2015年06月21日

ゲオからツタヤへ

近所のゲオが無くなってしまい仕方なく遠くのツタヤに行っています。ゲオで1週間50円のこともあった準新作を390円で借りなくてはならない。390円はないだろうと思っていると4本なら1000円になるという罠に引っかかってついつい沢山借りてしまう。見逃している映画も多いのでここぞとばかり色々観てます、その中から…
「インサイド・ルーウィン・ディヴィス」
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なにはなくともコーエン兄弟は観ちゃうんですが、今ひとつでした。猫がでていたからなんとか最後まで持った映画。途中で猫が変わってる事発見しながら観ました。猫侍と同じですな。だいたい猫侍でも籠に入れて運ぶよ。飼い猫でもないのにただ手で持って運ぶ事自体が不自然。「ハリーとトント」と絵面がそっくりですが、あのぐらいの仲になっても移動中はひも付き。音楽がらみの作品でいうなら「オー・ブラザー」の方がずっと良かったし、ミュージシャンの映画ならドキュメンタリーですが「シュガーマン」には遠く及ばない。期待が大きかったからガッカリも大きい。だけどコーエン兄弟作品は次もまた観ますね。
「ジャージーボーイズ」
まずウッディ・アレン調の客に語りかけるのがイヤ。あれで冷めました。ほんで前半が退屈。正直クリントイーストウッド作品でカタルシスを感じたことがないんで彼とは馬が合わない。曲だけ。監督の演出と波長が合わない。ほぼ同じ構造の「キャデラックレコード」の方が面白かったかも。ただ舞台はすごく面白そう。生であの展開であの曲なら間違いないでしょう。
「そして父になる」
是枝監督という事である程度わかっていたけど、想像こえる巧さにうなりました。すごく面白かったです。観る前から子どもを間違えられる話と知ってても引き込まれる。一人一人の人間がちゃんと計算され訓練され描かれている。福山が出てるってことがちょっと遠ざけていたけど福山じゃなきゃダメだった。お見それしました。タレントがお芝居してるって印象が変わりました。ガリレオとかもうやんない方がいいんじゃないかな。またリリー・フランキーのいいこと。10年くらい前まで自分の中では安斎肇に似た感じのイラストレーターって認識でしたが、頭と勘のすごくいい人なんでしょうね。彼を観てると役者の訓練って何なんだろうって考えちゃいます。好きなものがいっぱいあること、役を面白がってリラックスして集中すること、なのかな。自意識も高いんでしょうしどっかで屈折もしてるんでしょうが、それも含めて役者に必要な部分が備わっている。ぐるりの時は絵が描けるからなんだと思ったけど、今回電気屋さんに見える。感服。あと四人の大人の中で、結婚し子どもがいるのは真木さんだけ。だからなのか子どもとふれあう時の強さと優しさがステキでした。彼女の作品の中でも一番良かったです。
2013年のキネ旬1位は「ペコロスの母に会いに行く」。「舟を編む」が2位で「そして父になる」が6位ですが、ペコロスはつまらなかった。圏外。なら「そして父になる」と「舟を編む」でどちらかというと完成度や巧さでは「そして」なんだけど作品の力は「舟」。自分が選ぶなら1位「舟」で2位「そして」ですね。
「そこのみにて光輝く」
そこへ行くと、この映画が2014年度のキネ旬1位ということなんですがあんまり面白くなかった。去年は不作だっのかと思ってしまう。ダメじゃないけど、生々しく密に表現されてるだけでストーリーや展開に新しさはない。長いしある意味予定調和。おそらく30年くらい前に書かれていると思いますが、今観ると時代の焦点が微妙にずれててなんだかしっくりこない。「海炭市叙景」の方がずっと面白かったです。ただ弟役の菅田将暉、彼にはビックリしました。よく調べたら舞台もよくやってる役者さんのようですがスゴく良かったです。こんなにいいと思った若い人は最近ないかも。観終わってすぐ誰なのかパソコン立ち上げて調べました。主役の二人も高橋和也もいいけど、あの弟の役はそうそうできないなって思いますね。これから日本を代表する役者さんになるような気がします。
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2015年06月11日

