2013年07月02日

大学1年の時に下りた「富士山」

大学1年の夏休み、観光バスの車掌さんのバイトしたことがありました。ガイドのいらない簡単なツアー、つまり女性のバスガイドさんがいなくても大丈夫なツアー用の車掌さんです。泊まりの場合、男女だと二部屋とらなくてはいけないから、という事情もあるようですが、ルールで1人必要なようで、しかたなく男子学生バイトを付けてるんです。バス1台だけの小さなツアーが多いので運転手さんは毎回違います。どの運転手さんに当たっても、使えない上に話の合わない学生と一緒なんで機嫌は悪いんです。当たり前ですね。

仕事はと言うと、出発前の窓ふき、掃除、そそうがあった時の掃除(小学校の時はどんよりします)、駐車場内の誘導、などなど…
出発すると、ガイドはしないんですが、最初の注意のアナウンスはします。
「みなさま〜本日は○○急行観光バスをご利用いただきありがとうございます。…危険ですので窓から手や足など(ここウケるとこなんで、繰り返します)あ、し〜など〜出〜さないよ〜うにお願いいたします〜」
このお決まりがすんだら後は目的地までやることはほとんどありませんが、ここからが大変、ひたすら我慢地獄。なにが地獄って…眠らない我慢です。なにしろ座っているのが運転席横のちっちゃな折りたたみ椅子。真剣に寝たらステップに落ちるんで爆睡はできませんが、ここほど眠くなる場所はありません。180度に広がるピッカピカのフロントガラスの開放感はハンパなく、すてきな景色とともに七色に反射した太陽光線が一直線に差し込んできます。絶妙の暖かさ、ここはオヒサマ天国です。眠くなる場所選手権あったら間違いなく1位。猫だったら1秒で気絶しますよ。そこへもってきてブワ〜ンブワ〜ンと気持ちよく右左に大回りで揺られるもんだからモーレツに眠くなる。目的地までの数時間、眠いのを我慢するのが仕事といってもいいくらい。もちろん寝ちゃあいけません。でもウトウトします、で、運転手さんに怒られる。コックリします、怒られる。この繰り返し…。

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その日は富士山5合目見学の人達を乗せていました。いろんなところへ立ち寄った後、富士山でお昼だったと思います。バスが富士山に上りはじめた時です。気がつくと運転手さんの機嫌が悪いんです。こりゃあさっきウトウトしたんでまた怒られるぞと思い、気を引き締めどうにか寝ないで五合目につきました。
バスを降りると、やっぱり運転手さんが浮かない顔してます。
「どうかしたんですか?」
「ブレーキの調子がおかしい、効かなくなってる、上りはじめたら気づいた…」「えっ」
「近くにいるバスになんとか来て運んでもらうから、お客さんに説明してくれ」
ブ、ブレーキの故障。しかも富士山で…一大事です。
「どのくらいで来られるんですか?」
「2時間あれば…大丈夫だろう…ちょっと連絡する」
携帯のない時代だったので連絡も大変です。
近くにいるバスにピストン輸送してもらうわけですが、乗り換えるバスにもお客さんがいるんでそんなには早くこられない。結局、うちのお客さんには五合目に3時間くらいいてもらい乗り換えてもらいました。午後の予定はキャンセルになってしまい文句も言われましたが安全第一です。ともかくお客さんが山から下りられてよかったです。

みんないなくなってガラ〜ンとしたバスに運転手さんと二人残りました。
で、どうなるのオレ

「日曜日で近くの修理業者に連絡つかないから、東京の本社からきてもらうよ」
「ど、どのくらいで来られるんですか?」
「まぁ夜だな」「…」
夕方になると五合目は急に静かになりました。登山者は登っていなくなり、観光客は降りていなくなる。当然店は閉まる。まっ暗、本当にまっ暗。広い駐車場にはうちのバス1台残してすっかりいなくなりました。観光地が深山に変わりました。五合目とはいえ、さすがは日本一の富士山。真夏でも5時すぎると半袖では寒いです。その温度差に驚きました。しかたなくバスの中で時間つぶしていると、8時過ぎた頃だったか、運転手がホットコーヒー持って寄ってきました。
「降りるから…車がいないし…ちょっとやってみる」
「…」「ダメそうだったらやめるから…エンジンブレーキでゆっくりいけばなんとかなる。 修理するのにも下でやったほうがいいから」
「…」「大丈夫だって、危ないとこほとんどないから」
ほとんどでしょ…。とにかく下りることになりました。
「ひだり、よく見てくれ」
見ますとも見ますとも。折りたたみ椅子をバタンと倒し、しっかり身構えました。緊張しましたが不思議と危ない感覚はなかったです。
バスの重みを重力にまかせるように、ユルユル、ユルユルほんとに歩くくらいのスピードで降りました。30分か1時間か…とにかくゆっくりゆっくり下りました。対向車がこなかったのが幸いでした。
ただ乗ってただけですが、しっかり目を開いて注意だけはしました。

無事に降りると下に修理の車が待ってました。
「お、降りてきたの〜、上まで行こうと思ってたのに…」
「いや〜上は暗いし…下の方がやりやすいよ」
それから部品交換やらなんやらして宿に着いたら12時過ぎてました。
長い長い富士山の1日でした。

夏の間、それからも、いろんな運転手さんに怒られ起こされながら色んなとこへ行ったんですが、富士山の話をすると
「あれに乗ってたのか〜!」と一目おかれ「大変だったろ〜」と優しくされ、ちょっと仲間にしてもらえたようで嬉しかったです。
なにかと話題の富士山ですが、行ったのはその時だけです。
タグ:富士山
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2013年06月27日

高校1年の時に観た「ひこうき雲」

久々に映画を観に行きました。映画はつまらなかったんですが、始まる前の予告編で流れた曲が、不味い後味を忘れさせたばかりか、いまも頭の中でぐるぐるしてます。
荒井由実「ひこうき雲」

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初めて「ひこうき雲」を聴いた時は生でした。生なのにユーミンを知らなかったんです。高校1年の秋、当時で言う、ポップス通というか、かなりのユーミン好きの友達がうわずった声でオレのことを誘いました。なんでも近くにある大学の学園祭に荒井由実がくるというんです。
「行こうよ」「大学だろ…大丈夫?」「一般人も入れるから大丈夫だって」
誘われてもよく知らないんであんまし興味もなかったんですが、大学の学園祭、という言葉の響きにクラっとして「あ〜荒井由実ふ〜ん、いいじゃん行く行く」と知ったかぶりの背伸びして承諾。そのあとユーミンを知ってるヤツ、知らないヤツ、女子大生に憧れのあるヤツ、いろいろ誘って6、7人になりました。こちとら男子校なんで全員男子。授業の後なんで全員学ラン、ダサダサですわ。着くとあまりの華やぎに浮き足立ちました。浮いてたかも。そしてなんだか男子高校生の若気が至りに至って気が大きくなり最前列を陣取っちゃったんです。ユーミンよんだ大学生にとってはいい迷惑です。
その日は本当は石川セリさんと二人のコンサートだったんですが、セリさんが風邪で来られなくなり急遽ユーミン一人。石川セリさんの方は知ってたので始まる前はちょっとガッカリでした。
しばらくして「セリさんの分まで頑張ります!」という初々しいユーミンが登場して「ルージュの伝言」でスタート。

