2018年10月19日

チラシ?フライヤー?…それとも…

お芝居のチラシって最近はフライヤーと呼ばれることが多くなりましたが、このフライヤーって言葉がな〜んか好きになれん。な〜んかこそばゆい。そもそもフライヤーって揚げ物作るやつじゃないの?いいフライヤーですねって…串カツ田中か! フライヤーより断然チラシですね。 チ ラ シ !
それとお芝居のチラシデザインをする時のスタッフ名の宣伝美術。これもな〜んか固くて好きじゃない。…なにかいい呼び名はないもんかな〜。
で、今の演劇界!大きく出ましたが、自分の関わってるお芝居が、チラシと呼ばれているのか、はたまたフライヤーなのか豆調査しました。調査の方法は老舗劇団にはちょっと弱点なんですがパソコンのリアルタイム、つまりツイートですね。現時点でお芝居をやってるのかどうかが影響しますが、
とりあえず今日10月19日。事務所でデザインした仕事で調査してみることに…。
終わって数日の加藤健一事務所の『OUT OF ORDER』とシーエイティプロデュースの『スケリグ』それぞれにフライヤー、チラシとつけてリアルタイム(ツィート)で検索したところ。

『OUT OF ORDER』フライヤー0、『OUT OF ORDER』チラシ2
『スケリグ』フライヤー49〜、『スケリグ』チラシ1 

『OUT OF ORDER』は公演が終わってしまってたという不利な条件ではありますが、やはりチラシ派。良かった。やはり芝居はチラシです。加藤健一事務所でフライヤーって検索されてたらジェネレーションギャップの渦の中に吸い込まれてました。演劇通で知られる中井美穂さんも「めくるめく演劇チラシの世界」というのを最近スマホでやってるようですし…古くからの同士はみ〜んなチラシですね。ホッ。

かたや『スケリグ』は主役がジャニーズの方ですし観客層がグ〜ンと若いということもあり圧倒的にフライヤー
でした。スケ…リグですよ。スケネグでもスケスケネグでもなく ス ケ リ グ です。ついでに、あくまでついでにですが…なんとなくスケべ根性でもなんともなく、スケネグって画像検索したら〜なんと!
思いもよらなかった方向からきました。世の中広いです。ググってください。驚きます。スケネグ…あっスケネクなのね。

そんでもって若者がスケリグ フライヤーと検索しまくってる『スケリグ』はこちら来年1月です。
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わけあってチラシ画像をお見せできないのでこちらから
https://www.stagegate.jp/stagegate/performance/2019/skellig/index.html?fbclid=IwAR1NJmXB78FH0w9eLClF0WyoWaqav-pigz1R_QD-_scGlyUi24GLQwoTBOA


ちなみに同級生の下等くんは昔っから「ビラ」と呼びます。
「いちかわ〜ビラいつ出来るんだっけ〜」みたいな感じ。

ビラってのも…なんだか…やだなぁ
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2018年10月16日

海岸の家

前に「芭蕉と小さいおうち」で書かかせていただいた大叔父の中村俊定先生の娘さん(T子さん)が亡くなられ、(娘さんといっても米寿の方ですが)お葬式に行ってきました。いつもニコニコしていてやさしい叔母さまでした。父親の従姉妹にあたります。なんどか家にふらっと遊びに行きました。応接間のある洋室付き日本家屋と猫。そして、おばあさまとT子さん。今思うとけっこう遠縁なのにずうずうしかったです。
http://gutter-info.sblo.jp/article/105002340.html
↑ところで唐突ですが、
この時の任侠家系のお話の続編です。
父親のひいばあさんの妹か姉かが清水の次郎長の兄弟分の女房だったという人なんですが、最近『次郎長三国志』を読んで少しわかりました。
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名前は、おきた。「形ノ原の斧八」親分の女房でした。でしたんですが、今回調べたら、このおきたさん、金のことになると親も亭主もない相当なドケチ。亭主が賭場で稼いだ金をせっせと隠して自分のへそくりにして知らん顔。ある時、次郎長の奥さんのお蝶さんが、一家と旅の道中に瀬戸で病気になってしまい動けなくなったんです。さすがの次郎長親分も旅先なので次第に薬代もなくなり、金策つきはて困っていました。それを知ったご先祖斧八親分は人肌ぬごうと思い立ち、おきたにへそくりの金を出してくれないかと頼みます。でもおきた、そんな人の女房のこたぁ知ったこっちゃない、と頑強に拒んで首を縦にふりません。結局、斧八はおきたから力づくで三両のへそくりをふんだくって…「畜生!泥棒〜!」と言う声を尻目に20里の距離を走り次郎長に届けた とか。それから兄弟分になったとか。美談ですが、血の繋がっている祖先はドがつくケチだそうで…はい。