Spirit of Derwin

暗中模索の中からはじまったPOP UP BOOKがやっとやっと…やっと完成しました。POP UP BOOK、飛び出す絵本風会社案内です。クライアントはヴィンテージ家具やヨーロッパのアンティーク小物を取り扱っているold maisonさん。9日から始まった展示会になんとか間に合いました。3月頭に最初の打ち合わせをしてから約3ヶ月。最後の1ヶ月は作っては直し、直しては作りのまさに手探りの状態でしたが、なんとか対岸にこぎつけました。手こぎです…最後はオールが流されて手だけだったかも…。
なんで家具屋さんの会社案内にダーウィン? そう思われる方も多いはず。 

案内状には、
いつも命をずっと見つめ、その謎を読み解こうとしたダーウィンは、自分の脚で調べ、目で見て、ひとつの結論を導いた。そんな彼の溢れる好奇心から学べることは何か? とあります。

つまり「ダーウィンの精神に学ぶ」Spirit of Derwinな展示会なのです。

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想像するのはは楽しいけど、表現し形にするのは難しく失敗の繰り返しがほとんどです。でもそこから生まれるものは想いは詰まっている。
好きなことを見つけて磨いて一緒に楽しいことをやりましょう!

今回の展示にはそんな気持ちがこめられています。

ダーウィンさんは進化論かガラパゴスの人くらいの認識しかなかったんですが、なかなかどうしてスゴイ人でした。POP UP BOOKなんですが24Pの本の中に25個くらいのPOP UPがありまして、old maisonの家具や小物とイラストの合体になってます。イラストはおおの麻里さんです。ステキな絵を描いてくれました。

写真を撮って、それに合わせてイラストを書いてもらい、組み合わせてPOP UPにするんですが写真が大変でした。POP UPって地面に対して平に置かないとおかしく見えるんです。でも普通に写真を撮ったら左下の写真のように椅子の奥の脚は奥の位置、そのままPOPUPにすると奥の脚は上にあがったようになってしまい1本足で床についてるようにしか見えません。
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だから脚をみんな床まで伸ばしました。変なんですが脚が上がっちゃってるのに比べると数倍いいんです。右の写真が完成したものです。机も奥のキャビネットもold maison商品。右の写真の左下の箱も蓋が開いて中に四つ折りが入ってます。これも大変でした。考えてみたら海外のすんごいPOPUPBOOKってイラストなんですよね。写真は難しいです…。
それから困ったのが、たたんだ時に貼ったモノがはみ出ちゃうこと。
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ガラスケースの中の家具はもっと大きくしたいとこですがこれでギリギリ…難しいです。そんなこんなを全部お見せしたいとこですがまだ見本しか出来上がってないんでここまで。
表紙は入稿データです。実際には穴が空いていてダーウィンさんの顔が見えているんです、ちゃんと中心にくるのかが心配だったんですがうまくいきました。
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タグ:old maison
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2015年05月11日

