2014年10月23日

旅日記とベスト10

barrymore.jpg

「バリモア」のパンフレットです。
「バリモア」といえば偉大なる横顔と呼ばれたお方。バリモアの偉大なる横顔って左側だけなんです。正しくは偉大なる左側の横顔。バリモア本人の右側の写真がほとんどないので、右がどのくらい偉大じゃないのかがわからないんですが、なにしろ左がお気に入り。仲代さんはどちらもステキですが
バリモア役なんでやっぱり左側。ポスター写真から剣をとり横顔をシンボリックにトリミングしました。
今回の公演は無名塾のいつもの公演とはちょっと趣が違います。出演者も少ないし公演数も少ない。予算も小規模なんでパンフレットのページ数も限られます。限られるとかえって張り切って、いつもと違う事がやりたくなります。たいがいの演劇のパンフレットって、演出家の挨拶、出演者の写真とコメント、作品の教養的裏話に稽古場写真。だいたいこのパターン。演劇のパンフレットを毎月のようにやるんですが、こればっかりではつまらない。
今回のパンフレットは、仲代さんも大挑戦ですし、こちらもちょっと変えてみました。
ジョン・バリモアと仲代さんとは共通点は多く、一番は数多くの映画に主演しながら舞台俳優でもあり続けたところです。そこで「舞台」と「映画」という切り口で面白いものが出来ないものかと考えました。
ポスター撮影が終わった後、観劇のため渡米されることがわかっていたので、観劇コメント入りの旅日記はどうだろうと思い提案すると快よくOKいただきました。それが舞台の切り口
「仲代達矢の愛するブロードウェイ」
仲代さんのロス&ニューヨーク15日間の旅日記です。ブロードウェイの舞台は8本観劇。
映画祭でインタビュー受けたり美術館めぐりなどもあり、スナップ写真満載の楽しい内容になりました。普段着の仲代さんがニューヨーク闊歩しています。
もうひとつの映画は仲代さんが好きな洋画を教えてもらう企画にしました。
「仲代達矢の恋したスクリーン」
仲代さんに、主演された映画の事を聞くことはあっても。好きな洋画のことを聞いたものはほとんど見た事がありません。なにより自分が聞きたかった。仲代さんは俳優を志した若い頃、むさぼるように毎年300本もの映画を観ていたそうで、その中から忘れられない10本選んでいただきました。ベスト10から惜しくももれたんですが番外選んでいただいのが「春の珍事」。まさかこの映画を選ばれるとは…何回も観ても大笑いされたそうです。内容は、野球好きの科学者が期せずして作った「木材を嫌う魔法の薬」これを野球のボールに塗るとバットをよけて全部ストライクになってしまう。科学者はメジャーのピッチャーになり、ついにワールドシリーズに!というとんでもない話。明らかにB級。でもこれを選ぶ仲代さんてステキです。
今回のパンフレット、ほんとに面白い内容になりました。観劇の記念にぜひ!
といっても残念ながら
東京公演は完売のようです。
10月31日の北本公演がまだチケットがあるようなのでお急ぎください。
タグ:バリモア
posted by gutter at 21:08| Comment(0) | 演劇

2014年08月04日

関係図も100%

子供のためのシェイクスピアのイラストを描いている100%ORANGEさんなんですが、ポスターのほかにもうひとつ毎回描いていただいてるモノがあります。それが関係図(相関図)です。
お気に召すまま          シンベリン
OKI.jpg     SHINBE.jpg
基本的に年齢とストーリーの情報だけで自由に描いてもらってるんですがこれがスゴくいいんです。変に役者さんに似せたりせず、衣裳とかも舞台上のモノとは関係なく描いてるからORANGEさんの魅力たっぷりです。

ヘンリー六世から
マーガレット.jpg  ヨーク公.jpg
ORANGEさんでオシャレでカワイくて力が抜けきってたイラストのオンパレードです。この関係図でTシャツつくったら面白いかも。
さて、今回のハムレット、基本的に前回のハムレットの流用なんですが1人だけあまりにもその役をやる役者さんの雰囲気と違っていたので微妙に修正してもらっています。それは誰でしょうか?
HAM1ol.jpg
わかった方連絡いただければ100%ORANGEさんが子供シェイに描かれたものの中からお好きなポスター差し上げます。(パンフレット二冊持ってる方対象になっちゃうんでかなり狭いんですが…)

子供のためのシェイクスピア東京公演は9月11日からあうるすぽっと。
よい席はお早めに!
posted by gutter at 18:23| 演劇

2014年06月30日

この夏は100%なハムレット

いよいよ7月2日から子供のためのシェイクスピア「ハムレット」が始まります。7月2日の横浜KAATから9月15日の東京あうるすぽっとまでの夏公演です。今年はシェイクスピア生誕450年で子供シェイが20周年。キリがいいアニバーサリー公演になりました。それでデザインなんかの参考資料として過去の色んな「ハムレット」のパンフを集めていたら、凄いの見つけました。俳優座の50年前のパンフレットです。

ham1964.jpg  ハムレット2014.jpg
これ、なんとシェイクスピア生誕400年で俳優座が20周年。何たる偶然、50年前に20周年とは。記念の20周年といえば「ハムレット」なんでしょうか?
しかもハムレットが仲代さん。子供シェイには俳優座の佐藤あかりさんが出ているし、なにかと縁があります。ちなみに俳優座版はクローディアスが小沢栄太郎さんでガートルードが東山千栄子さん、オフィーリアは市原悦子さんで平さんはホレーシオ…凄すぎる。劇場中継とかが無い時代なんで映像があるわけもないと思っていたら…あるんですって。教えていただきました、ありがとうございます。50年前の「ハムレット」観たいですね。
さて子供シェイの20周年です。7年目からマゼていただきまして、2004年からはメインのビジュアルを100%ORANGEさんにお願いしています。新潮文庫のYonda?パンダや絵本なんかで絶大な人気のORANGEさん。イラスト好きでORANGEさんを知らない人はいません。いたらもぐり。どこをもぐるのかわかりませんが…そのくらい大人気。どこからか嗅ぎ付けて劇場にポスターだけ買いにくる100%なファンの方もいらっしゃるとか…(その方へ→今年は観てください。)

ハムレット.jpg 尺には尺を.jpg リチャード三世.jpg 夏の夜の夢.jpg シンベリン.jpg
マクベス.jpg お気に召すまま.jpg 冬物語.jpg ヘンリチャ.jpg ジュリアス・シーザー.jpg

ORANGEさんには普段描かかれているものとは違う角度で捉えたものをと頼んだりしているのですが、いつもこちらの想像を超えた素晴らしいものを描いてくれます。10年分観ると、これも100%ORANGEさんなの?って感じられる作品もあり、さすが懐が深いなぁと思います。
今回は十字がモチーフ。デンマークの国旗も十字なら、剣も墓も十字。ハムレットのまわりには悲劇に捧げる十字が渦巻いています。450年で20周年の「ハムレット」ぜひ!100%なパンフレットにTシャツもぜひ!
ところで、20周年の次のアニバーサリーはいつだろう?って考えました。25か30か、ずいぶん先だなぁっと思っていたら、再来年の2016年はシェイクスピア没後400年ですって。生誕があれば没後があるわけですね。これまた50年前の没後350年にどこかの劇団が何かやってたんでしょうか?気になるなぁ。また子供シェイで記念公演をやることになったら、もはや執念。でもやるかも。
タグ:俳優座
posted by gutter at 19:31| Comment(2) | 演劇