という江戸、明治は置いておいて、昭和の市川家のお話。父親の兄弟が7人、祖父の兄弟も7〜8人(うろおぼえ、この中に中村俊定先生も入ります)いらっしゃるので親戚が多く、お正月や法事には「海岸」と呼んでいた祖父母が住んでいた家に集まったものでした。T子さんもよくいらしてた。どこかの富豪の別荘だったという明治の建物です。広い庭と蔵と離れ、父親の兄弟はみなこの家で育ちました。うちの父親が20年以上前ですが、亡くなった時にお通夜をやったのが最後。その後、市の移転計画で壊されて、今はアピタになっています。
今回T子さんの式で従姉妹や、また従姉妹に会い、ブログを見てくださっている話も出たので、取り壊される直前に「海岸」を撮った写真を、知ってる全ての人に贈ります。日差しが強い日にポジで撮ったので、画像が荒くすみません。
そうそう、上がると三畳のたたみが敷いてあった広い広い玄関の右横にあった下駄箱覚えてますか?今直してうちにあります。

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タグ:蒲郡
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2018年10月14日

猫女房と小宮さん

コント赤信号の小宮さんとの出会いは、テアトル・エコーの公演『お手を拝借!』でした。ラサール石井さんの作・演出で小宮さんが客演、2009年のことです。お二人とも養成所の大先輩でもあり、撮影の時は緊張しました。

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それから3年経った2012年の春、突然連絡があり、そこから小宮さん主催のお芝居をお手伝いするようになりました。ひとり芝居シリーズの三本目『先代』のチラシ制作です。ほかのデザイナーが今までやっていたチラシも良かったですし、自分がやった『お手を拝借!』の時も良い悪いは言われなかったので、なぜ声をかけてくれたのか不思議でした。が、とにかく嬉しかったです。チラシは10月の中旬に出来上がりました。

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「良かったね…うちの奥さんもチラシいいって言ってたよ」
「似顔絵が今までにない感じでいいって」「猫もいいって…」
「…あっはぁ…」奥さん…
良いと言われるのは嬉しいんですが…突然奥さんの事を言われたので…なんて答えたらいいのかわかりませんでした。仲がいいんだな くらいに思っていました。

2013年になって、ひとり芝居の三本立てをやることになりました。

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それで自分がやってない過去の二本(『接見』『線路は続くよどこまでも』)の舞台写真もパンフのために選ぶことになったんです。代表作の『線路は続くよどこまでも』の舞台写真を一緒に選んでいた時の事です。大量の写真がおさめられたファイルをめくると、誰かが以前に選んだらしく、良い写真にセレクトした三つのマークが付いています。丸、三角、二重丸。一つは小宮さん、もうひとつはカメラマン…
「小宮さん、この二重丸は誰のマークですか?」
「あっ、女房の」「女房がけっこういいの選んでるんだよねぇ」「……」
結局、選んだ写真はすべて二重丸のものになりました。本当に良い写真ばかりでした。この時の「女房の」という小宮さんの言葉が、なにか遠い感じがして、もしかしたらと感じました。