釘付けでした…良すぎて。とってもおニューなミュージックにやられました。途中ユーミンも最前列のおかしな学ラン高校生集団に気づきます。
「君たち大学生?」「高校生です」「なんでいるの?」な〜んていう会話があったり握手してもらったりなんだり…。
中でもクラックラにやられたのが「ひこうき雲」。帰りにはすっかりユーミン教崇拝者で、次の日には「ひこうき雲」のLPを買ってました。二つ折りで中にユーミンの大学時代の写真なんかが入ってました。
1年後、すっかりユーミン通の顔してコンサートに行った時の事です。2階席で観てたんですが、コンサートの途中でヤクザ風の男たちがドカドカドカっと数人乱入してきたんです。
「ヤメロヤメロ!」「オメーラうるせえんだよ」「キャ〜!」
「なんだお前らジャマするな」ヤクザと気骨あるバンドのメンバーと、つかみあい、もみあい。会場騒然。怒号が飛び交い、「やめてぇ〜」「やめてぇ〜」心配する悲鳴もあちこちから出ます。
どうなるんだいったい…と心配してたらだんだん暗くなって、一人消え二人消え、静かになって…気がつくとヤクザのリーダー風の男が一人残りピアノの前でユーミンと1対1。「えっナニナニ?」って観客全員思ったところで、ヤクザのピアノでユーミンが「ベルベットイースター」
ピアノがうますぎるヤクザは結婚する前の松任谷さんでした。

それから何年か何年かして聴かなくなり、またCDで買い直し聴いた時期があり、さらに何年か何年か忘れていたのに、思いがけず映画館で流れて高校1年の秋に引き戻されました。最後の かけーて は何度聴いてもドキドキします。…空を観よう、雲を観よう。
タグ:荒井由実
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2013年03月15日

3月15日。渋谷駅。

18年前の3月20日。渋谷に降りた時地下鉄は動いておらず、ため息。
その先でおきていたサリン事件をまだ知らなかった。
13年前の3月8日。中目黒で起きた脱線事故の何本か後に乗っていた。
片側がなくなった車両の横を静かに静かに過ぎて渋谷に降りた。
2年前の3月11日。恵比寿から池袋まで歩き、
また池袋から渋谷まで歩いて戻った。
渋谷でやっと動きはじめた最初の電車に乗れた。

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2013年03月07日

梅とカボチャ

かたくにぎりしめた拳の力がぬけるように、梅の蕾の気がゆるみ一気に咲いた。どこからいつ合図があったのだろう? 毎日着る服を間違えている自分より梅のほうがよっぽどお利口だ。
こういう暖かい日は自転車で事務所へ行く。もちろんマスク。家を出てしばらくいくと環八にぶつかり横断するんだが、ちょうど信号が変わったばかりで、だいぶ待つことになった。大通りの信号は不公平だ。
ふと横を見ると、なんともダンディなおじいさんが一緒に待っている。70は過ぎてるが80にはまだ間があるくらいか。老人のオシャレは気持ちも暖かくなる。チェックのハンチングにブレザー、マフラーもチェックだが右左で色違い。顔にはしわがしっかり刻み込まれ、積み重ね焼かれた深い色。ややレイバン風のメガネも顔にあってる。
ん、知ってる顔だぞ。彼がこちらを見た時に、お互いがわかった。駅へ向かう道沿いにある有名幼稚園の守衛さんだ。歩いて通う時は毎日守衛姿を見かけているんだが、顔にいつもの固さがなく私服なのですぐにはわからなかった。
「こんちは、…ダンディですね」「いえいえ」
「あったかくなって良かったですね」「ほんとうにねぇ」
「冬の間なんだか心配してたんですよ」「いえいえ」 信号が変わった。
「失礼します」「失礼します」
彼の私服を見るのははじめてだった。雨の日も風の日も雪の日も、彼はひとりガードマン姿で、部外者を寄せ付けない固い顔で門の前に立っている。半袖が長袖になりコートになりさらに厳寒用のオーバーになっても…。外に立っているのは寒いに決まっている。とても寒い日に姿が見えないと気になって幼稚園の中をつい見てしまう。そんな日はきまって彼の相棒のバスの運転手が一緒に門番している。二人でいると彼もおひさまにあたる場所にちょっとは移動できるのだ。少しホッとする。
話をしたのは2回目だ。1回目は3年くらい前だろうか、幼稚園の前が空き地になって草がボウボウ生えていた夏の終わり。いつものように幼稚園の前を通り過ぎ、ふと右側の空き地を見ると、空き地の隅っこにカボチャが成っていた。10cmくらいに育っている。鳥のしわざかな。こういう思いかけない落とし物は本当に楽しい。その日からカボチャを見るのが日課になった。グングン大きくなるのが楽しい。だが、都会の空き地はいつか終わりがくる。ある日通りかかったら、きれいさっぱり草が刈ってあった。そしてあの、あとちょっとで食べられそうになってたカボチャもなくなっている。敷地内にほんのちょっとのっかてるくらい隅にあっただけなのに…
なんだか腹が立って、なぜそうしたかわからないが、彼に無言でつめよった。
「お、オレじゃないよう」あとずさりして弁解する。
彼じゃないことはわかってる。そして彼もカボチャの成長を見ていた事も知っていた。不動産屋が売りやすくするため、見栄えを気にして刈ったのだ。
「仕事だからしょうがないが、人としてどうかな」「ですね」
それ以来だった。もちろんオレも部外者なんで、ふだん厳格に門を守る彼に話をすることなんてできない。次に話をすることがあるだろうか。
自転車をこいでいるうちに、おめかしした親子の集団を何組も追い越した。
あぁそうか、今日は卒園式だったんだ。
右も左も梅が満開の中ペダルを強く踏んだ。
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2013年03月01日

そのくらいは知っております

堤真一さんがめずらしく朝のビビる大木の番組に出た時のこと。誰だか忘れたがAKBの子が堤さんに放ったひと言
「AKBって知ってますか〜? 女の子がぁ いっぱいいるんですぅ」
…「そのくらいは知ってます」

ワタクシもそんなレベル?って思わされることがたま〜にあります。
何年前だったかなぁ。ちょっと前なんでもう書いてるかもしれません。あしからず。
たまたま渋谷のタワーレコードの前を通りかかった時の事でした。タワレコの前にワゴンが出ていてビートルズのCDを並べてました。デジタルリマスター版の発売すぐの頃だったと思います。お客さんは誰もいなくて、若い女性店員がひとり暇もてあましておりました。パッと見、デジタルリマスターの表示がなく、値段も高くなかったし、盛り上がりの低さから、もしかしたら昔のヤツの在庫整理なのかな?とも思い聞きました。
「これって古いやつですか?」
「えぇ、とっても古いですよ〜」 ニコニコした満面の笑み
…ビートルズは知ってます。