2014年04月28日

同じ作品にする違うアプローチ

グラフィックデザイナーやってますって言うと、横尾さんみたいな〜?とか言われたりしますが、違います。あの方はアーチスト。和田さんみたいな〜?は、キモチ近づきましたが、やはり大きく違います。我々はクライアントの意向にそって仕事をするアプローチ型のデザイナー。横尾さんや和田さんのような唯一無二の作品を作り、見れば誰の仕事なのかすぐわかるモノとはちょっと違っています。もちろんそれでも、自分っぽい個性は隠しても出ます。ぽいが出るから仕事が発注されるのかもしれませんが、ぽいものもにじませながらも精一杯アプローチします。
演劇のチラシを作っていると同じ脚本の作品にあたる事があります。それぞれ、制作や出演者が異なり、作品の捉え方も違うのでアプローチの方向も変わってきます。当然ビジュアルも違うものになります。

okashinafutari.jpg   okashina1.jpg
6月の公演、テアトル・エコーの「おかしな二人」はそんなケース。左側のは、ずいぶん前にやったものですが、登場人物二人のキャラクターをイラストにしました。オシャレなイラストはソリマチアキラさん。右側の今回のテアトル・エコーのも最初はイラストを考えたんですが、ニューヨークの写真はどうかと提案され、作品が上演された当時の1966年のタイムズスクエアの写真をレンタルしました。現在のニューヨークを撮るのもありかと考え、ニューヨーク在住のカメラマンにロケハンしてもらったんですが、やはり時代の匂いには敵いませんでした。ジャック・レモンが歩いてそうですね。

anata.jpg   doa.jpg
去年やった「あなたに会えてよかった」は原題が「Communicating Doors」これも実は以前エコーで「ドアをあけると…」というタイトルでやってます。出演者とテーマに重点を置いた方向とサスペンス調に仕立てられた本の内容にそった方向。まったく違いますが、それぞれのお芝居には合っていました。

mac.jpg   macnoto.jpg
2009年は大変でした。子供のためのシェイクスピアと無名塾が同時に「マクベス」をやる事になったからです。無名塾マクベスは仲代さんをどう撮影するか、子供マクベスは100%ORANGEさんのイラストでどうギミックのある絵にするか。これも全く違うアプローチのビジュアルになりましたが、共通なのは色。黒と赤、不思議です。

hamlet.jpg   hamlet2.jpg
7月〜9月に公演がある「ハムレット」は10年前の再演です。こういうケースもあります。これはカンパニーが同じなので方向性も同じ。イラストはいつものORANGEさん、とここまで同じなのですが、ビジュアルも同じじゃつまらない。今回はオフィーリアを入れてもらいました。前回は苦悩が全面に押し出されていますが、今回のはハムレットの内に潜むオフィーリアへの優しさが感じられてステキな仕上がりになりました。
ぽい話になりますが、こういったおんなじ作品がきた時、もちろんディレクションは自分がやるのですが、デザインまで同じ人間がやるとぽいが出過ぎるオソレがあるんで事務所内で分けてます。違うアプローチを持った作品は、違ったぽいの仕上がりで育っていくのです。
posted by gutter at 20:56| Comment(2) | 演劇

2014年03月14日

同じ衣裳で7歳から75歳からまで

カトケン事務所のお仕事を始めて2年半、9本目になる公演「あとにさきだつ うたかたの」が本多劇場で上演中です。
今回の公演は特別。なぜなら自分のホームグラウンドのひとつ「子供のためのシェイクスピア」の演出をしている山崎清介さんが加藤さんのお父さん役で出演するし、子供で演出補を担当している小笠原さんが今回の演出。さらに脚本の山谷さんも子供に2回も出ている。コラボとまでいかないけど融合度合いが深く不思議な感じです。だからなんとか…とのぞんだ舞台だったんです。ですが、劇場の中に入るといつものカトケン事務所公演に比べて観客席にスキマが見える。ちょっとガッカリしました。宣伝に関わっているものとして肩身が狭く申しわけない。もちろん能力の無さもあるが、原因はほかにもあるような気がする。カメか?カメじゃだめだったのか…
何が足りなかったのか?始まるまでの時間に考えましたが、今回メッセージ性の強い内容なので、あたたかく面白いお芝居になれたカトケンファンの食指が今ひとつ動かなかったとしか思いつかない。
演劇は日常の癒しなのか? 安らぎの場なのか? エンターテインメントじゃないと観たくなくなるのか?
いやいや、劇場は一緒に考え、悩み、探す場でもあるはず。審判から始まった加藤健一事務所。問題定義したい気持ちはいつも持ち続けていたのでしょう。あえて社会派の戯曲を選び劣勢に挑む加藤さんに拍手を送りたいです。問題定義した作品においても足を運ばせる何かを制作物に盛り込まねばと気持ちを新たにしました。この注目作を書き上げたのは文学座の女優でもある山谷さん。やわらかく透明感のある美しい女性の中心には、ゴツゴツして頑丈な魂が座っています。

チラシとパンフ
atoni.jpg   utakata.jpg
舞台上に見えるのは老い先短い老人。
加藤さんはその同じ衣裳のまま、7歳から75歳までを演じています。戯曲を読んだ時は想像がつかなかったんですが、舞台上に違和感はない。やがて子どもも老人も一人の人間にすぎない事に気づかされる。観終わって、やりきれなさと消えない希望の光に涙が溢れてくる舞台。
カメは、カメで良かったです。むしろカメ以外考えられない。カメを描いてくださった、ささめやゆきさんありがとうございました。

初日打上げで
「子役ははじめて。あとやってないのは少女だけだよ」とふざける加藤さん
「クラウド・ナインがありますよ」と真顔で返す父親役の山崎さん
加藤さん、まんざらでもなかったです。
posted by gutter at 20:12| Comment(0) | 演劇

2013年11月07日

役と役の間をわざと歩く

小宮さんの怒涛のひとり芝居三本立てが終わりました。70分、90分、110分、合わせて4時間30分。恐れ入ります。結局「線路は〜」の一本だけ観たのですが、この芝居で新たな発見がありました。
それは歩いて役柄を変えるという試みです。
具体的にいうと、
駅長と小宮助役の会話(台詞は適当です)

下手前に駅長立っている。
駅長「小宮く〜ん、日誌どこにしまったかな?」
5歩上手奥に歩いて移動、振り向いて
小宮「あれ、金庫になかったですか」
5歩下手前に歩いて戻って振り向いて、駅長台詞…

