪く1両目に乗ってた先輩が首の後ろを押さえてやってきた。「クビがイテェよ、トラックにぶつかった」こういう場合、ちょっと野次馬で見たくなる。一両目を見ると車両が登り坂になっています。「見てたよ、運転手は逃げたから無事だよ。あ〜クビがイテェよ」
電車が踏切で立ち往生したトラックに乗り上げたんです。ギリギリ間に合わなかったんでキレイに乗っかったのかも。大事故にならなくて良かったです。しばらくすると、なんとなく乗客の物知りによってドアが開けられ、なんとなくみんなゾロゾロ外に出ました。そこから田んぼのあぜ道をひたすら、一列になってひたすら幹線道路まで歩きました。振り返るとトラックに見事に乗り上げた列車が逆光の夕陽に映えてオブジェのよう。今だったら一斉にスマホや携帯で写メしたりしたんでしょうけどね。昭和の乗客はただ記憶の奥底にとどめるだけ。それでアリンコの行列のように果てしないあぜ道を黙々と歩いて、バスを適当に見つけて、適当に家に帰ると、晩ご飯を待ちながら家族が食卓を囲んでテレビのニュースに集中してました。
バラバラバラバラとヘリコプターの音と画像とアナウンサーがなんかしゃべってる。そこから引いた画像になると、オオッ、見覚えのある…ハァ〜ン、ヘリコプター画像だとこんな感じか。
トラックに1両目が垂直にキレイに乗っかった車両です。なんか実体験と別物。それとやはりテレビになるには時間がかかる。あれからどのくらい後の画像だろう?各々が勝手に帰ってしまっていては乗客のケガ人がいたのかどうかも、もはや知るよしもない。先輩のクビは大丈夫なのか…
「オレ、これ乗ってたよ」
「エッ〜!」家族全員が一緒に振り返りました。
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2014年01月19日

川上澄夫に辿り着く

「暮しの手帖」という雑誌があります。最近は昭和レトロの代表みたいな扱いですが、本来の魅力は、広告が全く入らないからこそできる、正当評価の商品テストにあります。この生活者本位の内容と、なんといっても花森安治さんのデザインや絵にあります。花森さんはあちらへ行かれてしまったのですが、その姿勢は変わっていません。
花森さんの絵が好きなので、カレンダーをネットで毎年買っていたんですが、3年前からやおらおこったレトロ人気のあおりを受け売り切れに…それでどこかで街の本屋で売っているところはないかと探したら西荻窪の信愛書房にたどり着きました。行ってみると、一見普通の地味な本屋さんに見えましたが、扱っている本にこだわりがヒシヒシと感じられ、独特の文化の香りが漂っています。これが古本屋ならわかりますが、新刊を扱う本屋さんだったのが新鮮でした。売れている本を揃えるだけではなく、読んでほしい本を置く。そこには確かな読書眼が裏打ちされています。そして信愛書房が古本を扱う高円寺書林というカフェをやっていることを知りました。

今年のカレンダー
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その高円寺書林が2月で閉店すると聞き、先日行ってきました。
とてもステキな空間でした。
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扱っている本が面白く、共有する文化の匂いが自分と似通っていました。ささめやゆきさんの原画がかかっていて、川上澄夫の版画集などが並んでいます。ささめやゆきさんは今やっている加藤健一事務所の絵を書いているイラストレーターさんです。飾ってあるのはささめやさんにお願いするきっかけになった「猫のチャッピー」の原画。川上澄夫の方は世田谷美術館で個展を観て知り、面白いと思った作家です。う〜ん、これは縁だなっと懐を納得させ川上澄夫は連れて帰ることにしました。

「えげれすいろは」の1974年復刻版(限定500の内67番)
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好きな文化の流れってあるなっと感じます。
暮しの手帖→花森安治→信愛書房→高円寺書林→川上澄夫
もっともっと辿り、引き返し、また別の道を辿る この繰り返しで好みの文化を探りだし掴むのでしょうか。音楽や飲み屋も同じですね。辿らねば…もっと徘徊して辿らねば。
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2014年01月10日

自由が丘でお昼、その1

自由が丘に来て2年目の正月を迎えました。慣れましたが、やはり不満はお昼。自由が丘ってデートで訪れる街という役割が強くて、ランチっていうとカフェメシばっかりなんです。大きな白いお皿にチョコチョコのせて取り繕ったゴハン。イヤですねぇ。美味しいカフェメシにあたった事ないです。そもそも洋食によくある白い平べったいお皿にゴハンって間違ってますね。お皿があっためてあるならまだしも、冷たいお皿にゴハンって、美味しくないし食べにくい。誰がはじめたのかオカシナ先入観ですね。
横道それましたが、自由が丘のカフェメシってどこも堂々と1500円もしたりします。冗談はよしこさんです。毎日のお昼は1000円以下です。
そこで自由が丘1000円以下の美味しいお昼探しをする事にしました。

1.「味よし」
やっぱりひかり街の「味よし」には敵わない。なにせ美味しいお弁当が500円ですからね。贅沢したくなったら好きなものばっかり選ぶチョイスもあり。もう「味よし」に行くようになってからデリなんとかにはほとんどいかなくなりました。何が違うのかと思ったら、毎朝、瀬田辺りにある農園から新鮮野菜が届くようです。素材から違ってたんですね、納得。仕事場で食べるなら断然ここ。お味噌汁もあります。
http://www.hikarigai.com/ajiyoshi/