捻挫で足掛け上がり

1月末に白内障の手術した後ですが、眼は縫合できないので1週間は風呂に入れず温泉なんてもってのほかでした。3月頭になってやっと温泉OKでたもんだから調子こいてわずかに雪残る温泉地へ。そこでまたやっちゃいました。つるつるのツルツルの道でこけて左足首捻挫、で、ギプス。またまた風呂にちゃんと入れず…鉄棒の足掛け上がり状態。背筋にけっこうきますよアレ。
捻挫と言えばはるか遠い昔に同じような事がありました。シアターナンチャラを発行しているアサゴハンっぽい名前の会社にいた時ことです。北海道へ社員旅行に行ったんです。(その頃はねぇ〜ありがとうございました)
その日は登別温泉に泊まりでした。昼間は自由行動で何人かとクマ牧場へ行くことになったんですが、ちょっと風邪気味。クマ牧場行きロープウェーの入口に薬屋があったんで風邪薬を買っていると大きな声で呼ばれました。
「急いで、急いで〜クマ牧場4時半が最終だって〜」
ロープウェーの最終便が4時半というんです。見れば4時28分。あわてて釣り銭を掴み走り出したら、前の路肩で思いっきり転びました。
遠くで呼ぶ「急いで〜」に笑い声が混じります。
捻ったな はっきり感覚としてわかりました。
足はジンジンしてきましたがなんといっても登別といったらクマ牧場、行かないわけにいきません。それなりに楽しんで帰りにまた同じ薬屋によって湿布を買いました。温泉も北海道まで来て入らないわけにいきません。ダメとわかってても入りました。開湯以来、大浴場で右足外に出して足掛け上がりやったのは私だけじゃないでしょうか。
この時に右足首はギプスをしなかったこともあり3本ある靭帯のうち1本がいつの間にか切れて無くなってしまいました生活に全く支障はないんですけど、はげしい運動する時はサポーターをした方がいいようです。かなり前の事ですが、この右足の事があるので今回の左足はギプスになりました。面倒でも捻挫はギプスなんですね。

足が不自由な間(2月〜4月)事務所はおかげさまで怒濤の舞台まみれ、足掛け上がりで10回ぐるんぐるん回っちゃったくらい猛烈に忙しかったです。
無名塾は「バリモア」「おれたちは天使じゃない」それとホームページのリニューアル、子供のためのシェイクスピア「ロミオとジュリエット」、加藤健一事務所「ペリクリーズ」のパンフに「バカのカベ」「滝沢家の内乱」、テアトル・エコー「けっこうな結婚」、トロデトロ「ぺてん」、加藤忍一人芝居「花いちもんめ」それと現代音楽の祭典サントリーサマーフェスティバル、なんとかつつがなく納品できました。
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http://www.mumeijuku.net/
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もう過ぎてしまった舞台もありますが、どの舞台も成功しますように…

それから6月完成予定のPOPUP BOOKを明日入稿です。これはすんごく大変だったんですが、とっても面白いものになりそうです。

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2015年02月01日

さよなら水晶よ

眼の中の濁った水晶。右眼は去年の春まではギリギリ見えていて、免許の更新もクリアしていたんだが急に悪くなったんです。ほとんど見えない。駅の柱の駅名も見えない。眼科の検査に行くと、冗談でしょって感じの、手で持つバカデカイCひと文字のパネルが置いてありますが、それが見えない。

5年くらい前になんとなく眼がかすむので恵比寿の眼科に行った時のこと…
「白内障ですね」
「白内障ですか?どうしてなったんでしょう?」
「肌をつまんでみてください、ピチピチですか?赤ちゃんみたいにピチピチですか?」
「(つまむ)…違います」
「そういうことです」
「…」
「老化です」

普通は20年後に心配することだろうから職業病なのかもしれない。
それから騙し騙しやっていて、医者も10年くらいしたら…まあ考えてもなんて言ってたんですが急にダメになった。そういう事もあるようです。
なにしろほとんどのお年寄りがやっているとはいえ、眼の手術。仕事の事もあるし眼は最重要箇所。聞き、勧められ、調べ、名医と言われるA先生が執刀する病院で両目同時日帰り手術をやることになりました。大丈夫そうに見える左の水晶体も曇っているらしく一緒にやるのをすすめられ両目同時。両目同時って?…ちょっと不安でした。東京ではほぼA先生だけのようです。