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最近小宮さんの出された本『猫女房』を読んで、奥さんが亡くなられたのは2012年の10月末ということがわかりました。まだ42歳、長い闘病生活だったようです。2012年の10月末といえば、『先代』のチラシが出来たすぐ後です。『先代』の舞台は観られませんでした。具合の悪い事は誰にも言わないでほしいと奥さんに言われていたそうですが、一番大変な時に会っていながら悼みを感じとれないマヌケでした。
本はとてもとても愛情溢れる本。近くにいる大切な人が病になった時に読んでほしい本です。奥さんとはお会いした事はないけど、『先代』のチラシで、座布団横取りしちゃってる猫を出すアイデアは、猫が大好きだった奥さんが贈ってくれたのかもしれないな、と思っています。

最後のは2015年のチラシです。奥さんが大好きだった『線路は続くよどこまでも』のチラシも見てほしかったです。
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2018年08月22日

忽ち…平らげる

夏にお世話になっている方へ贈るお中元は毎年ふるさとの蒲郡の品を贈っています。海老せんべいです。今年もお中元は蒲郡の“海老萬”さんから海老せんを贈りました。
https://ebiman.co.jp/index.php
いまはもう無いんですが、ふるさと蒲郡の海の近くに父が生まれた家がありました。板塀の囲まれた大きな家で、立派な冠木門と蔵、広い庭の隅には離れがある明治の平屋の建物で、親戚中では“海岸”とよんでいました。だいたい田舎って名字がみんな一緒だから地名で呼びますよね。
「お父さんどこ行くって?」
「海岸行ってから五井まわるって言っとったよ」
「ほ〜かん」
みたいな感じ。昔は誰かの別荘だったようです。その海岸でよくお茶うけに出たのが、海老萬の海老せん。中でも祖母が“特上小花”という、ちょっと高級なおせんべいが好きで、たまにねだって数枚食べさせてもらってたんですが、これがもう絶品。1mmないくらいの薄さに凝縮された密度の濃い美味しさ。海老せんの常識が覆ります。で、その味が忘れられず皆さんにすこしだけ贈っているというわけなんです。特上小花とその他大勢ですが…

なんですが…仲代さんには新潟の冷蔵黒崎茶豆を贈っています。お一人暮らしされてる時に、小腹がすいたらちょっと食べられるものはどうかな…なんて浅はかな思いつきで。これは冷蔵でして、しばらく置いておくだけで美味しいんです。そうしたら、先日なんとなんと直筆の素敵なお葉書を頂戴いたしました。

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忽ちもいいし、平らげるも素晴らしい。流石です。家宝にしようかな。
忽ち平らげてくださるモノで良かったです。

仲代さん関係は前にポスターを集めていると書きましたが、パンフレットも珍しいものをみつけると手に入れています。野獣死すべしは穴が惜しいなぁ。

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タグ:仲代さん
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2018年08月11日

本棚がお気に入り

本棚に並んだ本を眺めているのが好きです。人の家に遊びに行ってもつい本棚を見ちゃいます。見ていい〜って聞きますが…。図書館や古本屋に行った時なんかは、本棚の並んでいる横道に入るとなぜか落ち着きます。本棚と本棚の隙間にすべり込み、居心地のよい並びまでカニ歩き…気に入ったジャンルの本たちを眺めるのがまずいい。掘り出しものを求めてじっくり選ぶのも楽しいし、ジャンルや作家で固まったラインアップをちょこちょこ読むのもいい。ジャケ選びも大切です。一冊の本より本棚が好きなのかも。決まった本をネットで買うだけじゃつまらない。

実家の二階には16畳ほどの書庫があり、帰省すると本棚の間をブラブラします。母親が「スリッパはいた〜」「ストーブつける?」「掃除してないから〜」とかなにかと下から大声で言ってきますが、構わずブラブラします。本棚好きのルーツは実家の書庫にありました。
父はとにかく本が好きな人で、本をとても大切にしていました。亡くなった時に、この街で一番の蔵書家で色んな事を教えていただいた、と駆けつけた市長さんからお悔やみをいただいたほど。父の本屋ブラブラもとにかく長かった。1時間なんてザラなので、つきあってた母がよく我慢したなと思っています。父とはあまり本の中身については話をしなかったんですが、『チボー家の人々』が好きなのは知っていたので全集の何冊かをお棺に入れました。それからそれから、持ち主を無くした本のほとんどは、演劇や文学、絵などのジャンルを残し、神田の古本屋さんに持って行ってもらいました。