2.「Kitchen+」キッチンプラス
洋食が食べたくなったらここですね。カウンターだけの店なんであえて2時過ぎに行くのがいいかも。デミグラス系がオススメ。お皿なめたくなりますよ。
ハンバーグ、ハヤシライスなど 950円(ミネストローネスープ、ライス、コーヒー付)寡黙でいかにも美味しいもの作りそうなシェフの姿に安心しますが、すごいのが奥さんの接客。完璧。その流れを乗りこなすさばきにウットリします。
3.「自由が丘 吉華」
麻婆豆腐定食など 900円〜(スープ、サラダ、ライス、杏仁豆腐付)名店上野毛 吉華からのれん分した四川料理のお店。気楽に入れます。この気楽っていうのってけっこう大事ですね。中華のお店ってスープで決まると思うんですが、ランチに付く吉華のスープも美味しいです。炒め物もちょっと違う。この間は普通の3倍くらいある真っ黒な唐辛子が20個くらい入っていましたよ。ちょっとの違いの発見が嬉しいです。気楽でちょっと違う美味しい中華がお昼に食べたくなったらお試しあれ。

お店は数だけはあるんでローラー作戦してまた良い店があったらあげてみます。
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2014年01月06日

イノウマチョウ

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今年の年賀状は例年のように悩みに悩んだあげく花札にしました。
実際には鹿を馬に変えた1枚を絵柄面にして送りました。
イノウマチョウ。語呂悪いですねぇ。やっぱりイノシカチョウはキレがある。花札はやっぱり馬じゃなくって鹿ですね。
はばかりながら井上ひさしさんをちょっとマネして

バカバカしい事をマジメに
マジメな事をヤワラカく
ヤワラカイ事をジュウコウに

いつでもなんでもいくらでも
お手伝い出来そうな事があったら声かけてください
ぜひ、今年もよろしく 今年はよろしく お願いいたします。

市川きよあき事務所
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2014年01月03日

明けましたら箱根です

明けましておめでとうございます。箱根応援してます。昨日(二日)ハタと思っちゃいました。

鶴見なら見に行けるんじゃないか? 昨日、往路優勝したものの1分差。鶴見中継所は最後の10区へ繋ぐ中継点なんですが、9区には宿敵駒澤の窪田君がいます。学生ながらマラソンを走る日本のホープ、1分なんてあってないようなもの。東洋の9区上村君がハーフ1時間4分の持ちタイムに対し窪田君は1時間1分ちょっと。2分あっても厳しい。ムムムッ
家から1時間もかからないのでちょっくら行ってきました。
川崎で乗り換え、京急線鶴見市場駅で降ります。駅が面白かった。駅の改札とコンビニがくっついていて駅員さんがレジもやります。つまり改札をやっていた駅員さんが、コンビニにお客さんが並ぶと、クルっと90度横を向いてレジをやるんです。京急おそるべし。駅員さんから「ほっとゆずれもん」を買って、イザ中継所へ。
中継所は駅から2分。中継所は人、人、人。なんで中継所へ入る測道の入口あたりで見ることにしました。なんやらザワザワするなと思ったら、そこから30mくらい箱根方向に戻ったカーブのとこで押し合いへし合いしてモメております。
メガホンから流れる間のびした警官の声
「まだ選手こないよ〜、いまケガしてど〜すんの〜 押さないで〜」
観客がドッとなごみました。ほんと仲良く見ましょう。
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オレの前に陣取ってるグループは帝京選手のご親戚らしくシード争いの細かい計算に夢中のご様子。後ろの老夫婦はじいさんがばあさんにレクチャーしてます。「最初に白バイくるからわかるよ」「そのくらいは知ってますよ」小学生くらいの女の子はやや飽きちゃったのかお父さんに質問連打「駅伝ってなんで駅伝〜?」お父さんも周りも絶句。なんで駅?伝て何? そんなこんなで時間つぶし、寒くなくて良かったです。こういう待ってる間はガラケーのワンセグが頼もしい。実況聞かないと臨場感がないですからね。いつもは恥ずかしいボロボロのガラケーも今日は大活躍。
そうこうしている内にテレビで見慣れた関係車両が通り、白バイがきました。スワっと腰が浮き、全員あわてて旗準備してると…「あ、あれは太刀持ちだから…」とベテランが教えてくれて、ほっと一息…つきかけたら今度は本物の二台の白バイ。ほどなく通りの右ハジからどよめきと同時に旗のウエーブ。一斉に何百の旗が振られます。来たぞっと思ったら、シュウ〜ンと東洋の上村君は駆け抜けていきました。速かった〜。三秒?背中まで入れても五秒?
「ウエムラ、ウエムラ、ヴ エ ム ラ〜」っと三度声かけるのが精一杯。さっきカミムラじゃなくウエムラだとわかったくせに調子こいて叫んでました。付け焼き刃すみません。旗はふれず、シャッターは狙いをはずしました。よく選手と一緒に走ってるおバカをテレビで見ますが、尊敬します。ありゃあ一緒に走れるレベルじゃない。20キロじゃなく20mならなんとか…
そこから、駒澤窪田君のくるまでは長かった。窪田君もカッコ良かったんですが、確実に勝ったなと実感するほどの間でした。
それから時間を計算して優勝ゴールは自宅で見ようと考えて、4位の早稲田まで確認して帰ったんですがギリギリ間に合いませんでした。それほど速かったんですね。はるか下の後輩の活躍なのに応援できる楽しさをもらっています。
東洋総合優勝おめでとう! 今だけどこの大学出身?って聞かれたいですねぇ。