それが30日。よりによって、白内障の最後の抵抗のような雪。うっすら積もってきれいでした。が、滑ったら大変、すぐ脱げる靴をという指示でしたがガッチリスノーブーツにして向かいました。
その日は35人が手術。全てA先生の執刀です。
60〜65例(片目を一例と数える)の手術が行われました。神業というかすごい体力と集中力。診察や目薬さしながら3時間くらい待って、手術前控え室へ。そこで点滴して血圧と心電図測る器具をつけ、手術時間は両目で10分くらい、右がすんだらすぐ左にいきます 。手術中は進行を穏やかな声で教えていただきました。痛くはなかったんですが、白内障をとり終えてレンズを入れるまでの20秒くらいが真っ暗になり、0の闇という感じで怖かったです。
人が多く忙しいゆえの居心地の悪さはありますが、初診に予約がいらなかったり、紹介料をとらなかったり、料金も高くないし良心的。問題は混んでいる事、診察もかなり待ちます。手術も今からだと6月。えっていうくらい先ですが難しい眼の人も全国から来るようなのでしょうがないかも。

昨日は手術後の診察日
「なんだか見えすぎちゃって、家が汚くて汚くて、あちこち掃除してたら気持ち悪くなっちゃたわよ〜」
「だめよ〜まだ動いちゃあ」
なんていうおばあちゃん達の声もどこか明るくはずんでました。
タグ:白内障
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2015年01月10日

ポンチ絵

風刺漫画のことをポンチ絵というのはなんとなく知っていたが、ポンチ絵というのがイギリスの風刺漫画雑誌PUNCH(パンチ)からきていると知ったのは、無名塾公演「ホブソンズチョイス」のパンフレットをやった時のこと。
「ホブソンズチョイス」は19世紀の終わり頃という設定なので、当時の日常の風俗がわかるイラストを入れたくて探していた所、図書館で膨大なPUNCHの合併版(10年ごとに分類)を見つけ、その中から時代の合うものを掲載した。パンフレットにあるイラストは全て風刺漫画雑誌PUNCHのものだ。
PUNCHは1841年創刊。中身は風刺漫画が満載で時の国家やヴィクトリア女王をからかったものも載っている。またPUNCHのウィキを見るとフランスの風刺新聞を見て作ろうと思ったと書いてある。つまりフランスでは少なくとも170年以上前から風刺漫画を使った新聞があった。フランスにはユーモアをもって権力と闘う土壌が他の国より根付いているのだ。もちろん日本でも昔から風刺漫画はある。岡本太郎のお父さんの岡本一平さんも風刺漫画家。新聞で言うと四コマも元々はそうだし、3ページ目くらいには風刺漫画が入っていることが多い。戦争中は天皇陛下や日本軍人はアメリカの風刺漫画の格好の的になっていた。現在も、おさまらない原発や戦争に傾きかける安倍政権を牽制する風刺漫画が日本や周辺各国の新聞や雑誌に載っている。
どうやってユーモアを持ちながら問題の確信を突き、シンボリックで求心的な絵を描けるかが風刺漫画家の勝負であり、文化なのだ。
広告を作る手法にもとても似ていて、絵を見て「あ〜ウマいな、やられた」と感じると同時に問題の本質もどこかに残っていく。そういうものでしかない。
ネットの書き込みを見ると自業自得というような意見が多いのに驚いた。ムハンマドをバカにしたらそりゃダメだという意見も多々ある。風刺漫画という表現を酷いと言う人もいる。それでムハンマドって新しい過激な宗教なのかと思ったらマホメッドのことだった。イスラム教は今回の悼ましい事件をおこして当然と考えない宗教だと信じたい。キリストだってユダヤだってのべつまくなし風刺漫画に登場している。襲撃をしかたないと賛同する日本人がいるとは…
ならば「聖☆おにいさん」の片方がマホメッドだったらどうなんだろう?
爆笑問題の政治ネタがNHKでボツになり、個人の名前を出すのは下品という人がいた。政治ネタで個人名が出てこないのは想像つかない。北朝鮮の映画を観た人が、ラジオで そうでもないよ 言っていた。そうでもないとは北朝鮮を一歩的にバカにしてないという意味だ。表現の自由とは受け取る側のユーモアセンスが大きい。
一歩引いて面白がるゆとりがセンスだ。
風刺やパロディが抹殺されないためにユーモアをもって今一度考えたい。
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2014年11月22日