先日、近所の駅前にできたオシャレパン屋に行った時の事です。一目でフランス系とわかるパン屋さん。代官山にあっても良いくらいの品揃えとお値段。
その日はジャムとか塗って食べたかったので、普通の、中に何も入ってないパンが欲しかったのです。バゲットで良かったんですが、入口横にあるバゲットも奥にあるのもクルミやらヒマワリの種やらドライトマトやら入ってるし、ライ麦パンもイチジクやら何かしら入ってる。う〜ん困った。グルグルまわって食パンにするかなっとレジ前まできたら、ちょっと田舎風の何も入ってなさそうなのがある。
「これって普通のですか?」
「フランスパンになります」 ニコニコした満面の笑み
…フランスパンは知ってます。
タグ:堤真一
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2013年01月25日

トイレを出たあとひねり出すこと

だれんだーカレンダー ってダジャレがありましたが、ダジャレカレンダーといえばご存知御教訓カレンダー。かれこれ7、8年はトイレのなぐさみものとして飾っています。作品にひっかけたしょうもない記念日知識も楽しみです。もちろん引っ越しした自由が丘の事務所でも、しっかりトイレのドアの内側にぶらさげました。がっ今年は例年と違うことがひとつ。それははじめて事務所をあげて(大げさですが)各自、自信作を応募したのにも関わらず落選したということです。クヤシィ〜、本来なら、めくるたんびに自分のがいつ来るか楽しみだったのに…残念。
ワタシの自信喪失作
「ヨッパライに新橋ィを感じる」
事務所のSの自信喪失作
童話シリーズですって。
「マッチョ売りの少女」「わりとギリギリっす」
どっちもいけると思ったがなぁ。事務所内結論は出来不出来ではなく過去似たようなのがあったんだろうということにしました。
普段は全く忘れてますが、トイレに入るとリベンジしたくなり、頭をひねりひねり日々考えております。
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2013年01月19日

2013年は雪ではじまりました。

あけましてだいぶたちました。たってる間に雪の降る街になりました。雪道が危ないのはわかってますが東京にこれだけ降るとイベントです。何かしたくてしょうがない。ツルツルしてて危険なのはわかってるんだが乗ってみたくなる。雪のかたまりは蹴りたくなるし、ついガシャガシャしたくなる。で、やっぱり滑る。事務所のまわりもまだツルツルです。そんな自由が丘にも慣れてきました。不満は自由が丘にはお昼を気軽に食べられる所がない事。気取ったランチは数あれど、気ままな定食屋がないんです。もちろん1000円以下。唯一自慢できるのは自由が丘でパートの中にある「味よし」のお弁当。ここはオススメ。「味よし」ばっかりになっちゃっうもんだから、毎度!の声がかかるようになりました。お蕎麦が好きなんで週一で食べたいんですが、自由が丘にはほどよい蕎麦屋が見つからない。それでお蕎麦が食べたい時は九品仏の「おまた」に行っております。正直な味そして和みます。
そのうち自由が丘ランチ日記書かなくっちゃな。
さて2013年、だんだん平成が何年で二千が何年だかわからなくなりますね。毎度もがいて作る年賀状なんですが今年も苦しみました。そんでもがいてもあがいても決めきれず、二つ作っちゃいました…無駄だ。ほんで最初に閃いたのがコレ。

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今年もくるしいのでタスケテクダサ〜イな雰囲気がでていいかなっと自信もってたんですが、事務所で「なんか〜スピリチュアルっぽい」と言われガックし、スピリチュアルって苦手だし、ど〜しようかな〜と考えてるうちに次にピランと閃いたのがコレ。

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下のイラストは宛名面に入れました。ホームページのGUTTERもそうなんですが、真ん中がきらい。ヒネクレテるんで、まっとうなモノが好きじゃない。それで蛇足なモノこそ価値があると考えて、蛇足を描いてみたんですがどうですかね。説明すると(説明するようじゃダメですが)蛇の足があったんで実を食べられたという意味です。制作中にたまたま事務所にいらした方に、どうですか〜と鼻の穴広げて見せたら「恐竜?」って言われました。ふーっ、みなさまにとって良い1年になるよう願ってます。
2012年も相変わらず演劇のチラシのお仕事が多かったです。フリーになった頃は1年で10枚くらいはやりたいなぁと思ってたんですが、年々多くなってます。ありがとうございます。
2012年に上演された中から10枚。1枚選ぶとしたら「ヨージ単独ライブ」ですかね。日付の入れ方が気に入ってます。

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2012年に制作して2013年3月中までに上演される5枚。4月以降の公演でいま制作中のがすでに4枚あるし、今年は去年より多そうです。

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演劇に関わらずどんな仕事もやるのでドシドシ声かけてください。
今年もよろしくお願いします
タグ:味よし
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2012年12月13日

13日の妄想

何も咲かない
寒い日は、
下へ下へと
根をのばせ。

オレの根はどこへいったんだろうか?下へのばしてたはずが上へ行ったりグルグルしたり、アチコチからんじゃってるようです。根腐れしないうちになんとかしなければ…。この身にしみるお言葉は、事務所の近所にある九品仏の山門横の掲示板。今月の一言です。うまいこといいますわ。
仲代さんは今日12月13日が八十歳のお誕生日。おめでとうございます。かなりの古木ではありますが、まだまだ満開に花を咲かせる力は充分にあり、いつも準備も欠かさず下へ下へと根をのばされてます。来年2月に稽古場で行う公演があります。不条理劇の傑作イヨネスコの「授業」。鍛錬の場で行うわずか50席の舞台にはちょっと変わった花が咲きそうです。
しかし、12月13日が誕生日の俳優さんが多いのはなぜだろう。仲代さんはじめ織田裕二、妻夫木聡、瑛太、と主役級が並びます。なんでこの日に集中したのか、豪華すぎる!女子は誰かいないのかと探したら樋口可南子さんがいる。これ、合わせるとかなりの高額ギャラになりますが、13日生まれだけで映画が撮れますよ。そうなると14日が討入りだからやっぱり忠臣蔵かなぁ。吉良が仲代さんで大石が織田裕二?ちょっと違うか、堀部安兵衛が織田で妻夫木は力?力はもう無理か?瑛太はなんでも演れそう。上杉方の清水一学でもいいかも。出番が少ないか〜。樋口可南子は赤穂の奥方かな…う〜んちょっと面白くなってきた。となると監督がいるな…いたいた13日生まれの監督、井筒和幸。
いったいどんな忠臣蔵だ? 寒い日に下らないこと下らないこと考えるのもまた楽し。
 
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2012年11月19日

引っ越し先のトラブルにブルッ

引っ越し先は自由が丘。駅出たらひたすらどんどんまっすぐ、江戸っ子ならまっつぐ。オシャレなお店をチラチラしてる間に到着。ってことはなく、お店がすっかりなくなり不安になった頃に着きます。自由が丘においでの際はぜひお立寄を。