え〜影は上村選手と窪田選手
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2013年12月26日

かしぶちさんとお弁当

自由が丘に事務所が移ってから、お昼といえば自由が丘デパートにある「味よし」のお弁当。ここはいわば自由が丘の台所。50種類ものお惣菜あり、お弁当が美味しいのなんのって。しかも500円、お値打ちですわ。週に二、三回は通っています。いつも、その日の魚のお弁当に好きなオカズをちょい足し。「レバー2つ入れて」とか「それにザーサイ30g」とか。
先代のおばちゃんと、もうひとりおばちゃん、現ご主人。それに若い衆が一人。(一人で衆はへんですが…)この若い衆は黙々と仕事をこなすタイプでして、あまりお客と交流するのが得意じゃない感じ。おばちゃん達とは毎回何かしら話すんですが彼とは話をした事がなかったんです。
それが夏のある日の事、いつものように弁当を頼んだところ、彼が「いいTシャツですね」とニコっとしながら話かけてきました。突然、無防備のところを踏み込まれたのでちょっと驚きました。その日はムーンライダーズライブで買った青いTシャツを着てたんです。
「あっムーンライダーズ好きなの、めずらしいね若いのに」
「最期のサンプラザ行ったんですよ」
「へえ…いたよオレも。ムーンライダーズは15年くらい行ってるんだよ」
「僕は初めてだったんですがよかったです」
思いもかけない交流に店のおばちゃん達もニコニコしてました。

ムーンライダーズは1975年、今から38年前に結成され、現在のメンバーになったのが1977年。鈴木慶一、弟の鈴木博文、岡田徹、武川雅寛、白井良明、かしぶち哲郎の6人。全員がソングライティングする希有なバンドです。それぞれの個性が違うから作る曲も様々。ヒットがないから世間的には無名ですが、ステキな曲ばかりの息の長いバンドです。
メンバーが60代になっているので、ファンも40〜60代。それもファン歴20年以上の猛者ばかり。オレなんかまだまだ序の口、ミーハーレベル。ライブに来ている人は業界人というか自由人というか、お洒落っぽいクセモノが多い感じ。アウトドアというよりインドア。ライブはほとんど座りっぱなし。促されて3曲くらい立つかなって感じ。かなり軟弱です。

2年前のサンプラザでの無期限休止宣言があった35周年記念ライブもいつも通りでした。切迫感もサヨナラ感もなく、鈴木慶一さんの「また会いましょう」の言葉もあったし、最期というイメージは全くなかった。それぞれの活動の後サラッと40周年はやるんだろうと軽く考えてました。
6人が欠けることなんて考えてなかったんです。確かに何年も前から、かしぶちさんは休んだり助っ人が入ってダブルドラムになったりしてはいましたが、最期のコンサートは元気そうに見えたんです。
最近のムーンライダーズの中の好きな曲に「6つの来し方行く末」という曲があります。6人が自分の誕生月の詞を書いて歌いつないでいきます。かしぶちさんは2番目の11月でした。

十一月には コートはおって
悲しみの住処暖めるよ
白い崖の 上に立ち 風を吸い込んで
これまでの道を 吹き飛ばせればと




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2013年12月20日

あぶさん おつかれさまでした

あぶさんがやっと終わるそうです。あぶさんこと景浦安武氏をウィキって見たら67歳という年齢にもビックリしましたが背が187cmもありました。あぶさんデカかったんですね。あぶさんと言えば思いだしたことがあります。

東京に出てきたばかりの頃、故郷の大先輩の漫画家、高信太郎さんのまわりをウロウロしてた時期があってアーチストリーグ戦に出たことがあります。
アーチストリーグ戦とは漫画家とその関係者の草野球大会の事。チームは全部で16チームあり、リーグ戦という名ですが、いわゆるトーナメントに近いです。勝ったもの同士、負けたもの同士であたっていきます。つまり初戦に勝つと8位以内に入れるわけ。それで1位から16位まですべての順位を決めるという非情なルールなので、どのチームも1日4試合やらなきゃいけません。これはかなり、かなりハード。13位か14位かなんてどーでもいい順位も容赦なく決める。やる気がでるのか?漫画家ですから徹夜明けや酒臭い人など不眠不休の人ばかり。そんでもって遠い埼玉の河川敷グラウンドを4面借りてやるんです。朝から夕方までの4試合は地獄です。こちとら野球は全くからっきしダメだったんですが、断っても誘われるわけがわかりました。とにかく4試合目なんて誰かいるだけでいいんです。ピッチャーは漫画家かアシスタントというのもルールでした。助っ人に凄いピッチャーきたら試合になりません。
もちろん水島さんの「ボッツ」は優勝候補NO.1。ちばてつやさんのチーム「ホワイターズ」も有力。「ホワイターズ」とは対戦しなかったんですが、のぞきに行ったら、ちばあきおさんがいてドキドキしました。小さかったけどかっこよかった。ちょうどキャプテンにはまってた時期だったんでダブりました。
高信太郎チームの「ハイポーズ」は山松ゆうきちさんほか四コマとエロ系の人がほとんど。純粋漫画家率は一番高かったようです。初戦はオレのまぐれの三塁打を皮切りにまぐれで勝ち、最終戦をなんとかへろへろになりながらも相手がこちら以上のへろへろだったので、もういいよな感じで勝ち、実力以上の7位という成績でした。初戦勝つと負けるのではモチベーションがダンチ。初戦負けたらもう帰りたくなるとか…わかります。
3戦目を終わった時の事です。対角線にあるグラウンドで威勢のいいかけ声を出しながらのランニングの後守備練習しているチームがありました。ひときわ目立つユニフォーム、「ボッツ」です。
「あいつら練習してるよ」寝転がりながら、うちのピッチャー。
「ほんとに漫画家かぁ」寝転がりながら、うちのサード。
「誰ひとり見たことねぇよ」寝転がりながら、うちの監督。