クリスマスと眼鏡

土曜日なのでゴミ袋を持って表に出たら、男の子が二人なにやら大きな声でしゃべりながらやってくる。小学四年生と見た。

「クリスマスかぁ、今年何もらえるかなぁ」
「本だよ」
「ホ…ン?」
「ホン!まいとし、ホン!」
「…」
「ママが勉強になるからって」
「…」

少年が放った「ホン!」は迷いのないハッキリした声。妖怪ウォッチどころかなんのゲームも入り込む余地のない潔さがあった。行き場を失ったクリスマスの話はそこで終わるしかなく、二人は黙って通り過ぎていった。彼はなにより「本」が欲しかったように思えた。

父方のいとこのD介のこと。彼は小学校に上がるくらいまで声も出さない臆病な子だった。親戚の集まりがあっても、ビクビクしていて一言も話さず奥に引きこもってジッとしているばかり。それがある年の正月の事だった。本家の居間で騒がしい子どもがいる、誰かと思ったらD介だった。そして、これぞ牛乳瓶の底という眼鏡をかけていた。
「いっつも困ったような顔しとるもんで、もしかしたら目が悪いんじゃないかと思ってねぇ、眼医者に連れてったじゃん」
「ほんで?」
「目が悪かっただよ、ほんで無口だったんだで」
「そりゃわからんかったねぇ、目だったかん」
「眼鏡作ったらしゃべるしゃべる、まぁ止まらん」
D介のお父さんも原因がわかってホッとしたようだった。
それからが凄かった。性格が明るくなっておしゃべりになっただけでなく、文字に目覚めたのだ。
「いままでみんなが本見とってもなんだかわからんかったけど、それが見えるようになったもんでスゴい興味もったんじゃないかん?」
「ほだら〜」「ほだら〜」
親戚中ではD介の話題で持ちきりだった。なにしろどこでも本という本を読みあさる、小学生なのに大人の本まで読む。読んでわからないことがあると大人に質問攻め。ノージャンル、辞書まで読む。うちに来た時も親父の書庫に閉じこもり、親父に質問攻めしたあげく何冊か持ち帰っていった。オレや兄貴が絶対手にしない5cm以上あるやつだ。本の虜になった彼にはもう何年も会ってないが、一族ではじめて東大に入り農業の研究をしている。
D介もクリスマスに「本」を貰っていたな と思いだした。 
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2014年11月12日