この5歩歩く間は駅長でも助役でもない。素か無です。最初は観ていてとても違和感がありました。落語の手法に近いんですが、落語は動かないんで違う人物に変わる時間がほとんどない。それに対して今回のは歩き移動なんで長い。お客さんも歩いている間は待っているしかない。
               
senro.jpg    100_5970.JPG
舞台写真 御堂義乗さん  7〜8歩も歩けば横ぎれてしまう小さな劇場。 

劇評なんか読むと、これなら二人でやるか、演出方法を考えた方がいい。という意見もあったんですが、ところがどっこい、この歩いて役柄を変えるのが演出家鄭さんの狙いなのです。従来の演出に慣れすぎた評論家にはわからなかったんでしょう。わざとじゃなくこんな事やるわけがない。この歩き移動は最初はイライラしますが、次第に気にならなくなります。なぜか?答えは簡単、徐々に距離を短くしてるから。30もの役で広がっていった芝居が、進むにつれ駅長夫婦に焦点があたり、夫婦を中心に狭く深くなっていきます。それに合わせて歩く距離も短くなっていき、観客の感情移入も近く深くなっていくのです。小宮さんに聞いたところ
「演ってる方は歩いてる間、ものすごく恥ずかしいんだよ。」
「歩き移動のダメだしが多くって…」
わざと歩く。ちょっとビックリしましたが、やられました。
posted by gutter at 19:46| Comment(0) | 演劇

2013年10月28日

ひとり芝居を三本やる小宮さん

小宮さんのひとり芝居「先代」のチラシを今年はじめにやったんですが、その時この凄い話を聞かされました。過去にやった二本のひとり芝居と合わせて三本を連続上演する企画があるというんです。思わず聞いちゃいました。

「まさか一日に三本連続じゃないでしょう?」
「オレもね、さすがにそれはキツいと思ってるんだよ」と小宮さん
「…ですよね。他の二本は?」
「接見はそんなに長くないけど…線路が1時間45分くらいある」
「1時間30〜2時間近く三本…4時間半…大丈夫ですか」
「線路は一本だけでも終わったとたん死んじゃうんだよ。
その前に二本は無理…ぜったい無理だよ…」
「…ですよね…ちょっと観たいですけどね」
「厳密に三本連続っていうと…そうなんだけど…制作もねぇ、どうせ三本なら連続って言うんだけど…無理じゃない?…無理でしょう!…無理だろう…」

その三本連続が実現しました。
無謀とも野望とも希望とも言える挑戦が今週末あります。

komiya2.jpg
小宮孝泰ひとり芝居三本立て
2013年10月31日(木)〜11月4日(月・祝)下北沢 楽園
ひとり芝居の三本連続上演です。
信じられません。
その三本の作演出がそれぞれすごい。
水谷龍二作・演出「接見」
鄭 義信作・演出「線路は続くよどこまでも」
中島淳彦作・演出「先代」
この売れっ子3人の小宮さんへの書き下ろし作品。
凄すぎる。楽園じゃもったいないです。この三人に頼める小宮さんも凄い。

で、連続上演はというと、基本一日二本なんですが、なんと11月4日は一日に三本、13時「接見」、15時「先代」、19時「線路は続くよどこまでも」

大丈夫でしょうか…小宮さん
芝居って規模じゃないなとつくづく感じます。

どーでもいいことだと思うんですが、小宮さん、この三本のタイトルの頭文字をセで揃えてます。だから?と言われそうですが、その変なこだわりがお笑いの人だなぁと思いました。
春に荒川遊園に置いてあるで路面電車を借りて撮りました。写真は御堂義乗さん。美輪さんの舞台などの演劇ポスターも数多く手がけてる方です。
100_5792.JPG  100_5791.JPG

誰もやった事のないこの孤独な挑戦を、ぜひ観に行きましょう!
タグ:小宮孝泰
posted by gutter at 18:01| Comment(0) | 演劇

2013年10月25日

嵐のまっただ中に「三人姉妹」を

「三人姉妹」の初日があきました。終演後の楽屋前通りは、面会の観客や関係者、メイクを落としたばかりの出演者でごったがえしています。3〜4人のガヤガヤした人の山が出演者を囲んであちこちに出来、その人の間を縫うように手応えの空気が流れているのを感じました。
喧噪から離れてこっそり舞台裏へ。装置をのぞきます。
観客席で観るよりはるかに大きく、自信に溢れていて近寄りがたい。役目を終えたばかりの装置はまだ静かに息をしています。

100_5965.JPG  100_5963-2.jpg

4幕を休憩なしの1時間50分に凝縮した「三人姉妹」。4幕が吉田美奈子の曲でつながり、人々の希望が苦悩へと変化します。2幕を終えた所でもう目頭が熱くなりました。
初演と演出は変わっていないのに芝居は密度が濃くなってます。充たされない疎外感が深まり、愛情も深まり、誰もがより強く肩を寄せ合っている。再演の面白さです。山崎さんのチェブトゥイキンが面白かったです。正体をなくすほどのアル中にはなりません。それゆえチェブトゥイキンと姉妹の母親との関係が真実味を帯びて見えてくる。新しい発見でした。
短くしていることや、俳優が常に舞台上にいること、観る位置の問題もあります。賛否あるでしょうが、完成度が高く、たった四回しかないのがもったいない。
土日、嵐のまっただ中に、嵐の過ぎ去った後に、ぜひ観てほしい作品です。

華のん企画 「三人姉妹」
場所:東池袋 あうるすぽっと
26日(土)16:00、27日(日)14:00
http://www.canonkikaku.com/information/chekhov.html

posted by gutter at 16:39| Comment(0) | 演劇

2013年10月17日

チェーホフのジタバタを観に行こう

チェーホフが亡くなって百十年が経ちます。チェーホフを二十歳で読んだ時は、何が面白いのかまったくわからなかったんですが、年をとればとるほど噛めば噛むほど面白くなります。何が面白いのかってあらためて考えると、ジタバタなんです。人は三十過ぎ四十過ぎて、自分のできる事できない事がだんだんわかってきますが、なぜかすんなり認めたくないのでジタバタします。チェーホフに出てくる人物も同じなんです。そこには充たされて幸せな人は一人もいなくて、誰もがジタバタしています。
若い頃はジタバタすることがないんで面白さがわからなかったんですね。
sannin1.jpg
そのチェーホフの秀作、華のん企画の「三人姉妹」が再演します。こういう噛めばの類の話は、出演者の演技も噛めば噛むほど味わいが出るので再演もすごく楽しみです。2年前の初演の打ち上げで、すぐ出演者から再演したいという声が上がったようです。今の日常にもジタバタすることなんて溢れているのに、チェーホフにはどこか底知れぬ魅力があるようです。山崎清介さんが描く「三人姉妹」は、出演者が常に舞台上にいるという張りつめた空間。面白く斬新で刺激的です。
華のん企画 「三人姉妹」
場所:東池袋 あうるすぽっと
10月24日(木)19:00 、25日(金)14:00、 26日(土)16:00、27日(日)14:00
http://www.canonkikaku.com/information/chekhov.html