決勝戦の前の練習が実ったのか、実力がそもそも違うのか優勝は「ボッツ」。水島さんは自分で司会しながら自分でトロフィーもらってましたが、ほとんどのチームはどうでもいい感じ。ほんまもんの野球狂でした。
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2013年11月02日

テープをはられる

何か買った時にビニール袋をテープで止められることが、もぉ〜ホントにキライ。はがす時うまくはがれないし、その袋に別のものを追加して入れる場合は特にやっかい。ずれないように止めてあげましたよってのが、実は親切なように見えて、万引きするなと念をおされているようで感じが悪い。なので大体は止めなくていいです、と言います。
で、袋がいらないというと、ペッと無造作にテープをはられる。だいたい斜めに変なとこに…あのペッもイヤなんです。

先日、薬屋に寄って風邪薬と栄養ドリンクを買った時の薬局のお兄ちゃんとの会話。
「ドリンクは今飲みます。」
「じゃあテープで」
「いま、ここで飲んで下(ゴミ箱)に捨てますよ」
「じゃあテープで」
「いま飲みますって」
「…」
指にテープつけたままの薬局のお兄ちゃんが固まった。

テープをはる意味を理解してない。使用済みの瓶にテープをはってどうするんだ。瓶の回収の時、爪をキーキーさせながらはがすのか?
はがすまい。この条件反射のテープはりをやめさせるにはテープ拒否運動するしかないな。

ためしに隣のコンビニでのど飴1個買った時、テープ拒否してみた。
「テープでいいですか」
「あ〜すみません。袋はいらないんですが、テープはイヤなんです」
「…ハイ」
ほぼ無反応だったけど、大丈夫だった。運動って言うほどでもないな。普通に頼めばいいんだ。

そもそもペッが表沙汰になるケースがあるのか…
「お客様お待ちください、そちらの商品はお買い求めになられた商品ですか?」 ペッを確認 「失礼いたしました」な〜んて会話見たことないし、あるわけない。誰が流行らせたのかテープはりは無意味だ。

事務所に戻ってSに話したら
「もうテープってあだ名つけられてますよ」
「…」
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2013年09月03日

一昨日見た夢。

砂利道の田舎道を歩いていると、お墓にぶつかり、ヒシャクで水をかけている人に出会った。タラ〜と石の頭の上から水をぬめぬめと流すと、そこには戒名ではなく文字が現れた。水で石をいま掘ったかのようにグイグイと次々と現れた。

酒とゴロゴロしたものがあればいい

よく見ると水をかけてた人は寅さんのおいちゃん役で有名な下条正己さんだった。いつものように愚痴っている。
「まったくよう。ゴロゴロしたものって言ったら普通イモの煮っころがしかなんかじゃねぇか。それをこいつときたらノリのきいたステテコなんか持ってきやがって」
よく見るとお墓のとなりに縁台が置いてあり、所在なさげな顔をした高品格さんがピシっと固まった真っ白なステテコを持って座っている。
「どこをどう見たらゴロゴロがゴワゴワに読めるんだ。酒とステテコでどうしようって言うんだい」
またヒシャクで水をかけた。水ではなくお酒だったのかもしれない。

そこで目が覚めた。

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2013年07月02日

大学1年の時に下りた「富士山」

大学1年の夏休み、観光バスの車掌さんのバイトしたことがありました。ガイドのいらない簡単なツアー、つまり女性のバスガイドさんがいなくても大丈夫なツアー用の車掌さんです。泊まりの場合、男女だと二部屋とらなくてはいけないから、という事情もあるようですが、ルールで1人必要なようで、しかたなく男子学生バイトを付けてるんです。バス1台だけの小さなツアーが多いので運転手さんは毎回違います。どの運転手さんに当たっても、使えない上に話の合わない学生と一緒なんで機嫌は悪いんです。当たり前ですね。

仕事はと言うと、出発前の窓ふき、掃除、そそうがあった時の掃除(小学校の時はどんよりします)、駐車場内の誘導、などなど…
出発すると、ガイドはしないんですが、最初の注意のアナウンスはします。
「みなさま〜本日は○○急行観光バスをご利用いただきありがとうございます。…危険ですので窓から手や足など(ここウケるとこなんで、繰り返します)あ、し〜など〜出〜さないよ〜うにお願いいたします〜」
このお決まりがすんだら後は目的地までやることはほとんどありませんが、ここからが大変、ひたすら我慢地獄。なにが地獄って…眠らない我慢です。なにしろ座っているのが運転席横のちっちゃな折りたたみ椅子。真剣に寝たらステップに落ちるんで爆睡はできませんが、ここほど眠くなる場所はありません。180度に広がるピッカピカのフロントガラスの開放感はハンパなく、すてきな景色とともに七色に反射した太陽光線が一直線に差し込んできます。絶妙の暖かさ、ここはオヒサマ天国です。眠くなる場所選手権あったら間違いなく1位。猫だったら1秒で気絶しますよ。そこへもってきてブワ〜ンブワ〜ンと気持ちよく右左に大回りで揺られるもんだからモーレツに眠くなる。目的地までの数時間、眠いのを我慢するのが仕事といってもいいくらい。もちろん寝ちゃあいけません。でもウトウトします、で、運転手さんに怒られる。コックリします、怒られる。この繰り返し…。