さて事務所の本棚。基本的に仕事の本と資料しかなく、父の書庫とはずいぶん趣きが違いますが、チェーホフやシェイクスピアは実家から持ってきています。残した本が大活躍。パンフをつくる時なんかの度に母に送ってもらっているんです。父とはチェーホフやシェイクスピアの話をしたことも無かったんですが…とても役だっています。

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そのほかは新しい本はないんですがイラストや美術、演劇なんかの資料
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隣に小5の女の子が住んでいて、学校帰りに鍵を忘れるとうちの事務所でママ待ちすることがチョクチョクあります。そんな時、彼女が読む本がなくて困ります。
ちょうど高学年用のがないんです。彼女が使ってる本棚とはだいぶ違うんでしょうね。
まぁでもこんなのが落ち着くな。こんな本棚をブラブラしたい人はぜひ!

最後のは家の演劇と映画の本棚。本棚も実家にあったもので気に入ってます。
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2018年07月23日

シェリーさんと四半世紀

猛暑中お見舞い申し上げます。39度ですって。体温計も壊れそう。昔、事務所に勤めていたアサノタダノブが大好きな I サキさんがとにかく寒いのが苦手で、「北海道のアサノタダノブより沖縄のワダベン」とか訳の分からない事言ってましたが、彼女も今年は北海道を受け入れてることでしょう。こちとら幸いなことにヒマなので、頭も体もボーっとしつつアイスしております。普段はピノ6個続けては多いなと思って4個くらいから逡巡しますが、今日はアッという間。二箱いけそう…暑い中、仕事も少しはやってます。
いまとりかかっているのは「三茶de大道芸」。三軒茶屋で10月に開催される大道芸イベントの、チラシやリーフレット、看板などの制作です。メインビジュアルはイラストで、イングランドの田舎にお住まいのイラストレーター、ジョン・シェリーさんに毎年お願いしています。現在の進行状況は、色付けした最終ラフの段階。最初の鉛筆ラフも、最終的な入稿データも全てイギリスからメールでもらいます。便利な世の中になりました。地球上どこのイラストレーターとも仕事ができるわけです。素晴らしい…。と言ってもシェリーさんは長く日本にいらしたので、日本語ペラペラ書くのもへっちゃら、こっちが英語ゼロでも大丈夫。シェリーさんの日本語力に頼りっぱなしです。…まぁイギリスに帰られて数年になるので、だんだん日本語があいまいになってきてて、“こんいちは”になってたりはしますが、そんなメールを読むのも楽しいです。
シェリーさんとはもう25年のおつきあい。一番最初はまだ駆け出しの頃「TOKYO演劇フェア」という演劇イベントのポスタ−でした。それからちょこちょこあって、「三茶de大道芸」がレギュラーになり、大道芸だけでも18年になります。イラストレーターさんの中で一番古くて長くコンスタントにお願いしています。

「TOKYO演劇フェア」のパンフと何年か前の「三茶de大道芸」のポスター
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シェリーさんには広告やシンボルキャラクターなどで使う、キャッチーで線の強いタッチ(上)と、主に絵本で使う、ペンと水彩で描いた繊細でストーリー性のあるタッチ(下)があります。どちらも素敵なんですが、ペン画が特に素晴らしい。

例えば、あなたの知らないアンデルセン「人魚姫」評論社より
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普段のシェリーさんのお仕事はこっちが多いです。最近描かれたシェイクスピアの本もとても良いです。ぜひ、ホームページをご覧ください。
https://www.jshelley.com/

ペン画のタッチはテアトル・エコーのチラシで2回お願いしています。
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シェリーさんによるとイングランドは日本ほど暑くはないものの雨が降らなくて深刻な状況になっているようです。イングランドといえば雨。雨のロンドンですよ。なんだか北半球がおかしくなっているような気がして心配です。北半球に適度な雨を!ついでにちょっと日照りなうちの事務所にも雨を!大道芸の日には降らないで!ゼッタイ。
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2018年07月09日