チェーホフシリーズはパンフレットのイメージを統一しています。
chi2.jpg  wa2.jpg  chekhov.jpg
san2-2.jpg  kake2.jpg 
具体的には同じ布の上に作品に合う小物を置いてその都度撮影。撮影する布の場所は変えてるので柄が違っています。(今回と短編集1+2は再演なので色調を変えただけです。)「三人姉妹」は女性っぽいイメージにしたかったのでちょっとクラシックなブローチにしました。さすがに百年とはいかず、五十年くらい前のものです。ネットなんかでもいいものがなく都内色々まわって西荻窪で見つけました。
san2.jpg  100_5962.JPG
「三人姉妹」の中に、百年後、二百年後の世界を想像する場面があります。チェーホフは覗き見サイズの巷の世界から、一気に百年後の人に想いを馳せ、俯瞰から見ることでジタバタをスケールアップさせています。
いまはチェーホフの時代から百年経ちましたが人はあまり変わってないように思えます。さらに百年後はどうなんでしょう。人は不変なのか、普遍なのか、やはりどうにもならなくてジタバタするのか。
ぜひご覧ください。
タグ:チェーホフ
posted by gutter at 18:58| Comment(0) | 演劇

2013年10月04日

ロミオとジュリエット観劇ノート

100_5947.JPG

能登演劇堂で「ロミオとジュリエット」の初日を観てきました。今、なぜか宝塚やらミュージカルやらあちこちロミジュリブームです。そういえば大昔に百合ケ丘に遊びに行った時、ロミオという床屋とジュリエットという美容院が近くに建っていて妄想しました……はどうでもいい事ですが、ロミジュリって簡単に言えば、敵同士の息子と娘が恋に落ちるけど悲しい結末を迎えてしまうという誰もが知ってる物語です。それだけ聞くと分かりやすい話なのですが、これを元のシェイクスピアの戯曲で読むと、つじつまはあってないし必要ないと思われる部分も沢山あるし、おまけに散文詩のようなシェイクスピア独特の長〜い言い回しのオンパレード。さらにシェイクスピアの時代は装置も照明もなく、まっ昼間に上演されていたので、時間経過や場所の状況説明の台詞、例えば「いまは朝で、ここは誰ん家だ〜」なんてのをその都度言わなくっちゃならない。じゃないとお客さんが話についてこれなかったんでしょうか。そのまま戯曲通りやったら3時間半はかかるとか。耐えられません。なので短くするのはもちろん、現代語に直したり、芝居そのものを現代風にしたりして上演するとこが多いんです。
そこいくと無名塾の「ロミオとジュリエット」、チャレンジしてます。もちろんカットして2時間半くらいにしてますが、台詞はいたってオーソドックスなシェイクスピア調。長いです。そんでもって無機質な箱と柱だけのシンプル装置に衣裳小道具はリアルなので、役者の力が試される逃げ場のない舞台です。気をてらったり、〇〇風にやることよりも実はチャレンジなのかも。いばらの道をすすんでます。
でも、なんでしょう。しゃべっている意味のすべてはわからないけどシェイクスピア調の美しい節回しを聴くのは心地良い。そういう台詞のやりとりこそシェイクスピア劇を観る醍醐味のような気がします。役者がこなれてくれば、もっともっと素晴らしい舞台になっていくことでしょう。

シンプルな舞台なのでいつもより広い舞台袖
100_5938.JPG   100_5940.JPG

能登演劇堂で観る楽しさは、外の自然と一体化したステージを体験できることです。暗幕が閉まっていて前でお芝居がすすんでいる間に、奥で音もなく扉が開いているのですが、その瞬間客席にすごくひんやりした空気がサァ〜っと流れてくるので、目ではわからなくてもふくらはぎでわかります。そして舞台の幅いっぱいに扉が開くと別世界が現れます。照明がついて外の森と一体化した世界に思わず声がでちゃうほど。
シェイクスピアの台詞の美しさと自然を一体化した舞台を体験したい方は、膝掛けもって、ぜひ!10月27日まで
タグ:能登演劇堂
posted by gutter at 20:35| Comment(0) | 演劇

2013年09月25日

実り多き山

仕事には山があります。そこにあるから…なんてロマンチックなモノじゃなく…そこに締め切りがあるから…。チラシが重なった山は小山ですが、パンフレット作業が重なると険しい大山になります。なかなか実りある大山でした。

「サントリーサマーフェスティバル プログラム」 (A5 104P) 。表紙の絵は村田篤司さん。絵の下に書いてある文字は今回の出演者や作曲家などでこれも村田さんに書いていただいてます。演奏会はパンフレットではなくプログラム。買うのではなく観客全員に配布されます。お芝居のパンフレットは欲しい人が買うので、席で見ているてる人はチラホラですが、今回は観客全員が同じページ(今日のプログラム)を開いています。壮観でグッときました。…涙まで…ではないです。
suntory.jpg


前進座「赤ひげ」 (B5 44P) 。山本周五郎原作「赤ひげ」。黒澤映画でも有名ですが、前進座では1987年から450回以上も上演されてきた看板作品です。過去のビデオと台本呼んだ印象ですが、映画より市井の人々の生き方に焦点があてられた感じでした。表紙は浅野隆広さん。時代劇の本の装幀を数多くやられているだけあって流石です。
akahige.jpg

無名塾「ロミオとジュリエット」 (B5 48P) 。特集は仲代さんと池辺さんの対談。それから、仲代さんが語る自らのシェイクスピア劇。すごく面白いです。ここでしか読めない話が満載です。表紙はイタリアの古布を撮影。オーソドックスで品を持ったキレイなモノにしたかったんですが、どうでしょうか。無名塾公演は9月28日から来年の4月13日までの半年間。九州や四国やいろんな所で手にしていただけると嬉しいです。
romijuripa.jpg

お芝居のパンフじゃないですが、人力舎「スクールJCA」の入学案内カタログ(A4変形6P)。西のNSCに東のJCA。ご存知お笑い養成所の老舗です。学校と事務所が引っ越したので入学案内も新調することになりました。新しい稽古場はすんごく立派。立派すぎます。みんなハングリー忘れないでね。カタログの上部を山カットにしました。これは人力舎の舎を意識してますが、新しい事務所や稽古場の内装にもいろんなトコロに舎の形のデザインが使用されています。シャを車と間違える人はもういないけど、舎っていいですね。
2013JCA.jpg

その他のちょっと前にやったパンフ
子供のためのシェイクスピア「ジュリアス・シーザー」(B5 28P)。おそらく表裏を開くことはないけど、開いたら凄い迫力です。100%オレンジさんの絵が発するエネルギーは迫力あります。子供のためは来年20周年。1564年生まれのシェイクスピアは生誕450周年。でっ「ハムレット」です。乞うご期待!
caesar2.jpg   caesar.jpg

加藤健一事務所「モリー先生との火曜日」(A5横 24P)。表紙は膝掛け。自分が普段使っているものです。パンフの表紙のデザインは基本的にポスターとちょこっと違う印象にしていますが、いつも悩みます。劇場にいらしているお客様が、観劇前に手にするものでもあるし、後の場合もある。お芝居の雰囲気は壊したくないし…膝掛けはどうだったんでしょうか。
morrie.jpg


重なった山をいくつか超えてハァハァゼイゼイしてても、平地になったとたんに山が恋しくなります。新たな山の出現待っております。
posted by gutter at 17:34| Comment(0) | 演劇