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その日は富士山5合目見学の人達を乗せていました。いろんなところへ立ち寄った後、富士山でお昼だったと思います。バスが富士山に上りはじめた時です。気がつくと運転手さんの機嫌が悪いんです。こりゃあさっきウトウトしたんでまた怒られるぞと思い、気を引き締めどうにか寝ないで五合目につきました。
バスを降りると、やっぱり運転手さんが浮かない顔してます。
「どうかしたんですか?」
「ブレーキの調子がおかしい、効かなくなってる、上りはじめたら気づいた…」「えっ」
「近くにいるバスになんとか来て運んでもらうから、お客さんに説明してくれ」
ブ、ブレーキの故障。しかも富士山で…一大事です。
「どのくらいで来られるんですか?」
「2時間あれば…大丈夫だろう…ちょっと連絡する」
携帯のない時代だったので連絡も大変です。
近くにいるバスにピストン輸送してもらうわけですが、乗り換えるバスにもお客さんがいるんでそんなには早くこられない。結局、うちのお客さんには五合目に3時間くらいいてもらい乗り換えてもらいました。午後の予定はキャンセルになってしまい文句も言われましたが安全第一です。ともかくお客さんが山から下りられてよかったです。

みんないなくなってガラ〜ンとしたバスに運転手さんと二人残りました。
で、どうなるのオレ

「日曜日で近くの修理業者に連絡つかないから、東京の本社からきてもらうよ」
「ど、どのくらいで来られるんですか?」
「まぁ夜だな」「…」
夕方になると五合目は急に静かになりました。登山者は登っていなくなり、観光客は降りていなくなる。当然店は閉まる。まっ暗、本当にまっ暗。広い駐車場にはうちのバス1台残してすっかりいなくなりました。観光地が深山に変わりました。五合目とはいえ、さすがは日本一の富士山。真夏でも5時すぎると半袖では寒いです。その温度差に驚きました。しかたなくバスの中で時間つぶしていると、8時過ぎた頃だったか、運転手がホットコーヒー持って寄ってきました。
「降りるから…車がいないし…ちょっとやってみる」
「…」「ダメそうだったらやめるから…エンジンブレーキでゆっくりいけばなんとかなる。 修理するのにも下でやったほうがいいから」
「…」「大丈夫だって、危ないとこほとんどないから」
ほとんどでしょ…。とにかく下りることになりました。
「ひだり、よく見てくれ」
見ますとも見ますとも。折りたたみ椅子をバタンと倒し、しっかり身構えました。緊張しましたが不思議と危ない感覚はなかったです。
バスの重みを重力にまかせるように、ユルユル、ユルユルほんとに歩くくらいのスピードで降りました。30分か1時間か…とにかくゆっくりゆっくり下りました。対向車がこなかったのが幸いでした。
ただ乗ってただけですが、しっかり目を開いて注意だけはしました。

無事に降りると下に修理の車が待ってました。
「お、降りてきたの〜、上まで行こうと思ってたのに…」
「いや〜上は暗いし…下の方がやりやすいよ」
それから部品交換やらなんやらして宿に着いたら12時過ぎてました。
長い長い富士山の1日でした。

夏の間、それからも、いろんな運転手さんに怒られ起こされながら色んなとこへ行ったんですが、富士山の話をすると
「あれに乗ってたのか〜!」と一目おかれ「大変だったろ〜」と優しくされ、ちょっと仲間にしてもらえたようで嬉しかったです。
なにかと話題の富士山ですが、行ったのはその時だけです。
タグ:富士山
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2013年06月27日

高校1年の時に観た「ひこうき雲」

久々に映画を観に行きました。映画はつまらなかったんですが、始まる前の予告編で流れた曲が、不味い後味を忘れさせたばかりか、いまも頭の中でぐるぐるしてます。
荒井由実「ひこうき雲」

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初めて「ひこうき雲」を聴いた時は生でした。生なのにユーミンを知らなかったんです。高校1年の秋、当時で言う、ポップス通というか、かなりのユーミン好きの友達がうわずった声でオレのことを誘いました。なんでも近くにある大学の学園祭に荒井由実がくるというんです。
「行こうよ」「大学だろ…大丈夫?」「一般人も入れるから大丈夫だって」
誘われてもよく知らないんであんまし興味もなかったんですが、大学の学園祭、という言葉の響きにクラっとして「あ〜荒井由実ふ〜ん、いいじゃん行く行く」と知ったかぶりの背伸びして承諾。そのあとユーミンを知ってるヤツ、知らないヤツ、女子大生に憧れのあるヤツ、いろいろ誘って6、7人になりました。こちとら男子校なんで全員男子。授業の後なんで全員学ラン、ダサダサですわ。着くとあまりの華やぎに浮き足立ちました。浮いてたかも。そしてなんだか男子高校生の若気が至りに至って気が大きくなり最前列を陣取っちゃったんです。ユーミンよんだ大学生にとってはいい迷惑です。
その日は本当は石川セリさんと二人のコンサートだったんですが、セリさんが風邪で来られなくなり急遽ユーミン一人。石川セリさんの方は知ってたので始まる前はちょっとガッカリでした。
しばらくして「セリさんの分まで頑張ります!」という初々しいユーミンが登場して「ルージュの伝言」でスタート。