真夏の冬物語をぜひ

子供のためのシェイクスピア『冬物語』が、いよいよ明日、7月10日から始まります。
『冬物語』は崩壊した家族が、16年の時を経て再生する物語。この時を経ることが重要な要素となっていて、もともとの原題には“時の勝利”という副題がついています。
このカンパニーにとっても16年前というのが大きな節目でした。グローブ座カンパニーから子供のためのシェイクスピアカンパニーに変わったのが16年前だからです。その年にグローブ座を離れ、劇場を持たない集団(華のん企画制作)として活動を始めました。
また『冬物語』は7年という時も経ています。7年前に初演した作品の再演だからです。7年前、あの2011年震災の年に初演し、それから7年が経ち、再生の物語を再演します。色んな意味でメモリアルになりました。
チラシのイラストは、7年前に100%ORANGEさんに描いていただいたものをマイナーチェンジしました。今回はより冬を意識しています。CASTの名前が雪道を歩いてる風のところなんかは気に入ってます。
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話は変わりますが、
演劇のパンフレットを作る時のアイデアとして、対談と稽古場写真以外に何ができるのか?どんな企画ものがあったらお客さんに楽しんでいただけるか?それをいつも考えています。ほとんどのパンフは、ご挨拶、出演者紹介、対談、稽古場写真で成り立っていてマンネリを感じます。またアイデアを思いついたとしても実現は難しい場合が多いんです。そこへいくと考えついたアイデアを何でも楽しくやらせていただいているのが、子供のためのシェイクスピア。16年もやっているのでアイデア枯渇気味ですが…
その中からふたつご紹介します。ひとつはシェイクスピアその人の人物解剖。こういう箇条書き的なものが無かったんでやってみたかったんです。ライターが頑張り、先生にもご協力いただいたんですが、なにしろ400年以上前の人物なんでかなり推測も入っています。背の低さは住居の戸から推測…映画の恋するシェイクスピアだと身長は180cm超えですが…それはそれ…。(『オセロ』パンフレットより)
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もうひとつは、ツアー地紹介から。毎回ツアー地の方々にも参加いただいていて、その土地特有の情報を載せています。テーマはなんとなく作品に寄せたモノが多く、その地その地の花とか城とか祭とか…ちなみに『冬物語』はパワースポットです。で、一番気に入っているのがコレ。ツアー地の方も面白がってくださり、方言を教えていただきました。(『尺には尺を』パンフレットより)
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ぜひ!今年もご観劇いただき、パンフもお求めくださりますように…
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2018年05月29日

河野鷹思さんの初期の作品にホレボレする

5年くらい前だったかな?事務所のSが持っていて、すごく欲しくなりすぐ買ったのがコレ。河野鷹思初期作品集。素晴らしいです。
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ほんとにほんとに素晴らしい。いま持っているすべての画集や作品集の中で一番ですね。どんなに高くても買う本。この作品集は、河野さんが松竹キネマ座に所属していた頃の映画ポスターや広告などが掲載されています。斬新なデザインが社内でも映画監督達にも好評で、自由にのびのびとやれたようです。また、中に載ってるエピソードもとても面白いんです。小津監督の名前を入れ忘れたり…あぁお気持ちわかります。5度くらい体温下がっただろうな〜。

河野鷹思さんの事は、お恥ずかしいかぎりですが、独立する前の会社時代は知りませんでした。その河野さんを知らない時に作品に出会ったのです。(この話は以前も書きましたが…)
20年くらい前です。大勢で越後湯沢にスキーに行った時のこと。みんなで晩ご飯の後、温泉町の商店街をブラブラと散歩してました。そこに、お土産屋さんにまぎれて小さなしょんぼりとした古道具屋さんがあったんです。骨董と古本と昔の雑貨やら絵はがきやらなんやらかんやらゴチャゴチャした店。このゴチャゴチャでほこりっぽい収拾つかない店にこそ掘り出しものがあります。奥に商売っけのないオヤジが退屈そうに座っています。パソコンいじれないタイプかな。4人くらいでお店をのぞいてたんですが、みんなは時間をもてあまして出たそうにしてました。もうちょっと待ってて〜とみんなに声かけて物色してところ、古道具のスキマでに紙の束がつっこまれてました。おっこれは?戦前の映画広告のようです。値段はついてませんがビビっときました。
「これ、おいくらですか?」なんとなくさりげなく聞いてみる。
冷やかしだと思ってたところに不意をつかれてビックリするオヤジ。
怪訝そうな悩んでいる顔。しばし静寂…この間合いが面白い。
あきらかに自分の知らないジャンルを思いがけず聞かれた体です。
「…まとめて1000円で…どう?」「買います」即答「○×△さんが〜」なんやらかんやら言ってましたが、聞かずにすぐ払いました。