2013年05月21日

納谷さんのお別れの会

今日は納谷悟朗さんのお別れの会でした。会場は恵比寿のエコー劇場。舞台に祭壇が作られ、納谷さんが出演された舞台のスライドが流れました。銭形警部や沖田十三、チャールトン・ヘストンやジョン・ウェインの声でもおなじみですが、愛すべき庭はやはり舞台だったようです。ニール・サイモン、井上ひさし…などなど、50年もの間の納谷さんの舞台作品が次々と流れます。そのままテアトル・エコーの歴史でもあります。そのスライドの最後を飾ったのが代表作の「サンシャイン・ボーイズ」。もう11年前になりますがその作品に関わる事ができて本当に良かったです。

sunshine1.jpg

「サンシャイン・ボーイズ」はけんかわかれしている往年のコメディアン二人という設定なので、照明も入れてエコー劇場の上手、舞台袖でもめているような雰囲気で撮影しました。熊倉さんと納谷さんを撮影するんで朝から緊張してたのを覚えています。特に納谷さんは恐かったなぁ。その1年前の「ブローニュの森は大騒ぎ」がテアトル・エコーでの最初の作品でこれも納谷さんの演出だったんですが、出来上がりの感想とか注文が何もないんでかえって恐い。

buronyu.jpg

その恐さを引きずりつつ撮影に突入。舞台袖に現れた納谷さんのスーツ姿がカッコ良すぎて、また恐い。「どこ?」「帽子はどうする?」なんて言う声がそのまま聞き慣れた銭形でまたまた恐い。ビビリました。でもあの声を生で聞くのは格別です。納谷さんが一言二言しゃべるたびに銭形ファンのカメラアシスタントが興奮してました。
お別れの会の会場に「サンシャイン・ボーイズ」チラシがあり、いま改めて見ると写真はいいんだけどトリミングがもっと大きくて良かったなと思い、献杯の中一人反省しました。いつでも出来上がった直後から反省が始まるんですが、こうして再演がかなわないものあるんでもっと覚悟が必要です。
今日熊倉さんがおっしゃってましたが、劇団が出来て間もない頃、納谷さんは売れっ子で忙しい中でも劇団内の会報誌とか色々な雑事をすすんでやってたそうです。テアトル・エコーといえばおなじみの赤いロゴ。これもその頃の納谷さんが作ったもの。お芝居だけじゃなく絵やデザインのセンスもただものじゃないですね

echo.jpg

こんなの作られたんじゃあデザイナーお手上げです。能ある鷹爪を隠すとはこの事。これを真似てエコーの他の部署のロゴ作りましたが、遠く及びません。これだけのセンスがある方、自分の作ったチラシにも何か言いたい事があったんじゃないでしょうか。「サンシャイン・ボーイズ」の写真も大丈夫だったのかなぁ。無言の中に潜む優しさと恐さを肝に銘じてこれからも頑張ります。
posted by gutter at 18:27| Comment(0) | 演劇

2013年05月11日

Every Good Boy Deserves Favour

先日の無名塾の公演は50人限定の40回公演なんで、延べ2000人が観たことになります。この間チラシを納めた「良い子にご褒美」は2000人入るサントリーホールで、なんと一回公演。どちらも観客は2000人。50だけで観るのも、1回しかないのを観るもどちらもめったにない事なんだと思います。
「良い子にご褒美」は日本初演です。打合せの時、本邦初演はないよね、ないでしょうっていうやりとりが面白かった。本邦、邦?って何?調べると邦とは国の事。はっきりとは知らなかったです。いま邦人とかしか使わないですね。本邦と言ったら初めてな感じだったのにどえらく大昔になりました。

yoiko.jpg

これは池辺晋一郎先生の企画なんですが、演劇と音楽が互角に組んでるとこが他にはない所。ミュージカルや音楽劇だとオーケストラピットがあってその後ろの舞台でお芝居があるのが普通ですが、良い子はフルオーケストラが普通にいて、その隙間に演技スペースがあって同時に進行するんだそうです。フルオーケストラと演劇が一緒にやるもんだから今まで誰も出来なかったんでしょうね。池辺先生も今までで2回やろうと思ったけどダメだったとおっしゃってました。今回は昴の方達が演技の方をやられます。いや〜まだ誰も観たことがないので実際はどうなるんでしょう、楽しみです。しかし、1ヶ月お稽古しても1回しかやらなくてフルオーケストラ、なんとも贅沢で壮大。しかもトム・ストッパードの脚本でアンドレ・プレヴィンの音楽だなんて、なんとも豪華。トム・ストッパードは戯曲だと「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」映画の脚本だと「恋に落ちたシェイクスピア」などで有名なイギリスの脚本家、アンドレ・プレヴィン「はマイ・フェア・レディ」など4回もアカデミー賞とってる作曲家でピアニストとしても指揮者としても有名な方。演劇ファンも音楽ファンも必見です。内容は旧ソ連が舞台で、二人の囚人にまつわるどっぷり社会派のお話。
でもなんでタイトルが「良い子にご褒美」? どうしてでしょうか?
牢屋から出られるとしても、どっちかって言うと悪い子にご褒美なのに…なぜ?
それは五線譜の線に引っかかる音には英語の名前がついていて、下から読むとE、G、B、D、Fになるそうです。つまりEvery Good Boy Deserves Favour つまり「良い子にご褒美」。内容には全く関係ないですよ。わかんねぇ〜、わかんないよストッパード。でもシャレててこういうの好き。それこそ本邦にはない感覚のタイトルの付け方ですわ。
イラストは村田篤司さんに描いていただきました。フランス映画みたいで素敵ですね。
posted by gutter at 17:36| Comment(0) | 演劇

2013年04月23日

照明とナナメ走り

もう1ヶ月以上前になりますが、舞台照明家協会主催の検証会を見に行きました。舞台照明もこれからはLEDに代わっていくらしいですが、完全移行までの道のりは遠いようです。その前日の事。無名塾の「授業」打ち上げがあり、照明さん達と一緒のテーブルになりました。スタッフテーブルは落ち着きますわ。みんなと話してるうちに次の日が検証会イベントという事もあり、やっぱりLEDの話になったんです。デメリットはあたたかみのある色が作りにくい、フェードインが難しいなどなど…メリットは熱くならない、球切れしないなどなどなど…そこからお酒もすすんで話は盛り上がっていき、各照明家の過去の危機一髪事件の発表会になった時、ハタと思いだしました。ハタと音が聞こえましたね。この思い出、どこに隠れていたんでしょう?