パン屋が目印
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しかし今回トラブルが多かった〜。まず引っ越しでプリンタサーバ用のパソコンの意識がなくなり、自分が使っていた椅子の足が壊れました。パソコンは代用を知り合いに譲っていただき事無きを得、椅子の方は引っ越し業者と交渉中。そんでやっと引っ越したと思ったら部屋のあちこちでトラブル勃発。まずトイレ、貯水槽にブルーレット入れたら思いもよらないところから一筋の青い水がチロチロ…おっ〜なんだこれは!ブルーレットならではの「天国と地獄」的水漏れ発見でした。ちょっと視覚的に鮮烈でした。その後も室内のガス栓は使えなかったり、電気のアンペアの問題があったり、酷く臭かったりしたんですが、ひとつひとつ直りました。直るっていいですよね。前住人はフランス人。壊れたままに使ってたんでしょうか…今見せたら「トレビア〜ン」ってきっと言うでしょう。
ほんで部屋が落ち着いたとこで最大の山場がありました。データ満載の外付けハードディスクのロジの意識がなくなったんです。どうやっても起きない。引っ越しの際に、もしパソコンがダメになるとヤバいからとデータを外付けに全て移し、それだけは業者じゃなく自分たちで運んだんですが、ドーンと裏目に出ました。そこには一番大事なもの、事務所のデータの半分が入っています。茫然自失とはこの事かも。とりあえずロジに電話すると復旧部門があり直せるけど10万くらいかかりますという恐ろしいお言葉。え〜どういう事ですか〜安全に保存できるのが最大の売りなのに、一方復旧部門で商売もするなんて。ほこたて両取りは納得いかん。保存がメインで復旧もやるならそっちはサービスでやってほしいです。結局これも復旧ソフトで意識を蘇らせ、なんとかなりました…ヤレヤレ。定期的なバックアップはやっぱり大切ですね。(と書いていても、のど元すぎちゃってまだしてない。やらなきゃ)

やっと落ちついてきました。
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事務所は自由が丘と威張ってますが、隣の九品仏駅の方が近いんです。その九品仏駅には隣接した浄真寺(3万6千坪)があり、今回の厄払いというわけではないんですが、紅葉してきた浄真寺の境内を抜けて通っています.これがとても気持ちがよく、清々しい気分になれます。この九品仏、文字とおり九つの仏様がいらっしゃることで有名ですが、オススメは閻魔様と大木。入ってすぐ右の閻魔堂にはと〜っても恐い閻魔様がおじゃり、ものすんごい形相で睨んでらして悪い事してなくても謝っちゃうぐらい。反省したい人はぜひ!
大木の方は100年クラスのがあちこちに林立してますが特にすごいのが天然記念物のイチョウ(樹齢300年)とカヤ(樹齢800年)。800年前って…鎌倉時代か…その頃自由が丘はどんなだったんだろう…本当の自由であったことは間違いないですね。
イチョウ                  カヤ
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2012年10月16日

事務所移転のお知らせです

事務所を引っ越します。こんどは自由が丘のはずれです。
恵比寿には13年もいたのでやっぱり寂しいですね。最初の事務所はボーリング場の坂を上がりきった所でした。そこの四階の窓からは、近くにある宝塚の宿舎の屋上が見え、晴れた日には何十枚もの乙女の布団が干され、パタパタされてました。たくさんの汗と涙が乾かされリセットする瞬間かも。スターになるのは一番水分出した人なのか、いっさい出さないカラカラな人なのか、そもそもスターさんはあそこにはいないのか。そっちは疎いので謎です。
ちっちゃな事務所でした。当時、フリーになったばっかりなんで用心してこぢんまり始めたんですが、こぢんまりすぎて1年だけで出ました。こぢんまりっていい言葉ですね、音がカワイイ。カワイイけどやはり狭かった。打ち合わせした時なんですが、相手が玄関横のトイレのドアの前になってしまい、「こんなに入口?」と言われました。そんな事をきっかけに、楽園ビルに移りました。楽しい園、この魅力的な言葉の由来は、前オーナーがかつて中華屋をやっていたからだそうですが、いい名前ですよね。ラクエンという響だけで期待が持てます。お中元の時の事です。そのころいた事務所のデザイナーのIが「楽園から届いた感じにしましょうよ」というのでパパイヤだのマンゴだのバナナだの送ったんですが無反応でした。世間はそれほどビル名に関心がないようです。「いちいち切らなきゃいけないから食べにくいよ〜」というご指摘もあり…。
今度はメイプル通りのメイプルハウスだけどメイプルにこだわらないようにしなくっちゃ。お仕事のご依頼はいつでも待っております。あと下の階のパン屋さんが美味しいのでパン屋さん目当てで遊びに来てください。
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2012年10月07日

大滝ひでじさんの耳たぶ

昔っからとっても好きな俳優さんだった。思いだすのは倉本作品。特に「前略おふくろ様」の桃井かおりさん(恐怖の海ちゃん)のお父さん役が強烈だった。酔っぱらってて怒ってて恐かった。それ以来映画やドラマで発見すると嬉しくなった。だいたいが曲がったことが大嫌いな役。相手を諭すように話すあのかすれ声がたまらなかった。そしてなぜだか、ひでじだかしゅうじだかわからなくなる。なぜだろう。
大滝さんのもうひとつの顔は舞台俳優、劇団民藝の代表だ。仲代さんが奈良岡さんと共演した、無名塾と民藝の合同公演「ドライビング・ミス・デイジーに参加した時のこと。稽古場が民藝だったので、民藝になんどか出かけた。仲代さんと奈良岡さんの稽古を見るだけでも恐れ多いんだが、これは生ひでじに出会えるチャンスでもある。もしかしたらと期待して、行くたびにキョロキョロしていたが残念ながら会うことはできなかった。会えなかったが稽古場は興味深かった。古い稽古場というのは稽古場自体の存在感が強い。俳優の積もりに積もったエネルギーを宿しているからかもしれない。大滝さん、宇野重吉さん、奈良岡さんなど多くの民藝の俳優の何十年分の研鑽のエネルギーが放たれずそこにあるからだろう。不思議なもので、きれいな新しい稽古場では感じられない。気のせいだろうが、こういう気のせいを大事にしたい。
ドライビングの稽古も終わりいよいよ本番がせまり劇場に入ってからの事だった。一段落してホールをブラブラしていると、なんとなんと大滝さんがいらっしゃるではないか?「おぉ生ひでじぃだ」ドキドキする。聞けば最終稽古のゲネプロを観にきたらしい。緊張する、直視できない、チラ見だ。しかし、なんといっても憧れのひでじが目の前にいるのでまじまじ見たい。そんなこんなで柱の陰でにじにじしてると、なじみになった劇団員の女優さんが声をかけてきた。
「耳たぶさわってあげてください」「えっ」「耳たぶを、こう両手で持って下に引っ張ってあげてください。喜びますから」「ええっ」
そんなことが大俳優にできるわけがない。ヤギじゃないんだから…。まごまごしていると、その人はひでじぃの背後にまわるやいなや両手で耳たぶをつまみ、優しく下へスイングさせた。見るとひでじは目を閉じ恍惚の表情になってほんとに気持ちよさそうだ。「ホホホフォー」「ホホホフォー」驚いてジッと見てると、彼女が右手を離し手招きをしてるではないか? いや〜無理無理。 え〜いや〜無理。絶対無理。
耳たぶにはさわれなかったが、この公演で縁が出来て大滝さんの晩年の舞台作品を何本か観ることができた。やっぱりよかった。ほかにはいない、唯一無二の俳優さんだった。今度「前略おふくろ様」を見直してみようかな。
タグ:大滝秀治
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2012年07月25日