ブロードウェイで二十ン年振りの出会い

加藤健一事務所の今年最後の公演「ブロードウェイから45秒」が紀伊國屋サザンシアターで絶賛上演中です。初日前にチラシを折り込みにいった二つの劇団の制作さんから別々に、ロビーがスゴイですよと言われました。二人から言われたんで何がそんなにスゴイのか気になって気になって…初日観に行ってわかりましたよ。迫力!これは確かにロビーがスゴイ、驚きました。どんなにスゴイのか気になった方はぜひ劇場へ!もちろんロビーだけじゃなく芝居もスゴく面白いです、15日まで。
今回の公演の演出家は堤泰之さん。小さいものから大きなものまで演られている人気の演出家さんです。実はデザイナーの仕事をはじめてなかったかほんのひよっこの頃、堤さんの劇団ネバーランドミュージカルコミュニティの解散公演のチラシを作った事があるんです。二十ン年前です。「天使の羽が降る日に」紀伊國屋ホールでした。解散公演で紀伊國屋ホール、小劇団の中でも人気のあった劇団でした。よくペーペーにやらせてもらったなぁと思います。その頃はまだMACとか使ってなくてタイトルを定規とロットリングで書いたのを覚えています。ビジュアルの写真をワザと荒くしたかったので写真をカラーコピーして入稿しました。技術は無いけど若気がタップリだったんです。至っておりました…現物はどこにあるのやら…
稽古場におじゃましなかったので初日の打ち上げの席が堤さんにお会いした最初でした。「実は…」と切り出したら、堤さんの方から「昔お願いしましたよね、チラシに名前があったんでいつお会いできるかと…」言われビックリ。覚えていただいてたとは…嬉しかったです。二十ン年経ってまたご一緒出来る幸運に感謝。また次が出来ますように…早く…ン年の間に…
加藤健一事務所のお仕事に関わって3年ちょっとなんですが、年間4本ペースなんでもう12本。制作する中で一番といっていいくらい楽しんでやっているのがA5横サイズのパンフレット。
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作品の延長線上をイメージしてけっこう自由にやらせていただいています。チラシと同じビジュアルでやったり、写真を借りたり、撮影したり…今回のはポスターの真ん中のタイトル部分に使った写真を流用しました。ちょっと前のブロードウェイ、脚本が書かれた頃だと思います。これも初日の席で則子先生に裏面に吉野家が写っていることを教えていただきビックリ。
ロビーが気になって、パンフの吉野家を確認したい方、もちろんニール・サイモン初演をカトケン事務所で観たい方はサザンシアターまで。
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2014年11月10日

H氏からのFAX

11年前のある日、1枚のFAXが流れてきました。OKだという内容のFAX。送信票として使っているのかもしれませんが、このFAXは捨てられません。(内容は消しました)
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妹尾河童さんとはその時に一度だけ無名塾の「森は生きている」でご一緒しました。ご一緒したといってもパンフレットに載せるための原稿をもらっただけなんです。それでも、緊張しました。河童さんは舞台美術家であると同時に優れたグラフィックデザイナーでもあるからです。原稿に文字組の指示がしてあり同業者感覚を感じて嬉しかったです。イラストなんですが少年Hはともかく軍服の少年も河童さんご本人でしょう。Hとは河童さんの本名肇(はじめ)のH、本を読んでいたのでご本人のHにいたく感動しました。

それから最近、長らく気になっていた映画の「少年H」を観ました。本が良かったので観るのをためらってた所もありますし、戦争ものを遠慮していた所もありました。映画は、もうちょっと本で感じたグゥ〜と盛り上がる頂点みたいな感じが欲しかったんですが、画もキレイで臨場感もたっぷりでとても良かったです。特に父親役の水谷さんがいい。水谷さんってパターンで芝居する俳優さんのイメージがあったんです。若い頃は「傷だらけの天使」や「男たちの旅路」のヤンチャで「…ナ〜ニヤッテンノ〜」って首ふりながら語尾を伸ばすイメージ、右京さんの「…ですねぇ…ジョロロロロ〜」と妙に落ち着き払ってひとり遠くにいっちゃってるイメージ。つまり型にはめて演技するイメージだったんですが、妹尾家の父親はとても自然で気持ちがわかって懐が深い。スゴく良かったです。右京さんばっかりやらないで普通の役ももっともっと観たいですね。
河童さんは80歳をこえ、いまは老年Hですが、まだまだ現役で頑張っておられるようです。何か機会があればまたご一緒したいです。
タグ:妹尾河童
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2014年11月05日

「バリモア」初日

11月3日、仲代さんはこれからアラモ砦に一人で立つ。

観る前、いつになくドキドキした。なにしろ1時間40分もの間舞台にひとり、膨大な膨大なセリフ量だ。
もしかしたらダメなところを今日観ることになるかもしれないという
、とても失礼な部分を含んだドキドキだ。