釘付けでした…良すぎて。とってもおニューなミュージックにやられました。途中ユーミンも最前列のおかしな学ラン高校生集団に気づきます。
「君たち大学生?」「高校生です」「なんでいるの?」な〜んていう会話があったり握手してもらったりなんだり…。
中でもクラックラにやられたのが「ひこうき雲」。帰りにはすっかりユーミン教崇拝者で、次の日には「ひこうき雲」のLPを買ってました。二つ折りで中にユーミンの大学時代の写真なんかが入ってました。
1年後、すっかりユーミン通の顔してコンサートに行った時の事です。2階席で観てたんですが、コンサートの途中でヤクザ風の男たちがドカドカドカっと数人乱入してきたんです。
「ヤメロヤメロ!」「オメーラうるせえんだよ」「キャ〜!」
「なんだお前らジャマするな」ヤクザと気骨あるバンドのメンバーと、つかみあい、もみあい。会場騒然。怒号が飛び交い、「やめてぇ〜」「やめてぇ〜」心配する悲鳴もあちこちから出ます。
どうなるんだいったい…と心配してたらだんだん暗くなって、一人消え二人消え、静かになって…気がつくとヤクザのリーダー風の男が一人残りピアノの前でユーミンと1対1。「えっナニナニ?」って観客全員思ったところで、ヤクザのピアノでユーミンが「ベルベットイースター」
ピアノがうますぎるヤクザは結婚する前の松任谷さんでした。

それから何年か何年かして聴かなくなり、またCDで買い直し聴いた時期があり、さらに何年か何年か忘れていたのに、思いがけず映画館で流れて高校1年の秋に引き戻されました。最後の かけーて は何度聴いてもドキドキします。…空を観よう、雲を観よう。
タグ:荒井由実
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2013年03月15日

3月15日。渋谷駅。

18年前の3月20日。渋谷に降りた時地下鉄は動いておらず、ため息。
その先でおきていたサリン事件をまだ知らなかった。
13年前の3月8日。中目黒で起きた脱線事故の何本か後に乗っていた。
片側がなくなった車両の横を静かに静かに過ぎて渋谷に降りた。
2年前の3月11日。恵比寿から池袋まで歩き、
また池袋から渋谷まで歩いて戻った。
渋谷でやっと動きはじめた最初の電車に乗れた。

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2013年03月07日

梅とカボチャ

かたくにぎりしめた拳の力がぬけるように、梅の蕾の気がゆるみ一気に咲いた。どこからいつ合図があったのだろう? 毎日着る服を間違えている自分より梅のほうがよっぽどお利口だ。
こういう暖かい日は自転車で事務所へ行く。もちろんマスク。家を出てしばらくいくと環八にぶつかり横断するんだが、ちょうど信号が変わったばかりで、だいぶ待つことになった。大通りの信号は不公平だ。
ふと横を見ると、なんともダンディなおじいさんが一緒に待っている。70は過ぎてるが80にはまだ間があるくらいか。老人のオシャレは気持ちも暖かくなる。チェックのハンチングにブレザー、マフラーもチェックだが右左で色違い。顔にはしわがしっかり刻み込まれ、積み重ね焼かれた深い色。ややレイバン風のメガネも顔にあってる。
ん、知ってる顔だぞ。彼がこちらを見た時に、お互いがわかった。駅へ向かう道沿いにある有名幼稚園の守衛さんだ。歩いて通う時は毎日守衛姿を見かけているんだが、顔にいつもの固さがなく私服なのですぐにはわからなかった。
「こんちは、…ダンディですね」「いえいえ」
「あったかくなって良かったですね」「ほんとうにねぇ」
「冬の間なんだか心配してたんですよ」「いえいえ」 信号が変わった。
「失礼します」「失礼します」
彼の私服を見るのははじめてだった。雨の日も風の日も雪の日も、彼はひとりガードマン姿で、部外者を寄せ付けない固い顔で門の前に立っている。半袖が長袖になりコートになりさらに厳寒用のオーバーになっても…。外に立っているのは寒いに決まっている。とても寒い日に姿が見えないと気になって幼稚園の中をつい見てしまう。そんな日はきまって彼の相棒のバスの運転手が一緒に門番している。二人でいると彼もおひさまにあたる場所にちょっとは移動できるのだ。少しホッとする。
話をしたのは2回目だ。1回目は3年くらい前だろうか、幼稚園の前が空き地になって草がボウボウ生えていた夏の終わり。いつものように幼稚園の前を通り過ぎ、ふと右側の空き地を見ると、空き地の隅っこにカボチャが成っていた。10cmくらいに育っている。鳥のしわざかな。こういう思いかけない落とし物は本当に楽しい。その日からカボチャを見るのが日課になった。グングン大きくなるのが楽しい。だが、都会の空き地はいつか終わりがくる。ある日通りかかったら、きれいさっぱり草が刈ってあった。そしてあの、あとちょっとで食べられそうになってたカボチャもなくなっている。敷地内にほんのちょっとのっかてるくらい隅にあっただけなのに…
なんだか腹が立って、なぜそうしたかわからないが、彼に無言でつめよった。
「お、オレじゃないよう」あとずさりして弁解する。
彼じゃないことはわかってる。そして彼もカボチャの成長を見ていた事も知っていた。不動産屋が売りやすくするため、見栄えを気にして刈ったのだ。
「仕事だからしょうがないが、人としてどうかな」「ですね」
それ以来だった。もちろんオレも部外者なんで、ふだん厳格に門を守る彼に話をすることなんてできない。次に話をすることがあるだろうか。
自転車をこいでいるうちに、おめかしした親子の集団を何組も追い越した。
あぁそうか、今日は卒園式だったんだ。
右も左も梅が満開の中ペダルを強く踏んだ。
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2013年03月01日