16年前のオリンピック

いよいよロンドンオリンピックが始まります。楽しみですねぇ。こどもの時からオリンピックがもう〜大好き。日の丸に心ときめきます。右ではないし、どちらかといえば反体制なんですけどね。いきなりものすごい事いいますが、何にも努力もしなかったし運動さっぱりだったけどオリンピック出たかったなぁ…何の競技でも。
前にも書きましたが、なんと、いとこがパラリンピックに出ます。楽しんできてください。
http://gutter-info.sblo.jp/article/46661593.html?1343982550
最近はあんまり出かけなくなりましたが、スポーツ観戦することが大好きなんです。サッカーとか野球とかメジャーなものから、相撲、ラグビー、テニス、陸上なんでも好き。アメフトだけは競技がいまひとつ理解してないのでごめんなさい。とにかくテレビで観るのも好きですが、生観戦も好き。これはお芝居を好きなのと共通することなのかもしれません。刹那の魅力ですね。その観戦の頂点がオリンピックです。
もう16年も前ですが、行きましたよ、アトランタ。ツアーで申し込むと、高くて見られる競技も一つ二つと少なく限られてるからつまらない。そのくせ余計なものとセットだったり。オリンピックとニューヨークとかね。オリンピック観た後ニューヨーク行っても落ち着かないっすよ。なにしろ朝から晩まで、オリンとピックにまみれたいんです。そこで大変でしたが飛行機と宿だけとって、主な観たいチケットはアメリカのダフ屋から買いました。高かった〜。でもツアーで行くよりはるかに安いんです。松中、井口なんかが出てた野球、前園、中田なんかのサッカーは現地で買うことにしました。何万人も入る球場の日本戦なんか誰も見ねぇと考えたからです。案の定それらは定価かそれ以下の1000円くらいで買えましたよ。なにせ16年前。まだ若くて体力もあったから、朝水泳、昼バスケ、夜野球みたいなはしごオリンピック。観るトライアスロンですわ。

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こんな事がありました。行く前からテンション上がってて、ペンタックスの一眼カメラ買って持っていったんですが、なんと1日目の水泳会場で壊れてしまったんです。あまりのことに怒り心頭。ともかく国際電話でペンタックスのお客様相談室に電話しました。すると、の〜んびりした調子の女の子が出て「どうされました〜」ゆる〜く喋ってくるんで、カチンときてちょっとキツい口調で「オリンピックを見に今、アメリカのアトランタにいるんですが、この為に買ったカメラが壊れました」というと、あわててる様子。すぐえら〜い人が出てきました。まぁ文句は言うけどどうにもならないんだろうなと思ってたんですが、その人「申し訳ありません。とにかくせっかくの写真が撮れないのは大変なんでカメラをすぐ買ってください」と言うんです。「えっ」「同じカメラはありませんが、そこからまっすぐ行って…どこそこに…ペンタックスのカメラを扱っている店があるんですぐ買っていただけますか、どのカメラでもけっこうです。帰国されてからフィルム代金なども含めて弁償いたします」まるでアトランタにいるかのように道順まで説明してくれました。そのすばやい対応と即決にホレボレしてカメラが壊れた怒りはなくなって最後にはお礼を言ってました。いるとこにはいるものです。
あ〜恥ずかしい思い出もひとつ。女子バレー観た時の事です。会場でニッポンチャチャチャを思いっきりやりたかったんですが、会場に行くと日本人がいない。オリンピック出場が最後の最後に決まったんでツアーが間に合わなかったんです。パラパラと家族とダフ屋組がいるだけ。最初は静かに観てたんですが、そのうち試合が拮抗してきて羞恥が心がズドンと落ちたんです。ハンズで買ったでっかい日の丸振るわ、モトコ〜!って叫ぶわ、チャチャチャやるわ、一番前の方の高い席が空いてたんでしゃしゃりでて大応援しましたよ。そのかいあって勝ちました。大満足。恥ずかしかったのは帰ってから。その日、日本が勝ったのがその試合だけだったらしくNHKのニュースというニュース、オイラの顔が大映し。オイラの顔からニュースが始まったようです。トホホ 愉快で楽しいロンドンの皆様お気をつけあそばせ。
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2012年05月23日

金環日食の前日

梅が香り、蕗の薹が顔をのぞかせ、桜を見上げ、蕗が傘を広げ、ツツジが騒ぎはじめ、緑はグングン街中を覆いつくし、日陰はドクダミの天下になり、やがて紫陽花が雨を連れてやってくる。いまはジメジメ前の爽やかを肌で感じられる季節。ひたすら明るさを求め広げていくのが1年の前半。折り返しまで太陽がしっかり後押ししてくれる。
これが毎年の事。あたり前だった、移り変わりの大切さや不思議さを感じる気持ちは年々深くなる。イレギュラーがあると尚更だ。
173年ぶりの日食がそうだったんだが話はその前日、季節というより人の話。およそ15年ぶりくらいにバッタリ古い仲間に会った。20〜24の間は毎日のように会ってたヤツだけど、15年前一言交わしただけでその前もずいぶん会っていない。彼が役者やレポーターやりながら、師匠の飲み屋を手伝っているのは知っていた。24くらいから現在にいたるまでで2度目、日食なみだ。

上野の居酒屋「たる松」の2階の白木のカウンター。カウンターのUの字のカーブとカーブ、1メートルの至近距離。目の前の顔が気になり思考が止まる。頭の中の記憶のファインダーがズームを合わせる。3秒。
「あっ」思わずカウンター叩いちゃった。犯人見つけた刑事かオレは。
「おっ、おい!」「やっぱり」「これは何かね?」「上野よく来るの?」
「いや、何年かぶり」「そっちは」「オレはよく飲んでる」
「何かあるな」「どっちか死ぬんじゃない」「ほんで何年かしてから片方が知ってあとでビックリするんだよ あの時オレ偶然会ったんだよ」

「あいつどうした?」お互い連れがいたんで気づかいながら、昔の仲間の現在確認とくだらない思い出話でくすぐりあう。
すっかり忘れていたが参宮橋の飲み屋の話が面白かった。彼やモロ、下等なんかと飲んで、いざ会計となったら皆お金がない。貧乏だったこともあるし、誰か持ってるだろうとお互いが高〜くくってたこともある。さぁどうしよう、昔のことでクレジットカードなんて持ってないし銀行はとっくに閉まっている。免許証置いてって明日誰かが持ってこようか、なんて話にもなり酔いも醒めてくる。とにかくチャリ銭全て出して計算しようということになり、皆でポケットというポケット、鞄の底という底探して5円、1円まで出したら、なんとかなった。お店の人はイヤな顔したが、なんとかなった。なったが文字通り1文なしなんで家に帰れない。どうする?歩いて帰るかってションボリ話してトボトボ歩きだしたら、一緒に飲んでたYせさんが、じゃッと言って終電迫る駅に消えていくではないか。
アレッYせさん、電車賃持ってたの?って聞くと一言「えっ別じゃない」