「紀伊國屋で乾電池観てた時、停電になったんですよ」
一同「えっ〜」
乾電池が停電とはそれだけで変です。乾電池とは柄本明さんベンガルさん高田純二さんらが所属する劇団「東京乾電池」のこと。劇団活動を中断する時は乾電池が充電なんだろうし、スキャンダルは乾電池が感電なのかな…。
「東京乾電池」は渋谷のジァンジァンでやってた創設間もない頃からよく観にいきました。前の日に電話しても一番前の席がとれて、いつも四五人で並んで観てました。くだらない笑いも踊りも新鮮でした。
乾電池が停電の日は、だんだん売れだした頃。といってもずいぶん前です。渋谷のジャンジャンからあこがれの新宿の紀伊國屋へ、100人の劇場から400人の劇場へ、マイナーからメジャーへと向かってた頃。劇団にとっては嬉しいことなんですが、へそ曲がりはこうなってくると変なもんで興味がしぼんできます。なんで、しばらく観てなかったんですが、たまたま劇団のTと知り合いになり久々観に行きました。
劇場に着くと席は真ん中のど真ん中。関係者でもないのに、いわゆる関係者席。ギリギリに劇団員に頼むとよくこういう事があります。隣が鴻上さんでした。芝居の中身はよく覚えていないんですが、高田純次さんがはんにゃの顔マネをしてた事だけが印象に残ってます。なぜだろう? 紀伊國屋サイズで顔芸はほとんどわからないのに、そんな事おかまいなしなのが高田純次さん、向かう所敵なしですね。
で、お芝居が半分くらい進んで、知り合いのTが上手奥から下手前まで騒ぎながらナナメに走る途中で、いきなり真っ暗になったんです。突然劇場全体が暗転。全く見えません、視界0。あまりの事態に誰も対応できない。観客も座ったまま声ひとつ出ない。なぜか役者は暗闇なのにこわごわ芝居を続けて声だけが聞こえる。役者って急にお芝居やめられないんだなぁ。なんだかマヌケで吹き出しそうになった時、舞台がバタバタし通路の非常灯がついて、ペンライトもった制作が出てきました。
「いま原因を調べております。ちょっと暗く見づらくご不便かけますが、このまま続けさせていただきます」「えっ非常灯じゃ無理だろう〜」
ぼんやりしてほとんど見えない中、Tがまた声をあげてナナメに走った。走ったが途中で止まった。無理だろう〜舞台から落ちるよ。だめだ、誰もが対応できてない。普通に考えて芝居ができる状況ではない。そうこうするうちに建物の非常電源が働いたようでロビーには明かりが点き、観客は客席とロビーでしばらく待つことになりました。
ほとんどがそのまま客席に残る中、まっさきにロビーに降りると、もう鴻上さんがひとり落ち着き払って寛いでいる。たいしたもんです。
そのまま劇場の入口を出て暗い本屋の中を抜け窓から外を見て驚きました。紀伊國屋だけでなく周辺一帯がまっ暗。異様な光景です。都会のど真ん中の停電は建物が黒く不気味で不自然でした。遠くのビルは点いているのでこのあたりだけの停電なんでしょうか。胸騒ぎがしました。闇は怖いです。
ロビーに戻って何分かすると急にパッと明るくなり復旧しました。ほっとする安心感が生まれます。明かりは大切ですね。そして舞台も客席も明るくなりみんなが客席にぞろぞろ戻り、特別な感覚を共有したことを確かめ合い、そのザワつきがおさまった頃、上手の端に出演者であり代表の柄本さんが、ちょこんと衣裳着たまま出てきました。

「え〜ちょっと前から返します」
拍手とともにドッと沸きます。乾電池が停電に勝った瞬間でした。ハプニングを帳消しにしてなおひきつける。流石です。
しばらくして今度は本物。照明の調光によって、客席が暗くなり舞台が明るくなり、Tはこの日三回目のナナメ走りをひときわ大きい奇声をあげて走ったのです。
posted by gutter at 17:56| Comment(0) | 演劇

2013年03月19日

おわるお芝居、はじまるお芝居

事務所にはB2サイズのでっかいカレンダー(毎月1枚)があって、その下に現在進行形の演劇チラシをぶら下げて貼ってあります。芝居が終わったらチラシをはずし、新しいものをズリズリと前へ移します。寂しい作業です。劇場をただの箱にするバラシほどの寂しさはないんですが、わずかながらでも関わって来た自分の仕事が見えなくなり、お芝居はやはり刹那なものだと感じます。今月は20日に志ん輔師匠の落語、23日に仲代さんの「授業」、24日にカトケンさんの「八月のラブソング」が幕を降ろし、チラシも役目を終えます。
もちろん、はじまる舞台もあります。23日からはじまるのはテアトル・エコーSIDE B公演の「我が家の楽園」。
wagaya600.jpg

SIDE Bとは本公演と区別しているわけですが、B面も豪華になってきてましてもはやA面と境目がないくらいの完成度。B面のメジャーも十二分にありえます。さて、このお芝居、もともとは戯曲なんですが、1938年に映画になってます。ヒッチコックの「裏窓」や「めまい」なんかでおなじみのジェームズ・スチュワートが初めての主演で出てるんですが、観た時若すぎてしばらくわかりませんでした。ジェームズ・スチュワートって生涯悪役を演じたことがないんだそうです。ちょっと面白いですね。以前恐れ多くも奈良岡さんに「どんな役がやりたいですか?」ってお聞きしたことがあるんですが、ひと言低い声で「ワル」っておっしゃっられビビった事を思いだしました。なんでそんな事聞いてしまったのか…後悔先に立たず。でも仲代さんもよく悪役の魅力を話されてるし、役者って悪役の持つ強いコンプレックスに惹かれるような気がします。映画はとっても面白いです。戦争中にこんなのとってるんじゃ勝てませんわって感じ。監督は「或る夜の出来事」「素晴らしき哉、人生!」のフランク・キャプラ。「素晴らしき哉、人生!」はぜひ観てほしい映画。いい映画ない?って言われたらまずオススメする1本です。
で、戻って戻ってエコーの「我が家の楽園」。恵比寿に来て50年になるそうですが、恵比寿に根ざしたコメディを小さくも確かな劇場でどうぞご覧ください。あと
主演はこれまた80オーバーの沖恂一郎さん。熊倉さんや納谷さんと一緒にやられてた、ほぼ最初っからのメンバーですね。沖さんも大好きな俳優さんです。沖さん未見の方もぜひ!

その後なんですが、4月公演のがなくて5月にある公演が3本、その先のでいま現在チラシが出来て貼ってあるのがもう2本あります。あたりまえの事ですが、実際のお芝居がはじまる前からチラシは動きはじめ、終わってしまえば一緒におわり。これからもお芝居とズレないようコロバヌようマチガエナイようにやっていきたいです。

anata.jpg   shakes.jpg   bareiso.jpg   Julius Caesar.jpg   morii.jpg
posted by gutter at 20:52| Comment(0) | 演劇

2012年12月06日

江戸っ子の勘三郎さん

5年くらい前に新橋演舞場で「寝坊な豆腐屋」という勘三郎さんの舞台を観た。時代は昭和37年の設定、現代劇だ。勘三郎さんが40代独身のしがない江戸っ子の豆腐屋。子供の頃母親が家を捨てて飛び出たっきり何十年も生き別れになっている、その母親役が森光子さんだった。
勘三郎さんの豆腐屋はタイトルそのままで朝が弱くて起きられないから毎日寝坊。豆腐がなくっちゃ一日が始まらない近所の人達は、外でお鍋持っていまかいまかと待っている。グズグズしている勘三郎さんを朝一番に起こしにくるというか、安眠を妨害に来るのが新聞配達少年役の勘九郎さんだった。
その一瞬のみの出演。
変なかけ声でポイっと新聞を置いていき、すれ違いざまに二人は顔つきあわせる。ここからは、たぶんアドリブ

「おい、こら待て新聞屋、人様のうちに新聞配るなら挨拶ぐらいしろ!」
「……」
「まったく、親の顔が見たいよ」
「親の顔? 見せるような顔じゃないっすよ…」
「何ぃ〜どんな顔だってぇんだぁ」
見つめあう二人
お約束なんだがドーンと受けてた。