そのくらいは知っております

堤真一さんがめずらしく朝のビビる大木の番組に出た時のこと。誰だか忘れたがAKBの子が堤さんに放ったひと言
「AKBって知ってますか〜? 女の子がぁ いっぱいいるんですぅ」
…「そのくらいは知ってます」

ワタクシもそんなレベル?って思わされることがたま〜にあります。
何年前だったかなぁ。ちょっと前なんでもう書いてるかもしれません。あしからず。
たまたま渋谷のタワーレコードの前を通りかかった時の事でした。タワレコの前にワゴンが出ていてビートルズのCDを並べてました。デジタルリマスター版の発売すぐの頃だったと思います。お客さんは誰もいなくて、若い女性店員がひとり暇もてあましておりました。パッと見、デジタルリマスターの表示がなく、値段も高くなかったし、盛り上がりの低さから、もしかしたら昔のヤツの在庫整理なのかな?とも思い聞きました。
「これって古いやつですか?」
「えぇ、とっても古いですよ〜」 ニコニコした満面の笑み
…ビートルズは知ってます。

先日、近所の駅前にできたオシャレパン屋に行った時の事です。一目でフランス系とわかるパン屋さん。代官山にあっても良いくらいの品揃えとお値段。
その日はジャムとか塗って食べたかったので、普通の、中に何も入ってないパンが欲しかったのです。バゲットで良かったんですが、入口横にあるバゲットも奥にあるのもクルミやらヒマワリの種やらドライトマトやら入ってるし、ライ麦パンもイチジクやら何かしら入ってる。う〜ん困った。グルグルまわって食パンにするかなっとレジ前まできたら、ちょっと田舎風の何も入ってなさそうなのがある。
「これって普通のですか?」
「フランスパンになります」 ニコニコした満面の笑み
…フランスパンは知ってます。
タグ:堤真一
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2013年01月25日

トイレを出たあとひねり出すこと

だれんだーカレンダー ってダジャレがありましたが、ダジャレカレンダーといえばご存知御教訓カレンダー。かれこれ7、8年はトイレのなぐさみものとして飾っています。作品にひっかけたしょうもない記念日知識も楽しみです。もちろん引っ越しした自由が丘の事務所でも、しっかりトイレのドアの内側にぶらさげました。がっ今年は例年と違うことがひとつ。それははじめて事務所をあげて(大げさですが)各自、自信作を応募したのにも関わらず落選したということです。クヤシィ〜、本来なら、めくるたんびに自分のがいつ来るか楽しみだったのに…残念。
ワタシの自信喪失作
「ヨッパライに新橋ィを感じる」
事務所のSの自信喪失作
童話シリーズですって。
「マッチョ売りの少女」「わりとギリギリっす」
どっちもいけると思ったがなぁ。事務所内結論は出来不出来ではなく過去似たようなのがあったんだろうということにしました。
普段は全く忘れてますが、トイレに入るとリベンジしたくなり、頭をひねりひねり日々考えております。
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2013年01月19日

2013年は雪ではじまりました。

あけましてだいぶたちました。たってる間に雪の降る街になりました。雪道が危ないのはわかってますが東京にこれだけ降るとイベントです。何かしたくてしょうがない。ツルツルしてて危険なのはわかってるんだが乗ってみたくなる。雪のかたまりは蹴りたくなるし、ついガシャガシャしたくなる。で、やっぱり滑る。事務所のまわりもまだツルツルです。そんな自由が丘にも慣れてきました。不満は自由が丘にはお昼を気軽に食べられる所がない事。気取ったランチは数あれど、気ままな定食屋がないんです。もちろん1000円以下。唯一自慢できるのは自由が丘でパートの中にある「味よし」のお弁当。ここはオススメ。「味よし」ばっかりになっちゃっうもんだから、毎度!の声がかかるようになりました。お蕎麦が好きなんで週一で食べたいんですが、自由が丘にはほどよい蕎麦屋が見つからない。それでお蕎麦が食べたい時は九品仏の「おまた」に行っております。正直な味そして和みます。
そのうち自由が丘ランチ日記書かなくっちゃな。
さて2013年、だんだん平成が何年で二千が何年だかわからなくなりますね。毎度もがいて作る年賀状なんですが今年も苦しみました。そんでもがいてもあがいても決めきれず、二つ作っちゃいました…無駄だ。ほんで最初に閃いたのがコレ。

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今年もくるしいのでタスケテクダサ〜イな雰囲気がでていいかなっと自信もってたんですが、事務所で「なんか〜スピリチュアルっぽい」と言われガックし、スピリチュアルって苦手だし、ど〜しようかな〜と考えてるうちに次にピランと閃いたのがコレ。

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下のイラストは宛名面に入れました。ホームページのGUTTERもそうなんですが、真ん中がきらい。ヒネクレテるんで、まっとうなモノが好きじゃない。それで蛇足なモノこそ価値があると考えて、蛇足を描いてみたんですがどうですかね。説明すると(説明するようじゃダメですが)蛇の足があったんで実を食べられたという意味です。制作中にたまたま事務所にいらした方に、どうですか〜と鼻の穴広げて見せたら「恐竜?」って言われました。ふーっ、みなさまにとって良い1年になるよう願ってます。
2012年も相変わらず演劇のチラシのお仕事が多かったです。フリーになった頃は1年で10枚くらいはやりたいなぁと思ってたんですが、年々多くなってます。ありがとうございます。
2012年に上演された中から10枚。1枚選ぶとしたら「ヨージ単独ライブ」ですかね。日付の入れ方が気に入ってます。