広告が8枚くらいありました。状態もいいです。なにやらKOHの印がついてます。帰って調べると。KOHは河野鷹思さんのサイン。初期の作品が4枚もありました。事務所でSに見せるとビックリ。本物をはじめて見たようです。特色三色刷り。シルクかもしれません。

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1930年製作、小津安二郎のサイレント映画「お嬢さん」栗島すみ子主演です。田中絹代さんも出演されてます。その時併映された「薩南総動員」、それから1931年の上山草人主演のサイレント映画「愛よ!人類と共にあれ」と、1934年のトーキー映画「日本女性の歌」。どれもタイトルデザインが素晴らしい。
それからそれから、Sのマネして作品集を手に入れて、いまやバイブル。本棚に鎮座してます。
昨日久しぶりにアイデア探しで本を開いて昔のことを思いだしました。
タグ:河野鷹思
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2018年03月23日

ふぉ〜ゆ〜つ〜み〜 

ちょっと前までやっていた尾山台の北口商店街のホームページ。愛称を「ふぉ〜ゆ〜」といいます。なのでふぉ〜ゆ〜尾山台と検索すると出てきます。
最初聞いたとき、え〜っ「ふぉ〜ゆ〜」?あまりにも昭和。しかもひらがなってドウナノ?って思ってました。それが、それがですよ、一緒にやってるwebデザイナーから「ふぉ〜ゆ〜」っていう名のグループがジャニーズにいることを教えてもらったんです。2ポイントアップ。でも、ジャニーズにしてもあまりにもベタじゃないかな、なんて考えてたら「ふぉ〜ゆ〜」っていうのは四人組で、四人とも名前にゆうの字が入ってるから「ふぉ〜ゆ〜」なんですって。四人のゆうちゃんだったとは…ダジャレだ。ふぉは誰にかかってるの?貴女なのか自分たちなのかわからない。まぁジャニーズっぽいといえばぽい。
尾山台の商店街の人にジャニふぉを教えた時、彼らのことは全く知らなかったんですが喜んでました。
それが1年前の出来事です。

で、今年の1月。新しいお仕事貰ったら、なんと主役が「ふぉ〜ゆ〜」福田悠太さん!いきなり50ポイントアップ。人間そんなもんです。撮影の時に福田さんに尾山台のこと話したら、街のことは知らなくて驚いてました。ベタベタなお客さん目線の名前と四人のゆうちゃんじゃ成り立ちが違いますが、よくもまああ同じひらがなでニョロニョロも一緒になったもんです。

諸事情でこの写真(DAY ZEROで検索すると画像が出てきます)
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ひょんな偶然を楽しんでいた2月、今度は「ふぉ〜ゆ〜」メンバー辰巳雄大さん主役のお仕事が来ました。
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ふぉ〜ゆ〜のつ〜ゆ〜が、み〜に。
…ふぉだか、つ〜だか誰に喋ってんだかわけわかんなくなってます。とりあえずつ〜ゆ〜なんで、もうつ〜ゆ〜でふぉ〜ゆ〜のコンプリート目指します。あとふぉ〜ゆ〜でふぉ〜ゆ〜ロケもお願いします。ふ〜やれやれ…。いい忘れました。ふぉ〜ゆ〜お芝居かなりやります。
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2018年03月21日