次の日の朝、紙で出来た安っぽいメガネをかけて、太陽見てたらこみあげてきて思い出し笑いした。太陽は皆が集めた硬貨のように光ってた。
「別じゃない」のYせさんや皆を誘って彼のいるお店に飲みに行こう。
タグ:たる松
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2012年05月18日

ツィやらフェやらミクやら携帯やら

どうもつぶやきってヤツが苦手です。読むぶんには楽しいんですが、その場でフッとは言えない。その場で写真撮って何か言うのも苦手。まぁそこまでって思うのと文章がへたなんで持ち帰らないと書けない。持ち帰ったら持ち帰ったでテンションが下がり、まぁそこまでって思っちゃう。だから日記もすぐに書けない。すぐに書かない日記は人に見せるのに鮮度が落ちてしまうし、そもそも日記ではなくなってしまう。つぶやける人ウラヤマシイです。なのでツィッターはやってない。フェースブックは仕事的には活用した方がいいんだろうけどどうもモチベーションがあがらない。フェースブックは入っていてたまに見るんだが複雑でよくわからないのと、あの「あなたのお友達ではないですか」「お友達が待ってます」「お友達の申請…」がちょっと苦手。昔の人に思いかけず出会うというスゴく嬉しいこともあったんだけど、そんなに仲良くない人に自分の普段を逐一知らせなくっちゃいけないようで、なんだかノレない。たぶん食わず嫌いで、ちょっと勉強すれば面白いんだとは思います。そこいくとミクシィはそこそこやっています。日記はほとんど書かないけどMLB関係のコミュに入っていて、毎日のようにあ〜だこ〜だやりあってます。それは試合途中でも書き込んだりしてるんで、言ってみりゃつぶやいてるわけなんです。それが出来るならつぶやくOKじゃんって言われたらぐうの音も出ない。ぐうの音っていいですね。言い負かされてぐうって言ってる人になりたいですわ。
ミクシィ入ってちょっとイヤだったのはハンドルネーム。自分も最初はミクシィの人達と会う事なんて考えてないんで、おもしろ半分いやおもしろ全分で茶柱立男(チャバシラタテオ)って名でやってたんです。書き込んでいただいた人に「ご利益ありそ〜」なんて言われて調子こいてました。それが、それがですよ、どんどんミクシィの人達と仲良くなって一緒にスキーに行くことになったんです。それが赤っ恥の始まりでした。駅とか往来で「茶柱さんってこんな人だったんですねぇ」なんて大きな声で言うもんだから、「シィー、いやイチカワでいいですよ、イチカワにしてください、シィー」って周りを気にしながらエヘラエヘラしてました。そしてゲレンデでの事です。
みんなにイ・チ・カ・ワでって酸っぱくなるほど言ってたのに、ミクシィにどっぷり浸かった御仁が、ゲレンデはしっこからでっか〜い声で呼ぶんです「茶柱さ〜ん、こっちこっち〜!」「茶柱さ〜ん!」スノボのカップルは振り返る。リフトのカップルも覗き込む。またゲレンデの反響音がスゴいんだ。「茶柱さ〜ん!さ〜ん!さ〜ん!」「茶柱さ〜ん!」あ〜まだ呼んでる…その茶柱、倒しちゃってください。中学生以来顔が赤くなりましたわ。速攻名前も変えました。すべてのご利益は吹っ飛んだと思います。
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2012年05月07日

似顔絵じゃない日暮さんの絵はビッグセンス

ビッグコミックの表紙を40年に渡って描かれていた日暮修一さんが先月亡くなられました。優しい笑顔が浮かび寂しいかぎりです。今は別の方が描かれていますが、どーも今ひとつピンとこない。ユーモアセンスが違うんですね。日暮さんとは5年くらい前に1度お仕事をしました。無名塾公演「ドン・キホーテ」の表紙。仲代さんを描いていただいたんです。その時の打ち合わせで、青山の自宅兼仕事場に何度かおじゃましました。オシャレです。玄関横のスポーツカー、部屋のインテリア、数々のJAZZCD。ご本人もすごくダンディ。センスの良さがあちらこちらに出てました。それとお芝居がすごくお好きな方。大阪、京都をまわって何本もお芝居を観る、はしご観劇の旅行なんかも行かれててビックリしました。自分がやってるテアトル・エコーもお好きで、よくご夫婦で観劇されてたようでした。片足がちょっと悪かったので、エコーなら席の融通がきくので連絡くださいと言ったんですが連絡はありませんでした。そういう事が嫌いだったのかな。そこもダンディですね。いつか熊倉さんを…とお願いしたら、ぜひ!と言っていただいてたのですが…かなわず…やりたかったです。
「ドン・キホーテ」はビックコミックほど頭が大きい極端なデフォルメをしないけど、ややコミカルに、少しデフォルメをしてくださいとお願いしました。いつもの3頭身を5頭身くらいのイメージです。こういうリアルなイラストの場合、先日のホブソンほどではないですが、出来上がりの近い状態や表情の写真を先に撮ります。それで撮影した後、写真を見ながらタイトル位置など打ち合わせして進めます。
描き上がった絵はB2サイズ、ストーリーが絵の中から訴えてくる素晴らしい出来です。

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リアルな似顔絵じゃない絵というのはその時の事です。「こんなのも描いてみたんだよ」と出してくれたのがコレ。

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風車を前にすくむドン・キホーテとサンチョ。唸りました。思わず、力作を前にして、これでポスター作りたいです。と言ってしまったほどです。そこにベン・シャーンにも通じる飛び抜けたセンスがありました。さっそく仲代さんにお見せしたらスゴく気に入ってもらい、これで何かやろうという話が持ち上がり、Tシャツを作ることになったんです。お芝居ものには珍しいセンスが良い誰もが普段も着たいTシャツ。お客さんはもちろん、スタッフやキャストにも大好評で、自分で何枚も買う人もいました。卓越した技術で描くビッグコミックの似顔絵と飛び抜けたセンスを持ち合わせた日暮さん、もっと一緒にお仕事したかったです。
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2012年04月13日

「ふきだす絵本」てんぱってきました。

普段はお芝居のポスターやパンフレットの仕事が多いんですが、お芝居そのものにも関わっているのがひとつあります。それが「夢知無恥ぷれぜんつ」。制作をやってます。やってるっていばるほどの事はしてないんですが、表の裏方全般です。チケットの事とか、お金の管理とか、宣伝とか。もちろんチラシなんかは自分でやります。イラストはいつもほししんいちさん(あの?じゃないですよ)。へっぽこなオヤジ描かせたら天下一品。最初ラフでオナラしてる女子高生が3人もいたんで2人に減らしましたよ。もぉオナラとか好きなんだから
…え〜そんなことではなく