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2012年に制作して2013年3月中までに上演される5枚。4月以降の公演でいま制作中のがすでに4枚あるし、今年は去年より多そうです。

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演劇に関わらずどんな仕事もやるのでドシドシ声かけてください。
今年もよろしくお願いします
タグ:味よし
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2012年12月13日

13日の妄想

何も咲かない
寒い日は、
下へ下へと
根をのばせ。

オレの根はどこへいったんだろうか?下へのばしてたはずが上へ行ったりグルグルしたり、アチコチからんじゃってるようです。根腐れしないうちになんとかしなければ…。この身にしみるお言葉は、事務所の近所にある九品仏の山門横の掲示板。今月の一言です。うまいこといいますわ。
仲代さんは今日12月13日が八十歳のお誕生日。おめでとうございます。かなりの古木ではありますが、まだまだ満開に花を咲かせる力は充分にあり、いつも準備も欠かさず下へ下へと根をのばされてます。来年2月に稽古場で行う公演があります。不条理劇の傑作イヨネスコの「授業」。鍛錬の場で行うわずか50席の舞台にはちょっと変わった花が咲きそうです。
しかし、12月13日が誕生日の俳優さんが多いのはなぜだろう。仲代さんはじめ織田裕二、妻夫木聡、瑛太、と主役級が並びます。なんでこの日に集中したのか、豪華すぎる!女子は誰かいないのかと探したら樋口可南子さんがいる。これ、合わせるとかなりの高額ギャラになりますが、13日生まれだけで映画が撮れますよ。そうなると14日が討入りだからやっぱり忠臣蔵かなぁ。吉良が仲代さんで大石が織田裕二?ちょっと違うか、堀部安兵衛が織田で妻夫木は力?力はもう無理か?瑛太はなんでも演れそう。上杉方の清水一学でもいいかも。出番が少ないか〜。樋口可南子は赤穂の奥方かな…う〜んちょっと面白くなってきた。となると監督がいるな…いたいた13日生まれの監督、井筒和幸。
いったいどんな忠臣蔵だ? 寒い日に下らないこと下らないこと考えるのもまた楽し。
 
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2012年11月19日

引っ越し先のトラブルにブルッ

引っ越し先は自由が丘。駅出たらひたすらどんどんまっすぐ、江戸っ子ならまっつぐ。オシャレなお店をチラチラしてる間に到着。ってことはなく、お店がすっかりなくなり不安になった頃に着きます。自由が丘においでの際はぜひお立寄を。

パン屋が目印
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しかし今回トラブルが多かった〜。まず引っ越しでプリンタサーバ用のパソコンの意識がなくなり、自分が使っていた椅子の足が壊れました。パソコンは代用を知り合いに譲っていただき事無きを得、椅子の方は引っ越し業者と交渉中。そんでやっと引っ越したと思ったら部屋のあちこちでトラブル勃発。まずトイレ、貯水槽にブルーレット入れたら思いもよらないところから一筋の青い水がチロチロ…おっ〜なんだこれは!ブルーレットならではの「天国と地獄」的水漏れ発見でした。ちょっと視覚的に鮮烈でした。その後も室内のガス栓は使えなかったり、電気のアンペアの問題があったり、酷く臭かったりしたんですが、ひとつひとつ直りました。直るっていいですよね。前住人はフランス人。壊れたままに使ってたんでしょうか…今見せたら「トレビア〜ン」ってきっと言うでしょう。
ほんで部屋が落ち着いたとこで最大の山場がありました。データ満載の外付けハードディスクのロジの意識がなくなったんです。どうやっても起きない。引っ越しの際に、もしパソコンがダメになるとヤバいからとデータを外付けに全て移し、それだけは業者じゃなく自分たちで運んだんですが、ドーンと裏目に出ました。そこには一番大事なもの、事務所のデータの半分が入っています。茫然自失とはこの事かも。とりあえずロジに電話すると復旧部門があり直せるけど10万くらいかかりますという恐ろしいお言葉。え〜どういう事ですか〜安全に保存できるのが最大の売りなのに、一方復旧部門で商売もするなんて。ほこたて両取りは納得いかん。保存がメインで復旧もやるならそっちはサービスでやってほしいです。結局これも復旧ソフトで意識を蘇らせ、なんとかなりました…ヤレヤレ。定期的なバックアップはやっぱり大切ですね。(と書いていても、のど元すぎちゃってまだしてない。やらなきゃ)

やっと落ちついてきました。
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事務所は自由が丘と威張ってますが、隣の九品仏駅の方が近いんです。その九品仏駅には隣接した浄真寺(3万6千坪)があり、今回の厄払いというわけではないんですが、紅葉してきた浄真寺の境内を抜けて通っています.これがとても気持ちがよく、清々しい気分になれます。この九品仏、文字とおり九つの仏様がいらっしゃることで有名ですが、オススメは閻魔様と大木。入ってすぐ右の閻魔堂にはと〜っても恐い閻魔様がおじゃり、ものすんごい形相で睨んでらして悪い事してなくても謝っちゃうぐらい。反省したい人はぜひ!
大木の方は100年クラスのがあちこちに林立してますが特にすごいのが天然記念物のイチョウ(樹齢300年)とカヤ(樹齢800年)。800年前って…鎌倉時代か…その頃自由が丘はどんなだったんだろう…本当の自由であったことは間違いないですね。
イチョウ                  カヤ
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