隣のトルコ人

ドシン、ドシン!最初は地震かと思ったくらいだ。建物が壊れそうなくらいの…震度4くらいの揺れが来る。事務所は二階なんだが、本棚もMACも揺れる。地震は12時きっかりに終わり、13時ちょうどにまた始まる。事務所の隣家の解体工事が先週から続いているのだ。

昨日の15時頃、ゆるやかにピンポンが鳴った。「ピ〜ンポ〜ン」
チャイムは押し方でかなり違う。
玄関開けると、あわてた感じのヘルメットかぶったアラブ人?
「ミズ、ミズ、ミズ…だしてみて。ミズ、ミズでるか〜どうかぁ〜」
なんだ?
もしやと思って彼を押しのけ、外に出て下を覗く。むむっ。隣との境に水たまりがかなり出来ていて、近くにユンボが首を上げた状態でとまっているじゃないか。むむむっ。
急いで戻って蛇口をひねると…案の定出ない。くっと彼を見上げた。
「ミズ出ない?…出ない…わかった15分…15分…すみません」あとずさりする彼に
「ウエア〜ユ〜ケムフロム〜?」
「はぁ?日本語ダイジョブ」
「どこの国の人?」
「トルコ、トルコ…15分…15分…」そう言うと、彼はあわてて階段を駆け下りていった。

15分経った。出ない

「どのくらいかかるか聞いてくださいよ〜トイレ行きたいし〜」
事務所のSが言う。で、隣をのぞくと、先ほどの彼はいなくて残されたトルコ人が二人いた。ユンボに乗ってた運転手ともうひとり。トルコ人グループの解体業者なのだ。ユンボがこちらを見上げていたので、「どのくらいかかるの〜?」と聞くと「ダイジョブ、ダイジョブ…すぐすぐ…ダイジョブ」言い方が怪しい…Sにピーコックにでも行ったほうがいいかもと言い、下に降りた。現場に行くと水は増えてはいない。これ以上の浸水はなさそうだ。隣にいたユンボがさかんに「ダイジョブ、ダイジョブ」と言うので「どのくらい?」と聞いたら「5分」と即答。…怪しいな…どこ壊れたの?と聞いたら、水道管の壊れた部品を見せてくれて、その部品を最初に来たリーダーが車でホームセンターに買いに行ったことがわかった。歩いてすぐ近所に大きな金物屋があるよ、ダメ元で壊れた部品持ってそこに行ってみたら?とすすめたけど、ユンボはリーダーより日本語が通じないので一緒に行くことにする。

「いとこいとこ」「買いに行った人?」「そう…いとこいとこ」
リーダーはいとこらしい。いとこもユンボも30代半ばかな。
「どこに住んでるの?」「カワグチ」「みんなで?」「そうそう」
自分の知ってるトルコをとりあえず右上がりでなんとなく言ってみた
「イスタンブール?」
「そ〜う!アニキスゴイねぇ詳しいねぇ」凄くはないし詳しくもないし…アニキじゃないし…
「日本にきてどのくらい?」「ン〜5年…アニキ〜」
「5年でそれかぁ?家族は?」「トルコ」
「日本どう?地震怖くない?」「アンゼ〜ン日本すごくいい」
「安全かなぁ…あっテロとか?」「…そ〜う」
そうこうするうちに金物屋に着いたけどお目当てのものは無かった。
長靴が泥だらけだったのでユンボは遠慮して店に入らなかった。

事務所に戻って、よくて1時間だなと思ってたら10分くらいして水が出るようになった。下のパン屋、寿司屋、美容院の三軒がたまたまお休みだったのが良かった。しばらくして今度はピンポンが気持ちよく鳴り「ミズ出た?」とニコニコしながらユンボが来たので「明日も来るの?」と聞いたら休みだった。トルコ人の会社だから、お昼もきっちりしてるし、労働時間なんかもちゃんとしてるのかも。

パソコンに向かい直し、トルコ人 川口 と検索したらクルド人と出た。彼らが難民なのかはわからないけど異国の土地で働くのは大変だ。家ごと無くなるかどうかに比べたら、水道管なんてダイジョブなんだろうな。

写真は数日前の夜
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posted by gutter at 14:28| Comment(0) | 日記