今度のヤツがこれ
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「ふきだす絵本」…ん〜ふきださずにオナラだけだと「へりだす絵本」か「だす絵本」…オナラから離れます。最近本業の方も忙しくてなかなか稽古を見にいけてないんですが、小耳にはさんだところによると佳境です。なんたって来週19日から本番なんです。あ〜14.15.16.17.18…あと5日しかないよ〜キャスト、スタッフみなさん体調に気をつけて頑張ってください。オレも小道具やらなきゃなぁ。いつも小道具とか、美術のお手伝いもほんのちょこっとしております。
「ふきだす絵本」の中身なんですが、笑いの中に愛があります。大笑いしながら胸がつまります。プッとふきだしながら、近くにいる人の手をつかんでいる。そんなお芝居です。笑いながら愛を感じる人になれるチャンスです。初日とか金曜日はお席に相当余裕があります。荷物があっても大丈夫。あと、そんじょそこらの小劇場ではお目にかかれない美人揃いの夢知無恥女性陣。ビックリしますよ、オナラでちゃうかも…。え〜かぶりつきで観たい人は平日がオススメです。一番前でオナラはなしね。土日も今なら席があります。ぜひ! 
19日19時、20日19時、21日14時・19時、22日13時・17時
恵比寿・エコー劇場 ご予約は090-8054-6849(10:00〜18:00)
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2012年02月16日

淡島さんが拾ったバレーボール

淡島千景さんがあちらへ行かれました。ちょっと前ですが、仲代さんの役者生活60周年の企画をやるのに、仲代さんが出演した昔の映画の写真をとことん探していました。その中の共演者との写真に「ちょっとこれ誰?」って思わず手をとめて周りに声かけちゃうくらいのバツがグングンの美女の写真を見つけました。それが淡島千景さんです。ハンパない美女光線放ってました。宝塚の大スターで、扇千景さんも淡路恵子さんも彼女のファンだったために字をいただいたそうです。凄いですね、さらに手塚治虫も大ファンで、リボンの騎士のサファイアは彼女がモデルだそうです。どこかけれん味と品のある女優でした。最近の作品だと「大停電の夜に」の過去のある奥さん役、「春との旅」のお姉ちゃん役もよかったなぁ。
でも、今回淡島さんについて書きたかったのは女優の話ではありません。ずっと前に波瀾万丈系の番組で知った、彼女が個人で持っていた社会人バレーボールチームのことです。個人でですよ。
遡ること48年前の1964年、今上映中の「三丁目の夕日 64」でもとりあげている東京オリンピックが、この年開催され日本中が湧きに湧きました。中でも回転レシーブで有名な東洋の魔女、女子バレーボールチームは激闘の末金メダルを勝ち取り、日本中が湧いた頂点にいました。
当時、淡島さんは新聞社の依頼でバレーボールチームの観戦記を書いてたそうです。それが金メダルとっちゃって、それはもう大喜び。うれしいもんだから祝賀会で、つい選手達に家に遊びにいらっしゃいと声をかけちゃったそうです。選手は選手で大スターにそんな事言われたもんだから、大喜びして大挙しておしかけちゃった。そして、そのままなんでだか何人かが合宿することになったそうです。
昔のスターは違いますね。バレーを離れてみると、選手たちはバレーばっかりしてたんでどこにも行ったことがない。バレー漬けで遊びを知らなかったんで色んな事経験したくなったんでしょう。そこで大きなポケットをお持ちの淡島さんが色々連れてったり、京都見物させたりしたそうです。しかしおかしなもので、遊んでいるとまた、バレーの虫というヤツがむくむく出て来ちゃう。今度は国体に出たことがないので出たいと言い出す。みんな若い頃からナショナルチームに入ってるんで国体なんか出たことがなかったんでしょうね。ワガママといえばワガママ。でも淡島さんにとっちゃあそんなワガママ屁でもない。じゃあ出てみようという事になった。国体に出るにはチームをつくらなくちゃ出られないんで、淡島さん個人がオーナー、マネージャーで「富士クラブ」というチームを作っちゃった。すごいもんです、昔のスター。ポケットの大きさが違いますよ。国体って県の代表なんだから東京のチームで予選からやったんでしょうかねぇ。ちょっとそこんとこ忘れましたが、もともとメンバー全員東洋の魔女、少し遊んでブランクあったって世界の金メダルなんで国体なんてお茶のこサラサラ。あれよあれよと勝ち進み優勝しちゃった。国体優勝チームのオーナーが個人なんて、なんてカッコいい事。自分のチームが優勝するって楽しかっただろうなぁ。
淡島さんに合掌、いやトス!

タグ:淡島千景
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2012年02月14日

今頃やっとなんですが…

テレビとかダラダラ見聞きしていると、CMとか番組のどーでもいいとこなんかで、突然以前どこかで聞いた曲が流れてきて「あ〜なんだったっけ、なんだったっけ」と、、ここまできている状態になる事がママあります。ここまできているって、ほんとにあとちょっとで思い出しそうなのかな? そのヒネリだす時、脳はどうなってるんでしょうか、気になります。先日もそのなんだっけ〜になりました。ヒネリだす過程で「なんか映画だったぞ」っていうのがあって、しばらくして思いだしました。
「BABEL」に使われた坂本龍一さんの曲でした。

https://www.youtube.com/watch?v=DHUMsNRvEIs

「BABEL」は菊地凛子さんので話題になりましたが、いい映画です。ワタシはどちらかというと日本人以外の部分が印象に残っています。 ゲオで50円なんかで借りられたりするから、ここんとこ見境無く映画を観るようになりましたが、シーンが頭の中に住み留まる映画って少ないですね。年々少なくなりますが「BABEL」はまだ住んでいます。巧妙に編み込まれた時間軸の中を、負の連鎖が重く進んでいく辛い話。いい映画です。
曲の方は95年に発表された「Smoochy」というアルバムに入っている「Bibo no Aozora」でした。「美貌の青空」っていうタイトルがステキですね。詞もいい。アイドルばっかりやってるイメージの売野雅勇さんの作。みてろ〜みたいな感じですか、センスがいいです。今回使われたのは歌なしの「/04」に収録されたトリオバージョン。その名の通り12年も前の2004年のアルバム。このチェロが凄いです。アナログじゃないみたいです。

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95年に発表された曲が、2004年にトリオになって、それを気に入った人が2007年に映画に使い、2012年にやっと見つける。今頃ですか?って言われてますね。
さっそくアマゾンで「/04」買いました。Rain、Merry Christmas Mr. Lawrence、Riot in Lagos、Asienceなど聞きやすい名曲ぞろいです。でもやっぱり「Bibo no Aozora」今日のような美貌も形無しの曇天によく合います。
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2012年02月09日

「このへんでドロンします」

ニュースでdrone(無人偵察機)という言葉を見た時、ドロンしますがすぐ浮かびました。英語でも無人。日本語でも消えちゃう事。言葉は不思議です。雄バチやハチの飛ぶ音もdroneだそうです。ハチの飛ぶ羽音はドロンドロンとは聞こえないなぁ。やっぱりハチはブンブン。さて「このへんでドロンします」、これは7年くらい前に企画出版した本のタイトルです。