しかし、舞台に出てきた一瞬でドキドキは吹き飛び、引き込まれ、
圧倒された。舞台が開いてまもなくだった。
ほろ酔いでゴキゲンなバリモアが診療鞄を持って登場する。
中から出たのは二本の酒瓶。それを右手の指にぶら下げ話はじめたかと思ったら、「ガッシャン!」
酒瓶同士がアメリカンクラッカーのようにお尻がぶつかって割れた。
瓶の底がきれいに抜けお酒はまっすぐ舞台の上へ。
瓶の底だけぬけて、滝のようにお酒が流れたのがキレイだった。ガラスも散乱している。
仲代さんは酔っぱらってフラフラしながら大きな破片を拾いあげ
「あ〜もったいねぇ」
ハプニングなのだ。仲代さんはとんでもなかった。

ほとんどの人が演出だと思っただろう。
セリフを飛ばそうが忘れようが、もうどこから切ってもバリモアだ。演じることに捕われ、演じる事が出来なくなった役者の老醜を1時間40分ぶちまけた。
終演。
観る前と違うドキドキに強く襲われた。手伝いに何人もの教え子たちが来ていた。
何も言わなくてもみんなの顔を見たらわかる。
81歳の師匠に打ちのめされたことが
誇らしくてしょうがないのだ。
仲代さんはいつも手の届かない場所にいる。楽屋で感動した教え子が「バリモアと仲代さんが一致してました」と声をかけると、ドーランを落としながら
「バリモアだと思ってやってないから」と一言。
映画スターであり、最高のシェイクスピア俳優であり、演じる宿命を背負った役者。バリモアとは仲代さんそのものだった。
今回はうまく出来たと思ってたポスターが、舞台上の仲代さんにかき消され
これで良かったのかと不安になってきた。
それでもこの作品に関われたことを誇りに思う。
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2014年10月31日

モウロウどころか目が冴えた菱田春草展

昨日の昼間、思いたって菱田春草展へ行ってきました。
黒猫がなにかと話題の展覧会ですが、落葉シリーズが素晴らしい。遠目から全体見回し鼻息荒くうなってたら、かぶりつきの御夫人集団がうるさいのなんのって…もう、何話してんのかと思ったら
「これ、椎の木じゃない?」
「ドングリが落ちてないから違うんじゃないの?」
「じゃあ、椎の木じゃないんだ」
そ こ で す か ?

36歳で亡くなった菱田春草、最後の2、3年のセンスがケタ外れですね。芸大(東京美術学校)の同期に横山大観や下村観山らがいますが、同時期の画家と比べてもオシャレでセンスが抜群。本当はここからだったんだなと感じます。背景を描かないで手前をちゃんと描くことで朦朧がより朦朧となり遠近感も感じられる。そして絶妙なバランス、見事でした。
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下は落葉シリーズの部分アップ。病床でこんなに細かく描くのはどんなに大変だったか、未完の作品も含め全ての落葉シリーズを観ることができます。
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若いころの宗教っぽいものとか坊さんの絵とか、朦朧づくしなんてのはちょっと苦手なんですが20代の作品にも面白いものがありました。
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「白牡丹」これなにがスゴいって、右上にある黒い二つの点、はじめゴミかと思ったらコバエのような虫でした。この虫で空間のバランスがうまくいってるわけなんですが、普通描かないですよね。買う側から言ったらイヤですし…。
旧態依然とした日本画への挑戦というか反骨がブンブン飛んでいるような気がします。
猫シリーズで好きだったのはこれ
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ちょっと怒ってますね。今回の展示のメインの黒猫は何とも言えない魅力がありましたが、思ったより色のメリハリがなかったのと黒猫がそこにいるという感じがあまりしなかった。なぜだろう…照明の加減もあるのかもしれませんが…。
あとカタログのデザインがシャレてました。
春草さんもセンスのいいデザイナーにカタログを作ってもらって喜んでいることでしょう。
posted by gutter at 15:45| Comment(0) | 日記