勘九郎さんの口上は立派だった。

初めて歌舞伎を観たのは大学1年の時。友達のお父さんが古典芸能系の演劇評論家で、父の招待券があるからいかないかと誘われたからだった。何しろ貧乏なんでそんなことでもないと行かない。喜び勇んで出かけた。そこで初めて観たのが先代の勘三郎さんだった。女形もやってて、どーみても不格好なんだが、出てきただけで場内の空気が柔らかくなり観客の相好がくずれてる。客をちょっといじってドーンと沸かせる。観客をガッチリつかんで楽しませる役者だった。十八代の勘三郎さんは、役者として観客を楽しませる事に加え、古典を現代劇に引きずり降ろした革命児だった。勘九郎さんもこの中村屋の伝統を引き継いで、楽しませる新たな歌舞伎を作りだしていくことだろう。
ひとつ心配なことは江戸弁だ。いまの70〜80歳くらいの人は江戸弁が喋れる人はまだいらっしゃるだろうが50代で勘三郎さんのように使いこなす人はなかなかいないんじゃないかと思う。江戸なまりの残る豆腐屋なんて役が自然にできる人がいるだろうか。歌舞伎の現在も未来も不安になったが、江戸も消えつつあるような気がしてならない。
タグ:勘三郎
posted by gutter at 21:14| Comment(0) | 演劇

2012年08月28日

スズナリで原点に還る

suzunari.jpg

下北沢の小劇場のメッカ、スズナリに行ってきました。正式名称は「ザ・スズナリ」。スズナリは、今から31年と半年前の1981年の3月に建てられました。夜観るとまた異様です。下北沢の駅から茶沢通りに出て左へ左へと歩いて行くとポッカリとその異空間は現れます。ネオンが不気味にひかり、観客と酔客が入り交じり、どこが劇場でどこが飲み屋なのかわからないカオスの島。うす汚れた建物を包む古びたネオンや外階段は昔からほとんど変わっていません。コンプレックス、屈折、挫折、ひとりよがり、まさしく演劇の魅力がここにあり、理解できないエネルギーが生まれてきました。原点です。奥様達がおめかしして観る娯楽やカップルがおデートでゆったり観るエンターテインメント、そういう背もたれの確かなゆとり演劇は存在しませんが、暗幕に囲まれた150席ほどのパイプ椅子と長椅子の窮屈な観客席から観るお芝居の楽しさは格別です。
観たのはチラシを作った加藤健一事務所の『シュペリオール・ドーナツ』

doughnut.jpg

シカゴの寂れたドーナツショップが舞台。移民達が生きぬくシカゴの縮図がそこにありました。面白かったです。スズナリのカトケンさんもぜひ! 客席との距離感のつかみかたが抜群です。小さい声でどこまでも届く技術があればこそですね。それと乗峯さんの装置が素晴らしかった。こういう小さい劇場で隙のない装置に出会うと、それだけで嬉しいです。観ていて実際にこんなお店があればいいのにと思いました。セットという事では、チラシの撮影でお借りしたのもとても良いお店。自由が丘にあるバターフィールドです。スズナリとおなじく30年やってらっしゃるそうです。ダイナー風の雰囲気だけのなんとなく作られたお店はたまにありますが、よく見ると置いてあるモノの年代がバラバラだったりします。ここのは本物、すべてが30年経ってるからごまかしようがない。経年の良さは経年じゃないと出せないですわ。
100_5361.JPG   100_5364-2.jpg   100_5356.JPG

しかも、しかもですよ。ドーナツがここの名物。こりゃあ出来過ぎです。パンフレットの表紙はバターフィールドのマスターに揚げてもらった出来立てを撮影しました。おそらく物語で出て来るドーナツも素朴でこんな感じではないでしょうか。
ここからはパンフレットのお話。
doughnut.jpg   takizawake.jpg
kawamori .jpg   hogiuta2.jpg

hogiuta3.jpg

加藤健一事務所のパンフレットはA4の半分。A5を横に使っています。加藤健一事務所のお仕事に関わって1年経ち、4本の作品のパンフレットを作りました。パンフレットの表紙のビジュアルはチラシとは変えますが、内容やイメージが近いものを探して作っています。『滝沢家の内乱』は滝沢家の嫁の着物をイメージして、古い着物の端切れを使いました。『川を越えて、森を抜けて』も布なんですがパソコンで色を変えて2組の老夫婦をイメージ。『シェルター』『寿歌』はやはり地球かと思い、事務所の前で空を見上げて撮影しました。赤い傘はチラシのイラストからとって飛ばしました。表と裏がつながるようにレイアウトしたんですが…広げないですね。パンフレット作りは楽しい仕事です。お芝居の原点をさぐりにスズナリへ!観劇の記念にパンフを!内容も充実してます。1コイン500円はお値打ちですよ。特に特にスズナリは厳しくゆとりがないんでので皆さんお願いします。ゆとりがないから魅力があるんじゃないの〜なんて野暮なこと言わないでね。
タグ:スズナリ
posted by gutter at 21:00| Comment(0) | 演劇

2012年05月28日

ここんとこ観たお芝居アレやコレや

『シダの群れ』シアターコクーン
何となく好きな岩松了さんの作品。彼が出ているだけで映画もテレビもCMもつい観てしまう。あのインチキ臭いムードがたまらないんです。昔のことですが、岩松了さんが「東京乾電池」に加わる前と後で「乾電池」ってガラっと変わったような気がします。それまではギャグ中心のコメディ集団だったのが、お芝居をちゃんとやるようになった。その当時の自分はギャグコメディの方が好きだったので、岩松さんが関わるようになってから「乾電池」は次第に観なくなりました。それが今は岩松さん見つけてはニマニマしてる。わからんもんです。
その岩松さん作演出の「シダの群れ」。笑いもなく、話も普通。誰一人どういう人なのかわからない。なぜ死ぬのかもわからない。何を観せたかったのか?何をやりたかったのか? 松雪さんがもったいなかったなぁ。そもそもヤクザものが好きではないし、苦しかったです。
『ナシャ・クラサ』文学座アトリエ
芝居を愛するすべての人に、ここ文学座アトリエで一度は観劇してもらいたい。文学座アトリエには演劇の神様が住んでいます。手前の旅館だった建物は新しくなりましたが、アトリエはそのまま。舞台も客席も広くなって使いやすそうです。この空間に浸れるだけでワクワクします。
改装前のアトリエ、今も外観はほとんど同じです
bungakuza.jpg