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内容は「このへんでドロンします」に代表されるユル〜い死語フレーズをバカバカしくまとめたもの。死語ってのがイヤなので、へっぽこフレーズとしました。へっぽこフレーズをイラストと解説文で紹介するくだらなくって空いた時間にすぐ読めちゃう本です。

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イラストはバカドリルなど脱力くだらな系の王様タナカカツキさんにお願いしました。
ラフな線がいいですね。 タナカカツキさんはいまもその道で大活躍です。(最新作のサ道とはサウナ道のこと)
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へっぽこフレーズとは、「俺、ひょっとしておじゃま虫?」「おまえの母ちゃんデベソ!」「美容室でパーマあててきちゃった」「だってもあさってもない」「さよ、おなら」「ウチのワイフの手料理、どうです」「あの娘にほの字だろ」「俺、ひょっとしておじゃま虫?」「おととい来やがれ」「あっ社会の窓があいてる〜」
などなど…いまの30代後半〜50代前半にはこたえられない懐かしいユルいフレーズのことです。いまの20代はなんのことやらだし、60才以上は日常会話なんで面白さがわからないでしょう。「シミーズ」「えもんかけ」「バンド」「帳面」などのへっぽこ単語も載ってます。
こういうゆる〜い言葉ってまだまだどんどん使うべきですね。例えば電車の中でうっかり居眠りしちゃったおじさんの、チャックがうっかり全開だった時、近くに女子中学生が群れてでもしたら大変です。「しんじられな〜い」「キモ〜イ」といった罵声が容赦なくオジサンの薄くなでつけた頭に降りかかっちゃうことでしょう。電車内が変態、痴漢出現で大パニックです。
こんな時誰かが「社会の窓があいてますよ」と軽く一言かけてあげれば、中学生のカワイイ「クスクス」ですんじゃいます。「社会の窓」なら誰でも躊躇なく声に出せるでしょう。おじさんもうっかりミスで済み、そのテレ笑いで逆に電車内の緊張がほぐれ明るくなります。なるかもしれません。…たぶん…おそらく。
ミスといえば、この本が出版された時、ラジオの声がかかって「吉田照美のやる気マンマン」の新刊本紹介のコーナーに出た時のこと。ここでうっかりというか大ミスをしたんです。自分の出演時間になって吉田さんと小俣さんのいるスタジオに入った時、調子にのって「おじゃま虫しま〜す」といって入ってしまいました。あっちゃ〜。スタジオが−5°下がりました。ああいう情報もののラジオって秒刻みなんで台本にない事やるとダメなんです。毎日本紹介してるから今日の本を細かく読んでる暇なんかない。それから20分…長かったなぁ。
いま改めて読み返すと、やはり愉快で愛すべきへっぽこフレーズの数々ですが、へっぽことして笑える言葉だったのが、ただ懐かしいだけの言葉に変わっているものが多くありました。実際にへっぽこフレーズを使ってた時代が遠い過去になってしまったせいでしょう。自分たちの世代が、下から笑われる、ネタにされるフレーズを持っているのかな?へっぽこフレーズが豊富だった世代がうらやましくもあります。
タグ:ドロン
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2012年01月09日

デザイナーになる前にした仕事 その2

昨日見た友人の日記に「365歩のマーチ」のインド版の話がのっていました。それはそれで面白かったんですが、「365歩のマーチ」という言葉を見たとたん、頭のどこかに隠れていた遠い昔の記憶が、急にワンツー、ワンツ−と蘇ってきたんです。
大学を卒業してすぐの22か3の頃。その当時は登録制のタタキの仕事をしてました。タタキとは大道具のバイトの事で、舞台や展示場、テレビなんかに必要な人工としてその都度駆り出されるんです。今考えると酷い話なんですが、能力関係なく呼ばれるので、素人のオレが間違って、出来る人として現場に呼ばれ、なにも出来ずにご迷惑かけることもしばしばでした。

少し肌寒い…秋だったかな、その日も間違ってこれ以上ない大舞台に呼ばれました。現場は芝の郵便貯金ホール、水前寺清子さんの初リサイタルです。20年近くの歌手生活でなぜか初めてリサイタル。楽屋と舞台裏方には朝から緊張感漂ってました。演歌歌手として一番人気があった時、紅白ならトリでしょう。大スターです。オレはというと上手の袖の雪ふらしの綱元係とドライアイスの筒先担当を言われ、やった事もないのでドギマギしてました。その時、水前寺さんにも水前寺さんの歌にも全く興味がなく、ないというより演歌は嫌いだったので与えられた仕事を無事こなす事だけを考えて準備していました。
夕方の開場の時間になって、ザワザワと観客が入ってきました。緞帳の中からでも熱気が伝わってきます。舞台上もあわただしくなってきて、舞台監督さんたちが右往左往してます。オレはやる事がわからないので袖の片隅でジッとしてると、平台で作られた着替え用のスペースから水前寺さんがタキシードで現れました。
「アタシがこんな格好っておかしいよね、ハハハッ」
「い、いえ」
「はじめてだよ〜こんなの〜いつも着物だけだもん」
と言いながら通りすぎていく水前寺さんは楽しそうです。
そうこうするうちに2ベル1ベルが鳴り終わり、開演時間になりました。
緞帳前で司会が始まります。司会はあの名調子の玉置宏さん。
最初の曲はもちろん「365歩のマーチ」演奏はダン池田とニューブリード。
悪魔の遠吠えのような、ドスの効いたものすごい声が聞こえてきます。
「ヂーダー」「ヂーダー」なんだ?「ヂーダー」って
あっチーターか、だ、だ、誰が、この低い声は男?女? 
こっそり袖から客席のぞくとビッシリ埋まったご年配の女性軍。
その1500人あまりがいまかいまかとチーターを呼んでいます。
地底に引きずり込むような「ヂーダー」 ブルブルッと震えがきました。
ダン池田のタクトが小さくカウントをはじめました。
ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、「ヂーダー」ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、「ヂーダー」緞帳はまだ上がりません。
チーター本人はスタッフと談笑して余裕な感じ。ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、「ヂーダー」ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、ワンツー、「ヂーダー」まだ、まだなの、こんなに長いワンツーでいいのか…まだまだ、まだまだ、ワンツー、ワンツー、ひっぱってひっぱってひっぱって、やっと緞帳が上がると同時に
プア〜パパパパパ、プア〜パパパパパ、とこれでもかとトランペット、パパパパパパパパパパパパ、パパパパッパパ〜ン
舞台階段奥にスポット!タキシードのチーターがセンターからマイク片手に颯爽と登場です!
会場全体を1500ものハートをそのコブシの中に掴んでいます
「幸せは〜歩いてこない〜」
地響きのような歓声と拍手、しょっぱなからフィナーレ、トランス状態
プア〜パパパパパで背筋に火花が走りました。
やられました。演歌なめてました。「365歩のマーチ」バカにできませんよ。
興奮状態で雪を降らしまくっていたら、舞台監督に
「バカ野郎!ティンパニーの上に雪が乗っちゃって音でねえよ」
とド叱られました。 が楽しかったです。
「幸せは〜歩いてこない〜だ〜から歩いていくんだね〜」
こんな単純な歌詞でも感動させられるのはチーターだけかもね
タグ:水前寺清子
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