舞台はポーランド北東部の小さな町。ポーランド人とユダヤ人が共に楽しく学ぶ教室。その10人の同級生が第二次世界大戦の濁流に巻き込まれ、その後の現代までを描く重く悲しい話。イェドヴァブネ事件がモデルになっています。装置は教室にある古びた木の机と椅子だけ。台詞は主に観客に向かって過去形で発せられます。観客に報告する形をとった報告劇ともいえます。1幕は、構成の巧みさとたたみかける速いテンポ、役者のパワーに圧倒されぐったりしました。休憩の間、あまりの見応えにこりゃどうなることかと身構えたんですが、2幕はどうも1幕の熱が引いて行く感じがする。大戦後になって登場人物が年をとっていくわけなんですが、それがほとんど見えない。報告なのであえて見せてないのかもしれない。自分としてはもっとそれぞれに年を重ねた怖さが現れる2幕が観たかったです。話がものすごいので見せられてしまうけど、人間としての変化が観たい。清水さんは良かった。2幕はもっと面白くなりそう。う〜ん惜しかった。
『母』前進座劇場
前進座劇場が来年1月で閉館になります。小さくても花道、廻り舞台があって見やすい、いい劇場なんで本当に残念です。自分としても若かりし頃、裏方として働いたことがあるので寂しい限りです。その前進座のさよなら企画第一弾がこれ。前進座の女優いまむらいづみさんのひとり語り、朗読劇です。小林多喜二の母セキとして息子小林多喜二を語るんですが、いや〜見事、素晴らしい。こんなに完成度が高いとは、ビックリしました。1時間弱の朗読なんですがちゃんと人間として存在してました。芝居を志す若い人にぜひ観てほしい本物ですね。一般的には知られてない、もうすぐ80になろうかという女優さんですが凄かったです。流行のお芝居やテレビに出ている人だけを追いかけるなかれ、観るなかれ。


posted by gutter at 17:39| Comment(0) | 演劇

2012年05月02日

「もしや、もやしか」もやしは本物を撮影しました。

お芝居の仕事をしていると再演の作品に出会う事も多いんです。今年やっているモノの中にも「賭け」「リチャード三世」「もやしの唄」と三本も入っています。あっ初演は関わってないんですが、今やってるカトケンさんの「川を越えて、森を抜けて」もそうですね。初演はもちろん勢いがあっていいんですが、再演ってほとんどと言っていいほどより良くなるように感じます。スタッフもキャストも課題がわかっているからなんでしょうか、ちょこちょこした穴が塞がれて、役者も登場人物に入りやすくなり、芝居がまろやかになる。勝手にそう思っています。
テアトル・エコーの次回作の再演「もやしの唄」は初演が2004年。この作品は岸田國士戯曲賞(小川未玲さん)にノミネートされました。昭和30年代、高度成長期の真只中で、気の遠くなるような手間をかけながら、休むことなくもやしを作り続けた、ちいさなもやし屋「泉商店」の家族の物語です。小川未玲さんのご親戚がやられていたという話を聞いた気がします。当時、もやし屋さんがあった事はちっとも知りませんでしたが、二十世紀少年や三丁目と同じ昭和の良き香りがぷんぷんした懐かしくも愛すべきお話です。あと面白いのは装置に井戸があって本物の水が出ます。けっこうジャバジャバ出ます。驚きますよ。奈落のあるエコー劇場ならではですね。でもどうやったらあんなに水が出るのか…必見です。
テアトル・エコー 6月1日〜13日 恵比寿・エコー劇場 
http://www.t-echo.co.jp/

で、チラシ。再演となるとチラシの雰囲気をガラッと変える場合もありますが、今回のチラシは前回のものを元にちょっとリメイクすることにしました。プリントゴッコで描いた花岡道子さんのイラストがとても良かったからです。

もやしメイン.jpg

タイトルも大きさは変えましたが以前のもの。このもやし本物です。もやしをたくさん買って来て事務所で撮影しました。当時はフィルム(アナログ)、そして1発撮影、合成じゃございません。(今考えると1発じゃなくてもいいんですが1発は1発の逃げ場のない良さがありますね)だから再演だって再々演だって使わなきゃ!
その撮影時の日記から…

部屋に入った途端、なんともいえない青くさ〜い匂いが鼻を襲った。
「も、もやしかぁ!」見ると足下にブルーシートが敷かれ、大量のもやしが部屋中にばらまかれている。そこでカメラのMさん、カメアシのNさん、そして事務所のS。3人の女鳩が手をもやしまみれにしながら、一生懸命にもやしの字を捜索していた。「あっ市川さん!時間が立っちゃうと変色しちゃうので“や”やってください!はやく!はやく!」自分の担当の“も”をいち早く完成させたSが自慢げに追い立てる。あわててはいつくばり、もやし戦闘モードに入らざるをえなかった。が、すでにいいカーブのもやし君たちは女鳩共に蹂躙しつくされ、直立不動君しか見つからない。あ〜あせる〜。そのうちにトランプの上がりコールのように
「できた!これよくなくない?唄に見えるよね。唄は難しいよ〜」
「あった〜この“の”もどう?」「いいのあったじゃ〜ん」とさらにあせりを誘うウキウキ声が飛び込んでくる。そしてついに、信じられないお言葉が突き刺さった。「とりあえず“や”抜かしてポラきります!」
このとりあえずってやつが一番怖い。
部屋はもやしとオレを置き去りにして暗くなった。

もやしタイトル.jpg

今はデジタルだし、ポラもないしけど、限られた失敗の出来ない事って大切ですね。そうそうオレの“や”はMさんが見つけてくれて無事おさまりました。今回これみて薔薇とか作ったらという友人がいましたが、そもそももやしで薔薇作るって意味ないし…
posted by gutter at 21:20| Comment(0) | 演劇

2012年04月28日

その絵本は「ふきだす絵本」でした

年々黄緑が好きになります。赤く芽吹いた葉っぱが、太陽の強い光に追いやられて一気に黄緑になり溢れる、そんな季節になりました。急に暖かくなったので、木や草が芯からあわててグイグイ黄緑を押し出している感じです。
暖かくて蚊もいなくて散歩するのに一番いい季節ですね。先週の今頃は自分が関わっているお芝居「ふきだす絵本」の真っ最中でした。
本当にバタバタして休む暇もないオー忙しの舞台だったんで、今のこの静寂と黄緑が身体に優しく染み入ります。
お忙しい中、ご来場いただいた皆さまありがとうございました。

19_0050-2.jpg 19_0076-2.jpg
19_0501-2.jpg 19_0436-2.jpg
19_0609-2.jpg 19_0364-2.jpg
19_0479-2.jpg 19_0962-2.jpg

今回のカワイイ舞台美術は向井登子さん。東京セレソンデラックスやハイリンドの美術もやられているんですが、今回は全体を絵本をモチーフにした楽しい美術を作ってくれました。舞台奥の窓の中は布に書かれた絵で背景が変わるようになってます。絵本カフェのテーブルクロスも彼女の手書きのチェックです。
彼女と初めて会ったのは15年くらい前でしょうか、まだ美術のお仕事はしてなくて、知り合いの制作のお手伝いをしていました。チケットの取り扱いとかもぎりとかです。いずれ美術をやりたいんですと言ってたのを思いだします。そのあと連絡もしてなかったんですが、7年くらい前に、関わったお芝居の現場に舞台監督助手バイトとして来ていて、偶然久しぶりに会いました。そこで美術の仕事もちょこちょこやっている事を知り、しばらくしてお願いするようになったんです。今では彼女の方がグングン成長しちゃってお願いするのが申し訳ないくらい。黄緑色も過ぎて立派な青々とした緑色をふきだしています。嬉しい緑の縁になりました。
posted by gutter at 15:44| Comment(0) | 演劇